社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所

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うつ病の社員が復帰する時の注意点


2009年7月16日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


おはようございます、カリスマ社会保険労務士の内海です。

いつもありがとうございます。

 

今回の1分セミナーは

「うつ病の社員が復帰する時の注意点」です。


最初に、うつ病に関するデータをご紹介します。


厚生労働省は3年毎にうつ病の患者数を調査しています。

これによると、

○ 平成8年・・・43.3万人

○ 平成11年・・44.1万人

○ 平成14年・・71.1万人

○ 平成17年・・92.4万人

となっています。


特に、平成11年からの6年間で2倍以上に増加しています。

ただし、これらの数字は医療機関からのデータです。

だから、医者にかかっていない患者は含まれないのです。


そして、潜在的な患者数はこの4倍とも5倍とも言われています。

仮に、これを5倍とすれば、

○ 表面上の患者数・・92.4万人

○ 潜在的な患者数・・462万人

○ 合計の患者数・・・554万人

となります。


日本の人口が1.2億人とすれば、

【約5%】の人がうつ病とも言える時代なのです。


つまり、うつ病は日常的な問題なのです。


そして、私のところには

「社員がうつ病になったので、休職させたいのですが・・・」

という相談がひっきりなしです。


もちろん、「うつ病になる = 仕事の効率が落ちる」となるので、

就業規則に「休職の規定」をきちんと記載することが大切です。

このことは以前にも書いたので、ここでは割愛します。

 

もちろん、この発病した段階も問題なのですが、

もっと問題なのが「復帰するタイミング」です。


残念ながら、うつ病は再発が非常に多い病気です。

「治った」との診断書があっても、復帰後に再発するケースも多いのです。


当然ですが、復帰の判断をするのは会社です。

しかし、会社は病気について詳しくないので、

本人の主治医の判断を仰ぐこととなります。


この場合、会社は本人の病状を主治医に聞くことができます。

もちろん、本人の同意が必要です。


しかし、主治医はどうしても患者よりの診断となりがちです。

だから、会社指定の医師などの受診をしてもらい、

判断をしたいところです。

ただし、注意点があります。


それは、会社指定の医師などの受診を命じることは

○ 就業規則

○ 雇用契約書

などに書かれていないと【できない】のです。


具体的には、次のように記載します。

(指定医健診)

第○条 従業員が次の各号のいずれかに該当する場合、

会社は従業員に対し、会社の指定する医師の健康診断を

受けさせることがある。

なお、これは業務上の必要性に基づくものであるため、

従業員は正当な理由なくこれを拒むことはできない。

 

なお、うつ病ではありませんが、受診命令に関する判例があるので、

ご紹介します。


<全国電気通信労組事件 東京地裁 平成2年9月>

○ 本人は個人的な病気で休職した

○ 本人は主治医の診断書「勤務可能」を理由に復帰を要請

○ 組合は規定に従い、指定する医師での受診を命令

○ 本人はこれを拒否

○ 就業規則に規定する休職期間の満了を理由に解雇

○ 就業規則には「指定医での受診命令は可能」と記載


しかし、これに納得できない本人は裁判を起こしました。

そして、裁判所は

「指定医での受診を拒否したから、復職させなかったことは正当」

と判断したのです。


もちろん、これは就業規則にきちんと書いてあったからです。

逆に言えば、書いてなければ、会社は負けていたのです。

 

うつ病は「治ったか」という判断がとても難しい病気です。

しかし、病気のまま働くことは

○ 本人のためにもならない(=悪化する可能性大)

○ 仕事の効率も落ち、事故やクレームになる可能性もある

ということです。


だからこそ、1人でも多くの医師の意見を集め、

判断すべきなのです。


しかし、それを【会社として】【法的に】実行するためには、

就業規則などの記載が必要なのです。


皆さんの会社の就業規則や雇用契約書には

ここまで記載されていますか?


これはあくまでリスクを想定して、事前に準備するものです。

もし書いていなければ、必ず書くようにして下さい。


また、メルマガの内容はどうしても単発物になります。

しかし、保全しなければならないリスクはあれもこれもあるのです。


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