社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所

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懲戒解雇を実施する時のポイントは?


2011年9月 1日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


おはようございます、カリスマ社会保険労務士の内海です。

いつもありがとうございます。

 

今日から9月ですね。


先日もお伝えしましたが、9月は厚生年金保険料が上がる月でもあります。

是非、下記マニュアルで「社会保険料の削減」をしてくださいね。


削減できるかどうかの具体的な試算も承りますので、お問合せください。

よろしくお願いします。 

https://www.syakai-hoken.com/

 


では、1分セミナーにいきましょう。

今回は「懲戒解雇を実施する時のポイントは?」をお伝えします。


世の中では色々な不祥事があり、

社員が懲戒解雇されることも日常茶飯事です。


この懲戒解雇は社員に対する最も重い制裁のため、

法的な要件などを慎重に判断することが大切です。


また、下記の事項も重要な要素です。

〇 内容の検討

〇 不祥事が起きた動機

〇 社内外への影響

〇 本人の弁明の機会

などを社内の懲罰委員会など※で調査する必要があります。


※ 社長が1人で決めた場合、根拠が弱くなる(裁判で負ける)可能性がある

※ 複数の人間により決定事項とした方が良い


さらに、「基本的に」即日解雇とすることも重要です。

 


この場合、問題になるのが解雇予告手当の支払についてです。


解雇予告手当とは

「即日解雇をする場合、平均賃金の30日分」に該当する手当をいいます。


結果として、即日解雇をする場合、

解雇予告手当の支払が必要になるのです。


しかし、不祥事を起こした社員に解雇予告手当まで支払ったのでは、

「泥棒に追い銭」となってしまいます。


これでは納得できない感情もあるでしょう。

 


ただし、この支払いを免れる方法があります。


それは所轄の労働基準監督署に「解雇予告手当除外認定申請」

を提出して、認定を受けるということです。


就業規則の懲戒解雇の事由に該当していても、

この認定を受けた後に支払わない決定をしてください。


そうしないと、「違法」となります。

ここは非常に重要なので覚えておいてくださいね。

 


では、どんな場合に認定が受けられるのでしょうか。

それは、

〇 社内での盗撮、横領、傷害など刑法犯に該当する場合(軽微なものを除く)

〇 社外で行われた盗撮、横領、傷害など刑法犯に該当する場合で

  会社の名誉を著しく傷つけた場合

〇 賭博などで職場の規律を乱し、他の社員に悪影響を与えた場合

〇 採用の際、重要な経歴を偽った場合

〇 無断で他の会社などで働き、二重就職した場合

〇 正当な理由無く、2週間以上無断欠勤し、督促しても応じない場合

〇 遅刻や早退が多く、改善されない場合 

などが対象になります。


ただし、即日解雇した後に申請しても

その【当日】に労働基準監督署の認定が取れるとは限りません。


だから、「認定を受けてから、懲戒解雇にする」ということがベストですが、

結果として、そうできなかったケースもあります。


ここで、問題になるのは

「懲戒解雇後に認定を受けても有効か?」ということです。


これは結論からいうと「有効」です。


その「即時解雇した日に該当する事実がある」ということが重要なのです。


実際、行政通達(昭和63年3月14日)でも

「その解雇の効力は使用者が即時解雇の意思を表示した日に発生すると解される」

となっています。

 


しかし、最も問題なのは、

懲戒解雇後に認定されなかった場合です。


この場合は懲戒解雇であったとしても、

解雇予告手当の支払いは【法的に】必要となってしまうのです。


もし、この解雇予告手当を支払わないならば、

「解雇を通知した日から30日間を経過した日に解雇する」

という方法もあります。


ただし、結果として、

○ 不祥事を起こした社員を社内におくこと自体が悪影響を及ぼす

○ 有給休暇を消化したとしても、30日分の給料は支払う

となります。


いずれにせよ、30日分の給料は必要となってしまうのです。

 


なお、労働基準監督署によっては

「解雇予告手当除外認定申請は事後的には受け付けない」ということもあります。


だから、懲戒解雇に該当する事件が起こったら、

(1)その社員を自宅謹慎させ、内容の調査をする

→ その社員がクロならば、自宅謹慎中の給料は発生しない

(2)解雇予告手当除外認定申請を労働基準監督署に相談する

(3)認定を受けた後に懲戒解雇する

という手順が必要です。

 


皆さんの周りではこういうことはないかもしれませんが、

私の所には多くのご相談が持ち込まれていることも事実です。


また、税務調査などがきっかけとなり、

社員の不祥事が明るみに出ることは「よく」あることです。


逆にいえば、それまでは「当社には不祥事はない」と

社長は思っていたわけです。


どんな会社でも不祥事は起こり得るものです。


そういう場合はあたふたせず、

今日の内容を思い出して、冷静に対処してくださいね。

 

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また、この内容は掲載日現在の法令や通達などに基づいておりますので、

ご注意ください。

 

■編集後記

今日は「防災の日」ですね。

東日本大震災があっただけに、今年の防災の日はより注目されています。


被災地でも「どこに避難したか」という判断が明暗を分けたケースもあります。


防災の日をきっかけに

○ 避難経路、避難場所の確認

○ 防災グッズの点検、賞味期限や電池の確認

→ 新入社員も含めた人数分が確保されているか?

○ 緊急連絡網の確認

→ 当社ではグーグルのメーリングリストを使っています。

などをしてみましょう。


「備えあれば憂いなし」なのです。


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