社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所

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残業管理と健康問題の関係


2012年11月29日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


おはようございます、カリスマ社会保険労務士の内海です。

いつもありがとうございます。

 

今回は「残業管理と健康問題の関係」を解説します。


当然ですが、残業時間の管理はとても重要です。


なぜならば、残業手当の支払いの問題もありますが、

社員の健康管理の問題が大きいからです。


先日も「社員の残業が月100時間を超えてしまったのですが、

何か問題になりますか?」というご相談を頂きました。


こういう場合、その社員が倒れた場合は労災の問題と関係します。


仮に心疾患等で社員が倒れた場合、

〇 倒れる前月の残業時間の合計が100時間を超えていた

〇 倒れる前2~6ヶ月間の残業時間の平均が約80時間を超えていた

などであれば、過重労働として労災認定される可能性が高いです。


だから、残業が100時間を超えている社員が「体調が悪い」と

会社に申告した場合は、医師による面談を行いましょう。


これは平成20年4月から労働安全衛生法で定められており、

どんな規模の会社でも実施しなければいけないのです。


疲労の蓄積で健康を害する可能性が高くなった社員の

健康状況の把握と体調不良の予防のためです。


特にメンタルヘルスのチェックも行い、精神的な負担も対象となります。


このことについては就業規則に必ず記載しましょう。


参考となる条文は以下となります。

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1週間当たり40時間を超えて行う労働が1ヵ月当たり100時間を超え

疲労の蓄積が認められる従業員が申し出たときは、

会社は、医師による面接指導を行う。
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なお、残業時間が100時間を超え、

社員が死亡した場合の裁判があります。


<フォーカスシステムズ事件 東京高裁 平成24年3月>

〇 システムエンジニアの社員が急性アルコール中毒で死亡

〇 死亡月の前月の残業時間は130時間

〇 遺族は「過労で精神疾患を発症していたことが原因」

として裁判所に訴えた


そして、高裁の判断は

〇 月100時間を超える残業等により、心理的負荷が過度に増大

〇 うつ病等を発症して、大量飲酒したことが死亡の原因

〇 会社の責任を認定

として会社が敗訴したのです。


ただし、この裁判で特筆すべきことは

「この社員は就寝前の時間をブログの執筆等に時間を費やし、

睡眠不足を解消する努力を怠った」

として、会社の過失が減らされたということです。


具体的な金額としては、

〇 地裁の賠償金額が約5,960万円

〇 高裁の賠償金額が約4,380万円

として、本人の健康管理の落ち度として減額されたのです。


とはいえ、急性アルコール中毒による死亡で、

精神障害が原因ということで会社の法的責任を認めたのは、

とても異例なケースです。


残業の抑制など、会社が安全配慮義務を怠ったことが

そもそもの精神障害の原因と判断された裁判です。


たしかに、SEという職種の特徴は残業が長いということはあるものの、

寝る時間を削って、ブログを書いていたことも事実です。


直接の死因が急性アルコール中毒だったことも事実です。


それだけに、会社としては納得できない面もあるかと思いますが、

これが「現実の裁判の結果」なのです。


会社として普段から社員の健康管理に配慮することは重要です。


特に、上記裁判のように「仕事が原因の精神障害」と

「本人の健康管理の落ち度」が結びついてしまうケースがあるからです。


だから、日頃からの注意が大切なのです。


具体的には、

〇 上司による部下の労働時間の管理や健康状態に対するチェック

〇 管理職に部下の労働時間管理や健康管理に関する指導・教育を

  適宜行うこと

〇 会社全体で残業削減に取り組むこと

→ ノー残業デーの設置

→ 消灯させ強制的に帰宅させる

などの方法を実施することが重要なのです。


メンタルヘルスの問題は対応が遅れると、

人の命にまでかかわる事態に発展してしまいます。


こうなる前に就業規則を整備し、残業時間の削減を実行しましょう。 

 

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敢えて詳細な要件などは省略していることもございます。

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また、この内容は掲載日現在の法令や通達などに基づいておりますので、

ご注意ください。

 

■編集後記


あと2日で師走ですね。


来月の予定をみたら1日、15日、22日の土曜日が全てセミナー講師

の予定が入っていました(汗)。


テーマは年金問題、社労士向けの営業方法、

社労士向けの開業ノウハウセミナーです。


年末のお休みまで体調を壊さずに全開で駆け抜ける予定で、

今年最後の締めくくりに来月も頑張ります!


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