社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所

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試用期間中の解雇について


2012年11月 1日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


おはようございます、カリスマ社会保険労務士の内海です。

いつもありがとうございます。

 

今回は「試用期間中の解雇について」を解説します。


試用期間は本採用になるまでの「お試しの期間」で、

この期間での解雇についての問い合わせも多くあります。


つまり、「雇ってみたら使えなかったので、解雇できるか?」

ということです。


まずは、「試用期間中の解雇」の前に「一般的な解雇」をみていきましょう。


通常の社員を解雇する場合、次の2つのことがポイントとなります。


〇 解雇の原因となる客観的な事実があるか?

→ 就業規則等に具体的な解雇原因が記載されていて、それと合致するか?


〇 社会的にみて相当か?

→ 誰がみても、解雇することがやむを得ない状況か?


この2つを満たせば「法的には」解雇をすることができるのです。


しかし、実際にはそこに至るまでの下記過程も重視されます。


1、改善の機会を与え、解雇回避の努力を実施したか

2、本人がどのように考えているか、弁明の機会を与えたか

が必要となってくるのです。


これは「会社が強引に社員を解雇に追い込んでいないか」

を検証するために裁判等で争点となる部分です。


だから、実際の運用面では就業規則に上記1や2の手続きも記載し、

具体的な問題が起きた場合はこれに沿った手続きを踏むべきです。


以上のように、「一般的な解雇」では様々なハードルがありますが、

「試用期間中の解雇」の場合は「一般的な解雇」より広い範囲で認めらます。


具体的にはどの部分が緩和されているのでしょうか?


これに関する裁判があります。


<日本基礎技術事件 大阪高裁 平成24年2月>

〇 会社は6ヶ月の試用期間を設けていた

〇 新入社員が入社したが、睡眠不足で業務に専念できない

〇 新入社員は研修中に門限を破った

〇 業務についての課題が未提出だった

〇 指導員が繰り返し注意したが、改まらない

〇 4ヶ月を経過し、改善の見込みが無いので本採用拒否の解雇を実施

〇 新入社員は解雇権の濫用と裁判に訴えた


そして、高裁の判断は

〇 新入社員に改善の可能性が無いと判断したことは相当の理由あり

〇 就業規則に「能力、勤務態度、健康状態等で不適当と認める場合、

  解雇する」と規定してある

〇 試用期間中に指導や教育は十分に行われていた

〇 解雇は妥当

とし、会社が勝訴したのです。


ただし、この事例では上記2の「本人の弁明の機会」を

与えていなかったのですが、

これに関する裁判所の判断は「改めて機会を与える必要なし」だったのです。


だから、試用期間での解雇については指導、教育の実施が重要視され、

「本人の弁明は関係なく、結果が全て」ということになるのです。


この部分が一般的な解雇と違う部分です。


これに関して、労働法に強い弁護士に聞くと

「一般の解雇と試用期間中の解雇では、試用期間中のほうが緩い」

とお話されていました。

 


しかし、「試用期間中での解雇の時期が不適当」と判断された裁判

もあります。


<医療法人財団健和会事件 東京地裁 平成21年10月>

〇 試用期間が3ヶ月間設けられていた

〇 新入職員の勤務状況が悪かったので、注意指導を実施

〇 改善傾向にあったが、2ヶ月と20日で解雇を実施

〇 新入職員が解雇について裁判を起こした


裁判所の判断は

〇 解雇すべき時期の選択を誤った(試用期間満了まで様子をみること)

〇 誰が見ても解雇が妥当とは言い切れない

〇 解雇は無効

として会社が負けたのです。


上記の裁判(日本基礎技術事件)では試用期間が6ヶ月のうちの4ヶ月、

この裁判は試用期間が3ヶ月のうちの2ヶ月と20日です。


この2つの裁判の違いは

○ 単純に期間の問題

○ 指導や教育の状況、本人の改善状況

が基準になったと推察されます。


では、試用期間中の解雇について実務上の留意点をみてみましょう。


〇 指導、教育について口頭のみではなく、指導日誌等で記録をとる

→ 裁判等の証拠となる

→ 将来、類似事例の対応策となる


〇 解雇の見極めは試用期間満了時に実施

→ 途中で行うと見極めが不十分と指摘される可能性あり

→ 途中でもやむなしと判断できれば、実施


〇 解雇の手続きとして30日分の解雇予告手当を支払い、

  試用期間満了時に解雇する

→ 懲戒解雇事由に相当する重大な事実があった場合は、

  労働基準監督署に除外申請を行い、予告手当は支払わない(重要)


〇 解雇すべきか否かの見極めが出来ない場合、

  試用期間の延長もありうるが、争いになる可能性が大きい

→ できれば、延長は避けて期間中に判断する


なお、試用期間中の解雇であっても、

○ 入社後の健康状態が悪く、通常の出勤ができない

○ 遅刻等を繰り返すなど、勤務態度が悪すぎる

という場合、入社後2週間以内※であれば、即日解雇できます。


※ この2週間は休日を除かず、暦での基準となります。


この場合は労働した分に対応する給与だけを支払えばOKで、

解雇予告手当は必要ありません(労働基準法21条)。


どんなに面接を深く行ったところで、

実際に仕事をさせてみないと、本人の資質が分からないことは多々あります。


そういう場合、どのタイミングで解雇するかは重要な問題であり、

これを間違えると、周りの社員が大変になる可能性もあります。


こういうことを防ぐためにも、

お引き取り願うべき人には早めの対策が必要なのです。


今日の話はどこの会社でも日常茶飯事的に起こり得ることなので、

覚えておいてくださいね。 

 

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ご注意ください。

 

■編集後記


最近のPCはタブレット型が花盛りですね。


アップルのiPadだけではなく、

グーグルやアマゾンからも新機種が発売予定ですね。


私もアマゾンのキンドルを予約しました。


文字が指で大きくできるところがいいですね!


あっ!まだ細かい字も読めますが・・・(汗)。


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