社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所

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飲み会後に転んで死亡したら、労災になるのか?


2008年5月 1日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


おはようございます、カリスマ社会保険労務士の内海です。

いつもありがとうございます。

 

さあ、今日の1分セミナーは

「飲み会後に転んで死亡したら、労災になるのか?」をお伝えします。


仕事帰りに「ちょっと一杯!」と飲みに行き、

その帰宅途中でケガをしても労災になりません。

これは「飲む」という行為により、通常の通勤から「外れた」からです。

そして、飲み会そのものが「業務ではない」からです。

だから、飲み会後のケガや事故は労災にならない場合がほとんどです。


しかし、平成19年3月に

「社内の飲み会が終わり、帰宅途中で転倒して死亡した男性」

の労災を認める判決がでました。

なぜ、労災と認められたのでしょうか。

 

まず、この事故の経緯をご説明します。

この男性は平成11年12月に会議の後、

午後5時頃から会社内の会議室での飲み会に出席しました。


そこで、

○ 缶ビール3本

○ 紙コップ半分ほどのウィスキー3杯

を飲み、午後10時15分頃に退社しました(飲み会は約5時間)。

その10分後に地下鉄駅入り口の階段で転落して、亡くなりました。

 

そして、その後、会社は労災の申請を労働基準監督署にしました。

しかし、労働基準監督署は労災の申請を却下しました。

これは、労働基準監督署が「社内の飲み会」を業務とはとらえず、

単なる懇親会と考えたからでしょう。


その後、この男性の妻は労働基準監督署の処分取消を求め、

裁判を起したのです。

 

人を雇っている会社には労災保険の加入義務があります。

保険料は全額が会社負担で、業務上のケガなどを補償する義務があります。

つまり、いざという時に保険をかけているわけです。

対象者はアルバイト等も含めた全ての雇われている人です。


労災保険では「通勤中のケガ、病気、事故」についても

業務上のケガなどと同様の補償が受けられます。


ここでいう通勤とは「就業に関して発生する」行為です。

そのため、【一般的には】業務終了後の長時間の社内での飲み会等は、

就業との直接的な関連がないと判断されます。

この事例は「飲み会開始から帰路に着くまで、約5時間」です。

だから、労働基準監督署は労災の申請を却下したのです。

 

しかし、裁判所は

(1)飲み会とは言っても部下から意見や要望を聞く機会

(2)出席は職務

(3)飲酒は多量ではなく、酔いが事故原因とも言えない

(4)雨の影響で足元も滑りやすかった

(5)この飲み会は業務の一環

とし、出席も義務と判断したのです。


この裁判では、(1)と(5)が【今までにない】判断です。

そして、この事故は労災として認められました。

今までは「飲み会 = 業務外」と考えられがちでした。

しかし、この判例が出たことにより、今後は個別の判断が重要になります。

ただし、「社内の飲み会 = 業務」ということではありません。

この点はご注意下さいね。

 

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