社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所

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出向には、社員の同意が必要ですか?


2008年6月12日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


おはようございます、カリスマ社会保険労務士の内海です。

いつもありがとうございます。

 

さあ、今日の1分セミナーは

「出向には、社員の同意が必要ですか?」をお伝えします。

 

「社員の同意の無い出向は違法なので、拒否します」と社員が言ってます。

これは本当ですか?


先日、私のところにこんなご相談がありました

ことの成り行きはこうです。


A社はB社に業務を委託しています。

そして、A社のある社員に「B社に出向」とを命じました。

すると、その社員は

「私は、この出向に同意をしていないので違法だ。」

と言いました。

さあ、「出向 = 社員の同意」は必要なのでしょうか?


まずは、出向の定義をみてみましょう。

出向には、下記の2つがあります。

(1)元の会社に在籍したまま、別の会社で働くこと(在籍出向)

(2)元の会社から転籍し、別の会社で働くこと(転籍出向)

この「在籍出向」、「転籍出向」を憶えておいて下さいね。

 

今回のA社の事例は、(1)の在籍出向になります。

つまり、社員の籍はA社のままで、B社に出向するのです。


ただし、出向には、

○ 就業規則

○ 雇用契約

○ 労働協約(労働組合がある場合)

などに規定が必要です。


そして、A社の場合は、就業規則に次の規定がありました。

「社員は、業務上の必要により社外勤務することがある」


さらに、A社の入社時の誓約書には

「就業規則を包括的に守る」という旨が書かれています。


だから、結果として

○ 就業規則 → 会社命令により、出向可能

○ 誓約書 → 「就業規則を守る」ことに同意

という理由により、社員の同意無しで出向させることができるのです。

だから、A社は業務命令として、社員を出向させました。

社員も理論を説明したら、納得して出向に応じました。

 

しかし、誓約書があっても、個別の同意が必要なこともあります。

それは、会社として初めて出向させる場合です。


この場合、入社時の誓約書は出向を前提としていません。

なぜならば、過去に出向の実績が無いからです。

だから、初めての場合は「個別に同意を取る」必要があります。

そして、初めての出向後に就業規則の改訂を行なう必要があるのです。

ここはポイントになるので、注意が必要です。

以上が上記(1)の在籍出向の解説です。

 

次に、上記(2)の転籍出向をご説明します。

転籍出向の場合、社員としての籍が別の会社に移ります。

そのため、意思確認も含めた同意書が必要です。


また、転籍出向は「片道切符」であることが多いです。

それは、

○ リストラの一環としての出向

○ 子会社を上場させるための出向

などと意味合いは様々です。


ここで問題にしたいのは、リストラの一環の場合です。

この場合、給与が下がることもあります。

感情的な問題に発展することもあります。


出向には様々なケースがあるからこそ、

「出向に対する説明」をきちんと行うべきなのです。


また、この説明を行なう時に最も重要なのが

「【感情として】納得するように説明する」ということです。


多くの労使トラブルを経験した私だからこそ、

「トラブルは【小さな感情のすれ違い】が大きくなっただけ」

と言い切ることができます。


大半のケースは「あの時点でもっとケアをすれば防げたケース」です。

これは間違いなく言えることです。

 

いかがでしょうか。

皆さんでは社員を出向させることがありますか?


就業規則に出向の規定はありますか?

入社時の誓約書に「就業規則を守る」旨は記載されていますか?


もし、このような手続きを踏んでいないと、

トラブルになる可能性があります。

そうならないように、就業規則などの整備は【必ず】行ってください。


実際、トラブルが起こった【後に】就業規則を改訂する会社が多いのです。


そういう方の全員が

「内海先生の言うとおり、【あの時に】改訂しておけば良かったです」

とおっしゃいます。


皆さんは早めに対策をして下さいね。 

 

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