社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所

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問題社員の解雇の流れ


2012年6月 1日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


おはようございます、カリスマ社会保険労務士の内海です。

いつもありがとうございます。


前回は「幹部社員を解雇する際の注意点」でしたが、

今回は「問題社員の解雇の流れ」を解説します。


社内に問題社員がいて、頭を抱えている社長は多いですが、

その悩みは様々です。


例えば、

○ ミスが多い、仕事が遅い、顧客からのクレームが多い

→ 社員の能力不足の可能性


○ 仕事の指示を聞かない、注意しても言い訳ばかり、反抗的な態度

→ 社員の仕事に対する姿勢の問題

などが多いです。


こうした問題社員の対応を検討する際にまず押さえる事があります。


それは「上記の程度では解雇ができない」ということです。


つまり、いきなり「クビ」にはできないのです。


だから、あまりにもひどい問題社員については

段階的な対応が必要となります。


具体的には以下となります。


ステップ1:注意、指導を行う

ステップ2:配置転換、職種転換

ステップ3:解雇以外の軽い懲戒処分

ステップ4:退職勧奨

ステップ5:解雇の検討


このときに気をつけることは、上司の注意や指導等に対し、

○ 「パワハラだ」と主張する社員が出てくる

○ 上司の教育に問題があるから、「仕事がうまくいかない」と言われる

ということもあります。


その対抗策としては、

○ 注意、指導の事実をメモし、保存(内容、日時を記載)

○ 会社の正式な注意として、書面にて警告等を行う

○ 注意した際の面談記録(日時も記載)を作成する

○ メールの保存

○ 顧客からのクレームのメモ(内容、日時を記載)

○ 教育、研修の資料

○ 弁護士や社労士との打合せ記録

をそろえておくことです。


このことは、もし裁判になった時に「強力な証拠」になるのと同時に、

社長や上司自身を守ることにもなるのです。


私にご相談がある事例でも多いのですが、

○ 「あー、そういう資料は保存していないですね」

○ 「その時は口頭だけなので、記録はしていません」

ということが多いですが、これは重要なことなのです。


そして、ステップ1からステップ4をクリアして、

初めて解雇の検討を実施するのです。


もちろん、だからといって即時に解雇には持ち込めませんが、

ステップを踏むことで解雇が有効になるのです。


これに関して参考となる裁判があります。


<越前屋多崎事件 東京地裁 平成12年6月>

○ 経理を担当していた社員がコンピュータ化についていけず、

  配送センター(包装等の業務)に配転となった


○ 包装の仕事を覚えようとしない

→ 担当者が教えてもメモも取らず、質問を繰り返していた(記録あり)


○ 業務に不満があり、「この仕事は嫌がらせだ」と主張

→ 出社しても、一切の仕事を行わない


○ 会社は本社に配置転換し、名簿作りを命じた

→ 1日、3,4行しか作成できない(業務能力はかなり低い)

→ 暴言を吐いたり、職場放棄をするようになった


○ 会社は社員を解雇し、はこれを不服として裁判所に訴えた


そして、裁判所の判断は

○ 配送センターでは業務を遂行する意欲、能力が不足

○ 誠実に業務を遂行しようとする意識なし

○ 同僚と協調して業務を遂行していなかった

○ 業務能力が著しく劣り、勤務成績が著しく不良である

とし、解雇は合理的な判断とされ、会社が勝訴したのです。


この判決のポイントは

○ 配送センターでの仕事ぶりだけで解雇としなかった

→ 別の仕事でのチャンスを与えた

→ 本社に異動させ、名簿作りをさせた(業務能力の低さを証明した)

○ 我慢強く様子を見た

○ 記録として残しておくべきものは残しておいた

ということです。


ここまでやれば、解雇が無効とされることはないでしょう。


逆に言うと、問題社員を「仕事ができないという理由で」解雇したい場合、

ここまでやらないと解雇が有効にならないのです。


しかし、こういう流れが面倒くさいので、

○ 仕事ができない社員をすぐに解雇したい

○ 解雇予告手当(給与の1か月分)が必要なことは分かっている

と誤解され、即時解雇をしたいと考えている社長も多いでしょう。


しかし、これは「不当解雇」と言われる可能性があるので、

注意が必要です。


世の中には「仕事ができない問題社員」はいますが、

その社員を解雇するための「法的な」ハードルは

非常に高いものなのです。


もちろん、社員が納得すれば、ここまでしなくてもいいのですが、

そのためには日頃からの人間関係ができているかどうかですね・・・。

 

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ご注意ください。

 

■編集後記


月曜日から木曜日まで九州に出張していました。


その中で「会社のルールに消防団の参加の旨を記載したい」

とお話しされている方もいました。


このお客様の地方では自治活動が盛んで、

消防団の活動も重要との事なのです。


狭い日本といいますが、地域によっての特色は様々ですね。


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