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仮眠時間も労働時間?


2015年7月16日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


 

おはようございます、社会保険労務士の内海です。

 

いつもありがとうございます。

 

 

 


 

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今回は「仮眠時間も労働時間?」を解説します。

 

 

先日、あるビル管理会社の社長から次の相談を受けました。

 

 

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同業者の会合に出席した時のことです。

 

 

仮眠時間も時給を払わなければいけないと聞いたのですが、本当ですか?

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「働いておらず、仮眠をしている時間が労働時間に入るなんて・・・」と

 

考えられる方もいます。

 

 

しかし、仮眠時間も労働時間としてカウントしなければならない場合「も」

 

あるのです。

 

 

これに関する裁判があります。

 

 

<ジェイアール総研サービス事件 東京高裁 平成23年8月2日>

 

 

○ 社員は守衛の業務に従事していた

 

→ 拘束時間:16時間、休憩時間:4時間、睡眠時間;4時間で、

 

  計24時間(一昼夜交代勤務)であった

 

→ 守衛2名の交代制で業務を回していた

 

 

○ 社員は休憩時間、仮眠時間が労働時間にあたると主張し、賃金の

 

  支払いを会社に求めたが、支払いがされなかったので、訴訟になった

 

 

○ 東京地裁(平成21年12月16日)では社員の請求は退けられた

 

 

○ 社員は控訴した

 

 

そして、東京高裁の判決は次の通りとなったのです。

 

 

○ 社員の主張通り、休憩時間と仮眠の時間は労働時間に当たる

 

〇 会社は敗訴

 

 

 

 

なぜ、このような結果となったのか、詳しくみてみましょう。

 

 

まずは、休憩時間中についてですが、下記状況でした。

 

 

〇 緊急事態が発生した場合の対応はもちろん、平常時においても、

 

  状況に応じて、仕事中の守衛を補佐すべきことが予定されていた

 

〇 実際に、業務中の守衛が来訪者の対応を行っている場合、「電話等の

 

  対応を休憩している守衛が行う」とされていた

 

 

だから、外出等の自由な時間は事実上、制約されていたのです。

 

 

実際には、休憩時間にテレビ、雑誌、新聞等を見ることも可能でしたが、

 

受付に訪問者が来た場合は対応することが義務付けられ、それを怠ったら、

 

叱責された事実などもあったのです。

 

 

よって、業務(労働)からの解放が保障されていなかったので、法的に

 

労働時間となったのです。

 

 

さらに具体的な資料をみてみましょう。 

 

 

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守衛服務心得(抜粋)

 

 

勤務中はもとより休憩中においても、みだりに職場を離れてはならない。

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このルールにより、裁判所は「休憩時間は会社の指揮命令下にある」

 

と判断し、休憩時間を労働時間と判断したのです。

 

 

 

 

次に、仮眠時間についてですが、下記となっていました。

 

 

〇 制服を脱いで自由な服装で守衛室内のベッドで仮眠することも可能で

 

  あったが、帰宅することは許されていなかった

 

〇 社員は業務が発生した時、直ちに対応できるように決められていた

 

〇 仮眠していても、警報に対応することなど、緊急事態に応じた

 

  臨機の対応をすることが義務となっていた

 

 

警報等の対応そのものは頻繁に起こるものではありませんでしたが、

 

上記の「守衛服務心得」により「仮眠時間も会社の指揮命令下にある」と

 

判断されたのです。

 

 

だから、法的な労働時間の考え方は

 

○ 社員が指揮命令下にある

 

○ 実際の業務が行われていなくても、業務から解放されていない

 

という場合は労働時間としてカウントされるということです。

 

 

特に、仮眠の時間でも警報に対応することが義務付けられ、緊急時に

 

出動することが規定で決められていたので、仮に仮眠していても

 

労働時間との判断となったのです。

 

 

 

 

では、法的に労働時間とされないためには、どのような対応が必要かを

 

みてみましょう。

 

 

それは、以下の要件を満たす必要があります。

 

 

○ 休憩時間、仮眠時間等について、規定やマニュアルにより、

 

  業務に従事する必要がないことを明文化する

 

→ 休憩時間等に業務を行うことを禁止する条文を盛り込む

 

 

○ 業務日報等で休憩時間等に業務を行っていない旨の報告をさせる

 

→ 「休憩」と記載させる

 

→ 日常的に「きちんと休んでいる」ことを報告させる

 

 

 

 

さらに、休憩室等を確保することができる場合は、「待機室」と

 

「休憩室」を物理的に区別するなどの対応をとることが重要です。

 

 

このようにしておいたとしても、仮に、休憩時間や仮眠時間に緊急で、

 

社員が稼働しなければならなくなったら、その時間の賃金を支払いが

 

必要となります。

 

 

ビル管理業に限らず、社員が業務の間に休憩、仮眠しているケースは

 

多いです。

 

 

しかし、その間であっても、業務に対応することになっているならば、

 

結果としての対応の有無に関わらず、労働時間に含まれてしまうのです。

 

 

逆に言えば、煙草を吸う休憩時間も労働時間なので、これが多い社員には

 

注意をする必要があります。

 

 

いずれにせよ、休憩時間、仮眠時間も労働時間に含まれる場合があるので、

 

含ませたくないならば、業務との「明確な区分」が必要なのです。  

 

 

 

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また、この内容は掲載日現在の法令や通達などに基づいておりますので、

 

ご注意ください。

 

 

 

■編集後記

 

 

ここ数日は全国的にうだるような暑さです。

 

 

今週の月曜日、福島県会津若松に日帰りで出張をしてきましたが、

 

なんと温度計は36度で、東京と同じような気温でびっくりです。

 

 

前回、4月の後半におじゃましたときは根雪も見られたのに・・・。

 

 

でも、「会津は盆地の地形なので、夏の暑さは厳しいですよ」と

 

お客様に教えてもらいました。 


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