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2010年4月15日 投稿者:社会保険労務士 内海 正人
おはようございます、カリスマ社会保険労務士の内海です。
いつもありがとうございます。
今回は「退職時の有給休暇の消化」について解説します。
退職する社員から「有給休暇を消化するので、明日から休みます」
と言われたことはありませんか?
もちろん、仕事の引継ぎが終わっていれば問題ありませんが、
まだ終わっていなければ、業務がまわりません。
しかし、退職時の有給休暇を消化させないことは難しいのです。
なぜなら、退職時であっても、
有給休暇の消化は「法的に」認められているからです。
ただし、「休むのは仕事の引継ぎが終わってからにして下さい」と伝え、
有給休暇を取得する日を「強制的に」ずらすことはできるのです。
しかし、強制的にずらせないケース「も」あります。
たとえば、
○ 残りの出勤日数 = 有給休暇の残日数
○ 残りの出勤日数 < 有給休暇の残日数
ならば、強制的にずらせないのです。
しかし、これがカベとなり、引継ぎがきちんと行なわれないならば、
会社としては困ってしまいます。
そこで、社員が勝手な判断で退職できないように、
就業規則の整備が必要となります。
たとえば、下記のように記載します。
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第●条 労働契約終了時の引継ぎ
○ 労働契約を終了する社員は、契約終了日までに誠実に勤務し、
業務に支障をきたさないように引継ぎを行う必要がある
○ 引継ぎを完了しないで退職しようとする場合は懲戒の対象となる
○ 引継ぎは所定の書面にて実施する。完了時には上席者の確認をもらう
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このように、引継ぎを完了させない場合は
懲戒処分の対象となることを就業規則に記載するのです。
具体的には、
○ 退職金の減額
○ 最終給料の減額
を検討することになります。
こうしておけば、勝手な判断での有給休暇の消化ができなくなるのです。
実際、私がコンサルした事例で
この条文の導入後は退職時のゴタゴタが無くなった会社もあります。
それから、退職日をずらす方法もあります。
これは引継ぎが完了し、そこから有給休暇を消化させ、
消化が終了した日を退職日とする方法です。
これは退職後の転職予定が決まっていない社員なら、問題ありません。
しかし、転職先が決まっており、
在籍期間を重複させることができない場合※、この方法はできません。
※ 社会保険の手続き上、重複期間は認められません
※ 実務上、入社手続きが保留になるケースもあります
この場合は、残りの有給休暇を買い取ることも考えましょう。
本来、有給休暇の買い取りは禁止されています。
しかし、例外として退職時の有給休暇の残日数を
会社が買い取ることは「法的に」問題ありません。
この場合、余計な支出が出てしまいますが、
会社にとっても社員にとってもメリットはあります。
会社のメリットは
○ 早く雇用関係が終了する
→ モチベーションの低下した社員を早めに退職させることができる
○ 社会保険料を削減できる
→ 買い取った日までが雇用契約となる
→ 買い取り日の翌日以後の有給休暇は労働保険の対象外
→ 健康保険料、厚生年金保険料も会社負担額が減るケースもある
○ 有給休暇の買取額は自由に設定できる
→ 買取額は任意に設定できる
→ 事前に買取金額等を労使協定で決めておく
となります。
また、社員のメリットは
○ 退職日が早まる
→ 消化しきるまで、在籍しなくてもОK
→ 転職先との重複期間の問題もない
○ 買い取ってもらったお金が入る
→ 退職所得となり、所得税、住民税が安い(社会保険料はかからない)
→ 「退職所得の受給に関する申告書」を提出してもらう必要あり
ということです。
会社にとって問題なのは、引継ぎせずに有給休暇の消化をされることです。
○ 就業規則において引継ぎのルールを決める
○ 重複期間に問題がなければ、退職日をずらす
○ 買い取りのオプションも検討する
と保全しておけば、退職前後のトラブルは大きく減るのです。
厚生労働省のデータによれば、
○ 男性(正社員)の平均勤続年数は約13年
○ 女性(正社員)の平均勤続年数は約8年
となっています。
退職する前は大胆な行動に出る社員も中にはいます。
だから、その労務リスクを減らすことは非常に大きなことなのです。
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