社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所

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社員が引き抜きにあったら・・・


2009年11月12日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


おはようございます、カリスマ社会保険労務士の内海です。

いつもありがとうございます。

 

今回の1分セミナーは

「社員が引き抜きにあったら・・・」についてです。

 

もしもの話ですが、皆さんの会社の優秀な営業マンが

引き抜かれたとします。

そして、引き抜いたのは、前に皆さんの会社いた社員だとします。

とても、やりきれない気持ちになりますよね・・・。 

こんなとき、どうしますか?

 

転職、スカウト、引き抜きなど、仕事を変えることは珍しくありません。

不景気とはいえ、人材紹介業などは盛んに動いています。


社員が転職することは当たり前の時代とはいえ、

「引き抜き」となると話は変わってきます。


なぜならば、会社としては「引き抜かれた」ことで、

損失が発生するかもしれないからです。


確かに、憲法では「職業選択の自由」があります。

だから、「単なる転職の勧誘」は違法になりません。


しかし、違法となった判例もあります。


<東京コンピュータサービス事件 平成8年12月 東京地裁>

○ 同社の元営業次長が新会社設立

○ 同社および子会社の社員約200名に転職の勧誘を実施

○ その事実を知った会社が裁判を起こした


そして、裁判所は

○ 勧誘が会社の存続を危うくしている

○ 大量の社員を対象としている

○ 会社の公式行事に勧誘をしていた

○ 元営業次長は、準役員的な立場であった

などを理由にこの勧誘は「違法」と判断したのです。


つまり、会社が勝ったのです。


この裁判では、引き抜きが「単なる勧誘」の域を超えていたのです。


ここで「勧誘」の域を超えるかどうかのポイントを整理します。

それは

○ 計画的に勧誘されていた

○ 大量の従業員を引き抜こうとした

○ 幹部従業員であるのに、経営の利益を侵害した

などがポイントになりました。

 

しかし、会社が負けた判例もあります。

<TAP事件 平成5年8月 東京地裁> 

○ 学習塾の講師が退職

○ 同じ業態で仕事を開始

○ 元の学習塾の講師が勧誘され、転職した

そして、 会社は「違法な引き抜き」として裁判を起こしました。


しかし、裁判所の判断は

○ 具体的に引き抜き行為を計画していない

○ 自発的に転職した可能性も大きい

として、この行為は違法ではないと判断しました。


この2つの判決を比べると、「勧誘」という行為は同じでも

○ 計画性の有無

○ 勧誘した人の会社での地位

が異なります。


だから、「役員等」が「計画的に」部下を誘ったら

「違法」となる可能性が高いのが過去の判例です。


単に、「元上司が誘った」は「違法」とはならないでしょう。


だから、もし、皆さんの会社で引き抜きがあったら、

この2点を確認して下さい。


そこが「違法な引き抜き」か、「仕方のない引き抜き」かの

分岐点になる可能性が高いのです。

 

それから、引き抜かれた社員への対応を考えてみましょう。

この場合、退職金制度のある会社であれば、

「退職金を支給しない」という方法があります。


ただし、これを実施するには

就業規則や退職金規定で、次のように決めなければなりません。

---------------------------------------------------------------------
業務の都合をかえりみず退職し、業務に著しく障害を与えた場合、

退職金は支給しない
---------------------------------------------------------------------

この1文の有無が、退職金を支払うかどうかを分ける場合もあるのです。


皆さんは「引き抜きなんて関係ない」と思うかもしれません。

しかし、この問題は突然にやってくるし、

多くの会社で起きている事実なのです。


以前のメルマガにも書きましたが、

「転職 = 企業秘密の漏洩」という問題になる場合もあります。


ちなみに、この場合は就業規則に下記の条項を記載することにより、

抑制効果が生じます。


<服務規程>

第○条 従業員は次の各号に該当する行為を行ってはならない。

○ 会社に属するコンピュータ、電話(携帯電話を含む)、ファクシミリ、

  インターネット、電子メールその他の備品を無断で私的に使用する

○ 会社及び関係取引先の重大な秘密及びその他の情報を漏らし、

  あるいは、漏らそうとする

○ 服務規定に違反した場合、懲戒処分とする

→ 重い場合は解雇

 

いずれにせよ、優秀な社員が引き抜かれることは

会社にとっては大きな損失です。


もちろん、「その引き抜きが違法かどうか」ということは大切です。

しかし、もっと大切なことは「引き抜かれない会社を作ること」です。


転職する社員は【必ず】

「今の会社にいるメリット < 転職するメリット」

「今の会社にいるデメリット > 転職するデメリット」

と考え、転職するのです。


当然、1社員が思っていることは

他の社員も思っていることが多いでしょう。

 

実際、私がご相談をお受けする中でも

離職率が非常に高い会社もあります。


こういう会社は労使トラブルも結果として多くなります。

つまり、会社としての体制ができていないのです。


こういう会社は「就業規則がどうのこうの」と言う前に

企業風土、働く環境を見直すべきです。


もっとも、ワンマン社長で、

こういうことを見直すこともままならないことも多いのですが・・・。


確かに、私は就業規則、雇用契約書などのことを細かく解説します。

ただ、その手前でもっと大切なことがあるのです。


それをさらに保全するために、

就業規則、雇用契約書などの形式が非常に重要なのです。


この両輪が回って初めて、組織が動いていくのです。

もし、皆さんの会社で

○ 社員との関係が上手くいかない

○ 社員とのトラブルが多い

○ 短期的に辞めていく社員が多い 

という状況ならば、まずはこの両輪を見直して下さい。


この状況に陥っている会社は

○ 社員の採用コスト

○ 社員の教育コスト 

が多額にかかり、コスト的にも悪循環になっている場合があります。


そういう意味でも、「働く環境」と「就業規則」という両輪を

きちんと決めておくべきなのです。


○ 顧問契約

○ 単発の有料相談

○ 就業規則の作成

○ 雇用契約書の作成 のお問い合わせは


( 料金表は下記に記載 )

https://www.roumu55.com/komon.html

 

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(株)日本中央会計事務所・日本中央社会保険労務士事務所
取締役・社労士 内海正人(うつみまさと)
住所:東京都港区西新橋1-16-5コニシビル4階
電話:03-3539-3047

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https://www.roumu55.com/komon.html
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