社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所

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その人が社員なのか?外注先なのか?


2012年4月19日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


おはようございます、カリスマ社会保険労務士の内海です。

いつもありがとうございます。


「その人が社員なのか?外注先なのか?」という問題は

いつの時代にもよくある質問です。


先日もあるIT関連の社長から下記のご質問を受けました。

○ 雇用契約と業務委託契約の分岐点はどこにあるのか?

○ 雇用契約書や業務委託契約書が無い場合はどう判断するのか?


もちろん、税務であれ、労務であれ、

契約書の形式ではなく、実態で「総合的に」判断します。


だから、「完全に明確な」線引きは無いのですが、

ガイドライン的な基準はあります。


当然ですが、

○ 社員・・・労働基準法の適用あり

○ 外注先・・・労働基準法の適用なし

となります。


労働基準法は社員を保護する法律ですから、

実態は社員なのにその適用が受けられないとなると、問題となります。


そこで、労働基準法が適用になるかどうかは

契約書の形式ではなく、実態をみて判断することになっています。


実際に、会社が外注先と認識していても、

○ 労働基準監督署の調査があったことにより

○ 外注先が労働基準監督署に飛び込んだことにより

「外注先 → 社員」とされてしまうこともあるのです。


この場合、会社は他の同様の方についても取扱いを変えることになります。


これは労務に限らず、

税務調査で「外注先 → 社員」と否認された場合も同様です。


具体的には下記の「ような」基準となっており、

これは税務も労務も同じです。


○ 業務遂行にあたって指揮命令があるかどうか

→ 「拒否できない=雇用契約」、「拒否できる=業務委託契約」


○ 勤務場所および勤務時間の拘束があるかどうか

→ 「拘束がある=雇用契約」、「拘束がない=業務委託契約


○ 労働を他の者が代行できるかどうか

→ 「代行できない=雇用契約」、「代行できる=業務委託契約」


○ 報酬の基準は時間か結果か

→ 「時間=雇用契約」、「結果=業務委託契約」


○ 欠勤した時に給与が控除されるかどうか

→ 「控除される=雇用契約」、「控除されない=業務委託契約」


○ 残業手当がつくかどうか

→ 「残業手当がつく=雇用契約」、「残業手当がつかない=業務委託契約」


○ 報酬の額が同様の業務に従事している社員に比べて高額か

→ 「同じような額=雇用契約」、「高額=業務委託契約」


○ 報酬は労働に対する対価か?納品に対する対価か?

→ 「労働に対する=雇用契約」、「納品に対する対価=業務委託契約」


○ 業務に使用する機械、器具の費用負担

→ 「会社負担=雇用契約」、「本人が負担=業務委託契約」

 


実際、下記の裁判(労務)もこれに沿っています。


<横浜南労基署(旭紙業)事件 最高裁 平成8年11月>

○ 自己所有のトラックを持ち込み、会社の指示で輸送を行う

○ 輸送中に災害を被った

○ 会社は労災を申請

○ 横浜南労基署は「労災でない」と主張し、争いになった


そして、最高裁の判断は

○ この人は自己所有のトラックを持ち込み、業務を実施

○ 会社からの指示は単発で、運送先、納品時刻などが伝えられるだけ

→ 出発時刻、運転経路、運転方法などの指示は無い

○ 運送以外の指示はなし

○ 始業、終業の時刻は決められていない

○ 報酬は移動距離によって決まっている

○ ガソリン代、修理費、高速道路料金も本人が負担

○ 源泉税、社会保険料の控除もしていない

◎ この人は外注先なので、労災の申請はできない

としたのです。

 


こういう「外注先なのか、社員なのか」という問題はよくありますが、

本人の意向で「外注先として仕事をしたい」ということもあります。


本人側のメリットとしては

○ 働く期間、働くペースを本人が選択しやすい。

○ 契約した仕事だけに集中できる。

○ 成果に連動して報酬を上げやすい

○ 複数の企業と同時に仕事できる。

○ 仕事や顧客を自ら選択できる。

○ 定年がない

○ 家で仕事をすれば、家賃も経費になる

などとなっています。


また、会社側のメリットとしては

○ 残業代の支払いが無い

○ 社会保険料の負担が無い

○ 業務に対して成果で報酬を支払うだけ

○ 業務管理が必要ない

○ 外注費であれば、消費税の控除ができる

などとなっています。


しかし、逆の面もあります。


たとえば、同じ仕事をしたとしても

「社員の給与 < 外注先の報酬」となる場合が大半ということです。


だから、業務の種類、内容などをよく検証し、

雇用契約、業務委託契約のどちらかが適しているのかを判断しましょう。


一番いけないのは

○ 報酬は社員と同じ程度

○ 残業代、社会保険料を負担しない

として、形式だけ業務委託契約とすることです。


この場合、

○ 労働基準監督署の調査が入ったり、

○ 本人が労働基準監督署に飛び込んだりしたら、

契約書が「業務委託契約」になっていても「雇用契約」

となる場合もあるでしょう。


始業、終業の時間管理、指揮命令の徹底などがあれば、

雇用関係と判断されてしまうのです。


この場合、

○ 未払いの残業代の支払い

○ 社会保険の加入(遡及する場合あり)

○ 契約書、就業規則、36協定の作成

などを指摘され、労働基準監督署から勧告されることになるのです。


そして、残業代、社会保険料などを支払わなければならない場合、

期日が区切られてしまいます。


社会保険料に関しては、期日を過ぎれば、延滞金がかかります。


いずれにせよ、今日の問題は税務面からも労務面からも

大きな問題に発展することがあります。


しかし、会社は「この人は外注先だ」と認識しているので、

危機意識すらないことがあります。


しかし、「形式は外注先でも、社員との違いを説明せよ」と言われたら、

説明しにくい人がいる会社は要注意です。


その人は「外注先ではなく、社員」かもしれません。


なかなかこういう振り返りをする機会は少ないので、

皆さんの会社でもこの機会に是非、見直して下さいね。  

 

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■編集後記

一昨日、昨日と福島県に出張でした。


東京では桜は散ってしまいましたが、福島はこれからなので、

つぼみがこれから開こうとする様子が見えました。


先日、友人の外国人に「日本人は何で桜が好きなのか?」

と聞かれました。


私は「満開の時期が短く、はかない感じが人の心に刺さるのでしょう」

と答えましたが、彼はその意味がわからないといっていました(笑)。


来週も福島に出張なので、もう一度桜の花に会えるので楽しみです。


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