社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所

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社員募集の注意点


2013年4月 4日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


おはようございます、カリスマ社会保険労務士の内海です。

いつもありがとうございます。

 

今回は「社員募集の注意点」を解説します。


先日、こんなご質問をいただきました。

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求人広告で社員を募集したいのですが、法的な規制があると聞きましたが、

どんなことに注意したらよいのでしょうか?
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求人広告を出す場合、雇用関連の法律で規制があります。


具体的には以下となっております。


○ 労働基準法

→ 求人広告に記載された給与と実際の給与が違うことはNG


〇 雇用対策法

→ 社員の求人募集をする際に、「原則として」年齢制限はNG

→ 社員の現状の年齢分布から判断し、年齢制限が可能な場合もある

→ 例:若い層が多すぎるから、一定年齢以上の人を採用したい


〇 男女雇用機会均等法

→ 「女性は自宅から通えること」「男性向けの仕事」という表現はNG

→ 「男性5名、女性5名の募集」「営業マン募集」といった表現もNG

→ この場合「男女10名の募集」「営業職募集」とする必要あり

→ 男性と女性で採用を分けない、一方の性のみで募集しない


〇 職業安定法

→ 求職者に誤解を与えるような虚偽の求人広告を出すと処罰される

※ 6ヶ月以下の懲役、または、30万円以下の罰金

 → 営業職募集に対する過度の歩合給提示がNG

→ 親会社の名前を使って募集し、採用は子会社というのはNG

 


これらが全てではありませんが(書き切れませんので)、

このような法的な規制があるので、これらを守る必要があるのです。


中でもトラブルが最も多いのは給与の部分で、

特に以下のものが多いです。


〇 実際に支給された額が求人広告の記載より低かった

〇 試用期間中は求人広告の記載額より低かったが、説明等がなかった 


これに関する裁判があります。


<日新火災海上保険事件 東京高裁 平成12年4月>

〇 中途採用募集の求人広告で社員が入社した

〇 求人広告には「新卒で入社した社員(同じ年齢)の給与と同額を約束」

  と記載されていた

○ 事前の説明では「新卒で入社した社員(同じ年齢)の給与と平均額

  を約束」と話していた

〇 実際にはこの社員の給与は「平均額」ではなく、「最も低いランク」の

  給与であることを1年後に知った

〇 これは労働契約違反と考え、裁判所に訴えた

→ 第1審では社員敗訴となり、社員は控訴をした


結果としての、東京高裁の判断は

○ 求人広告の記載は具体的な給与の根拠とまでは言えないが、

  社内説明会で「同じ年齢の社員の平均的給与と同等」と

  誤解を生むような説明をしている

〇 社員は平均的給与がもらえるとして入社したが、

  現実が違ったため、精神的な衝撃を受けたと認められる

○ 社員に慰謝料100万円の支払うよう、会社に命じた

として、社員の要求が一部通ったのです。


この裁判で

○ 求人広告の記載は具体的根拠とまでは言えないが、

  労働契約に大きく効力を持つ

○ 求人広告と異なる労働条件を適用することは不法行為の可能性が高く、

  また、債務不履行に当たる可能性も高い

ということが明確になったのです。


だから、求人広告に労働条件を記載する際、事前に説明する際には

給与水準、業務内容等を適正に記載、説明することが必要です。


仮に、試用期間の給与額と本採用の給与額が異なる場合は

労働条件を提示する際に詳しく説明する必要があります。


絶対にやってはいけないことは、

入社後に異なる労働条件を設定することです。


ただし、「入社させてみたら、あまり仕事ができなかった」

ということもよくあります。


こういう場合に、能力的な問題から給与の減額等を実施する場合は

試用期間中にその旨を伝えて、同意を取る必要があるのです(書面)。


しかし、これを一方的に、場合によっては事前説明無しに、

実施する会社が多いので、トラブルになってしまうのです。   


もっとも、中小企業では労働契約書すら交わしていない場合もあります。


しかし、これは法的にも違法となりますし、

何か起こった場合は圧倒的に会社側が不利になってしまいます。


そこで、労働条件を明示した労働契約書は交わしておくべきなのです。


具体的に明示しなければならない事項は下記です。

○ 雇用契約期間(正社員の場合は雇用期間を定めない雇用契約もOK)

○ 就業の場所、従事する業務内容

○ 始業、終業時刻、休憩時間、残業の有無

○ 休日、休暇

○ 毎月の賃金の決定方法、計算方法、支払方法、締切日、支払日

○ 退職に関する事項、解雇事由

○ パート労働者の場合は、昇給、賞与、退職金の有無


これらは必須項目なので、最低でも上記の項目を労働契約書に記載し、

社員が入社する前に交わしておく必要があるのです。


ある小さな会社(社員6名)で、求人内容と実際の給与が異なり、

また、労働契約書も存在しなかったため、新人が労働基準監督署に訴えて、

具体的会社名までもがマスコミに報道された例もあります。


労働契約書は就業規則と違って労基署への提出義務はありませんが、

労働条件をここに明示することは法律で決められています。


法律では「労働条件は本人に書面で通知すること」と

義務化されているのです。 


どんな会社でも求人広告を出すことはよくありますが、

その法的詳細まではご存じでない場合もよくあります。


しかし、ここを間違えると、大変なことにもなりかねません。


今日の内容は必ず覚えておいてくださいね。

 

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また、この内容は掲載日現在の法令や通達などに基づいておりますので、

ご注意ください。

 

■編集後記

新年度がスタートしました。


町では、新入社員をよく見かけます。


集団行動で、同じような服装で、どことなく顔つきが不安そうで・・・。


「これからみんなで新人研修を受けるのかな?」


今年、私は新人研修の講師を2ヶ所で実施しますが、

研修内容は「新人を受け持つ上司」も参加の研修です。


新人を受け持つにあたり、「どのような心構えをするのか」

「部下の不安をどう解消するのか」などを伝えていきます。


私は様々な社員研修の講師のご依頼を頂くことも多いので、

「うちの会社でも!」とお考えの方は是非、お声がけください。


人事、組織、労働トラブル防止などがテーマとなります。


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