社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所

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休職中に有給休暇は取得できるのか?


2012年10月25日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


おはようございます、カリスマ社会保険労務士の内海です。

いつもありがとうございます。

 

今回は「休職中に有給休暇は取得できるのか?」を解説します。


メンタルヘルスの問題から休職となる人も多い時代であり、

休職に関するご質問を色々なお客様から頂きます。


この休職についてですが、会社が頭を抱える問題が有給休暇との関係です。


〇 休職を命令したら、有給休暇の申請が出てきた

〇 「休職の前に有給休暇を消化させてほしい」と言われた

などの状況で「どうすればいいのか分からない」とご相談をお受けします。


これを判断するポイントは社員の状況により異なります。


たとえば、持病やケガで長期療養が必要な場合(まだ休職ではない)、

社員の申し出により有給休暇の取得が可能となります。


しかし、休職が発令された後は

社員が申し出ても有給休暇の取得は不可となります。


なぜ、後者は有給休暇を取得できないのでしょうか。


労働局の通達では以下となっています。 

--------------------------------------------------------------------- 
〇 休職命令により、労働の義務が免除となる

〇 休職者が有給休暇を請求しても、

  そもそも労働義務がないので有給休暇を請求できない
---------------------------------------------------------------------

つまり、働く義務がないので、有給休暇は取得できないということです。


ここで多くの会社が間違えるケースがあります。


それは「有給休暇が残っているので、まずはこれを消化させよう」

ということです。


これは既に休職中の社員に対して「少しでも給料をあげよう」

という考え方でしょう。


しかし、法的には休職の状態で働けない人には

有給休暇を取得する権利が無いのです。


また、休職した社員が復帰した場合、

復帰後に有給休暇を消化したいこともあるかもしれません。


だから、無理に有給休暇を消化する必要はないのです。


また、傷病で休職となる場合、会社は給料を支払う必要はありませんが

無報酬となるわけではありません。


なぜならば、金銭的な援助が健康保険からされるからです。


それは、傷病手当金といって給与の約6割ぐらいの金額であり、

期間は最長で初診日から1年6ヶ月までとなっています。


ちなみに、この期間に会社が休職手当として、

休職している社員に支払ったら、この傷病手当金が減額されてしまうのです。


だから、休職となった社員に給料を支払うと不利なこともあるのです。

 


このときに注意する事が1つあります。


それは、本人負担分の社会保険料の徴収です。


休職中の社員には給料を支払っていないので、

本人負担分の社会保険料を差し引くことはできません。


こういうケースの場合、

「復帰後に最初の給料でまとめて相殺します」

とお話されるお客様も時々いらっしゃいます。


しかし、休職の期間が長いと相殺する保険料の額も大きくなり、

相殺しきれないケースもあります。


さらに、復帰後すぐに退職となった場合、回収不能になる場合もあります。


以上のことも考えて、休職中の社会保険料は、

その都度、振り込んでもらうをお薦めします。 


この部分は就業規則等に先に明記して対応しましょう。


参考条文は以下となっております。

---------------------------------------------------------------------
休職中の社員負担分の社会保険料は、各月に会社が立て替え納付した分を

従業員は、毎月〇日までに会社の指定した口座へ支払うものとする。
---------------------------------------------------------------------

このように記載して、誤解が生じないようにしておきましょう。


今日の内容をまとめると

〇 休職に相当する社員がいたら、休職を命令する

〇 休職中の給与等の支払いはストップ

〇 健康保険の傷病手当金の支給申請を行う

〇 休職中の社会保険料はその都度の振込み(就業規則の記載チェック)

ということです。


どの項目も重要なので、漏れのないようにしましょう。


なお、休職中であっても、社会保険料の会社負担分は発生しますので、

併せてご確認ください。

 

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敢えて詳細な要件などは省略していることもございます。

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また、この内容は掲載日現在の法令や通達などに基づいておりますので、

ご注意ください。

 

■編集後記


最近、肩こりが激しくて右腕が上がらないことがあります。


肩の筋肉疲労が原因だとおもうのですが・・・。


四十肩と呼ばれる症状と思い、ネットで調べてみたら

〇 肩こり・・・肩の筋肉疲労

〇 四十肩・・・関節炎

と書いてありました。


ちゃんと違いがあるのですね。


自分がもう関節炎になるとは考えられないのですが・・・。


私の場合は単なる「肩こり」です(笑)!!


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