社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所

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人員削減を行うには・・・


2013年3月14日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


おはようございます、カリスマ社会保険労務士の内海です。

いつもありがとうございます。

 

今回は「人員削減を行うには・・・」を解説します。


景気回復の兆し(きざし)も見え始めていますが、

まだまだ苦しい状況にある企業も沢山あります。


そういう場合、まず手を付けるのが人件費ですが、

具体的には「解雇」を行わざるを得ないこともあります。


これに関してですが、業績不振により解雇を行なう場合、

「通常の解雇」ではなく「整理解雇」を検討すべきです。


この整理解雇は懲戒解雇などと違い、社員側に原因がある解雇ではなく、

会社側の一方的な都合によるものです。


だから、整理解雇を実施するには通常の解雇よりも高く、かつ、

明確なハードルが設けられているのです。


そして、このハードルは以下の4つです。


(1)人員削減の必要性

    経営不振などで企業存続のために人員削減が必要であるかどうか


(2)解雇回避努力

      解雇をなるべく行わない努力を実施したかどうか


(3)対象者選定の合理性

      整理解雇の対象となる社員の選定は合理的な基準かどうか


(4)解雇手続きを適正に行なったか

      整理解雇を実施しなければならない状況を社員に説明会などで

      説明したかどうか

 


この4つを順番に解説していきますが、

この中で最も大きな問題となるのが(1)の「人員削減の必要性」です。


当然、その不振には基準はなく、どの程度の不振ならば、

これが認められるかの判断は難しいのです。


これに関する裁判があります。


<社会福祉法人大阪暁明館事件 大阪地裁 平成7年10月>

〇 社会福祉法人の経営する病院が定年以降も職員を再雇用していた

〇 経営再建を理由に再雇用していた職員を解雇した

〇 解雇された看護師等が解雇を違法として裁判を起こした


そして、裁判所は以下と判断したのです。

〇 人員整理の必要性があるというためには、

  単なる生産性向上や利益追求のためというだけでは足りない

〇 客観的にも明確な経営再建の必要性がある

〇 人員整理をしなければ、企業の存続そのものが危ぶまれるレベルの

  差し迫った状況までは必要でない

〇 今回の解雇は人件費の削減、若い労働者の雇用による能率の向上や

  職場の活性化を併用した、経営改善のための解雇である

〇 人員整理の必要性あり


結果、解雇の必要性を認めたのです(会社勝訴)。


この裁判のポイントは

〇 採算性の向上、利益追求のための人員整理は認めらない

〇 差し迫った企業存続の危機期状況でなくても、人員整理は認められる

〇 企業競争力をつけ、生き残る場合にも認められる

となっています。


ただし、他の要件も満たさないと整理解雇は有効に成立しません。

 


次に(2)の「解雇回避努力」をみていきましょう。


これは「いきなりの解雇」ではなくて、次の項目を検討しましょう。

〇 人件費以外の経費の削減

〇 労働時間の短縮(残業削減)

〇 昇給停止

〇 賞与停止

〇 新規採用の中止

〇 配置転換、出向、希望退職の募集


会社の状況に応じて、これらの措置を講ずることが重要です。


そして、これらを検討した後に「整理解雇」を検討すべきなのです。

 


さらに (3)「対象者選定の合理性」の事例をみてみましょう。


当然ですが、対象者の選定について合理性が必要です。


具体的には

〇 廃止される事業部の部員

〇 統合される営業所の所員

〇 再雇用された社員

などが選定対象になることが多いでしょう。


もちろん、選定する基準が客観的に分かれば問題はありません。


しかし、なんとなく「会社とそりが合わない社員」「反抗的な社員」

などの理由だけで整理解雇の対象とはできないのです。


ただし、人事考課等で基準を定めていれば、

〇 会社の秩序を乱す者

〇 業務上において協調性のない者

〇 職務怠慢な者

〇 技能が低い者

〇 欠勤、遅刻、早退が多い者

なども対象になる場合があります。


だから、ここは人事考課の基準を明確に就業規則等に記載しておくことが

ポイントとなります。

 


最後に(4)の「解雇手続きを適正に行なったか」についてです。


これは社員の全員につき、1人も漏らさずに説明の機会を作ることが

大切です(説明会の実施など)。


もちろん、形だけの説明会を1回開催するだけでは不十分で、

社員全員が納得できるように説明を実施することが必要です。


そのために十分な準備をして、説明会を開催することが重要なのです。

 


以上のように整理解雇には踏むべき手順があります。


この手順を間違えてしまうと、会社が生き残るために解雇した社員にから

不当解雇と訴えられ、負けてしまう可能性が高くなるのです。


整理解雇の問題は裁判例も多く、基準がはっきりしています。


そのため、基準を踏み外すと「不当解雇」の判断が出てしまいます。


そうならないためにも、4つの要件をしっかりと覚えておいてください。


また、訴えられそうな場合に「会社として何を揃えておけばいいか」

というご質問には次の準備をすることをお薦めします。


〇 会社の業績が悪化していることを示す書類等(決算書、試算表)

〇 人件費の負担が収益悪化の要因となっていることを示す書類

  (例:決算書、社内等での調査報告書)

〇 業界の景気が悪化していることを示すもの(業界紙等)

〇 解雇を回避するために講じた措置の資料(例:人事異動、出向)

〇 役員報酬の減額

〇 希望退職者の募集

〇 賃金カット、残業をしないように指示した証拠を残しておく


さらに、整理解雇予定者に割増退職金などの退職条件を提示した場合は、

その資料と報告書も準備するとベターです。


いかがでしょうか。


ここまで対策しておけば、大きく失敗することはないでしょう。


しかし、多くの会社でこの4つのプロセスをしないので、

争いになることも多いのです。


支店や営業所を閉める、一部の店を閉店するなどのことはよくあります。


手間のかかることではありますが、

その度ごとに適正な手続きが必要なのです。


もし 皆さんの会社でも同様の状況になったら、

このメルマガを思い出して頂ければと思います。


本当に多くの会社が失敗する部分なので・・・。

 

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(株)日本中央会計事務所・日本中央社会保険労務士事務所
取締役・社労士 内海正人(うつみまさと)
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また、この内容は掲載日現在の法令や通達などに基づいておりますので、

ご注意ください。

 

■編集後記

来月から現物給与で法改正があります。 


今までは支店等に勤務する社員の食事や社宅などの現物給与は、

本社がある都道府県の金額基準を採用していました。


これが平成25年4月1日より、支店がある都道府県の金額基準を

適用することになります。


たとえば、本社が東京都、支店が青森県という場合、

社員の手取り額は今までよりも少しだけ増えるケースも出てきます。


給与計算の際に下記をご確認頂ければと思います。


<現物給与の価額表>
http://www.nenkin.go.jp/n/data/service/0000010387ovGrNG5ltZ.pdf


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