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就業規則はいつから有効になるのか?


2015年10月 8日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


 

 おはようございます、社会保険労務士の内海です。

 

いつもありがとうございます。

 

 

 


 

◆「月刊 労務対策」

 

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◆平成27年10月号(Vol.11)の内容

 

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○ 副業(アルバイト)は、どこまで制限できるのか?

 

○ 有給休暇を強引にとったら懲戒処分ですか?

 

○ 経歴詐称で解雇できるか?

 

○ 退職勧奨の実行方法とは?


 

 

 

今回は「就業規則はいつから有効になるのか?」を解説します。

 

 

就業規則の作成や変更のご依頼は、時期を問わず、

 

お問い合わせを頂いております。

 

 

最近では、マイナンバーの対策を含めたご依頼が多いですが、

 

既存の就業規則をチェックすると、法改正が記載されていなかったり、

 

懲戒関連の条項に不足が目立ったりと、厳しいものが目立ちます。

 

 

このような場合、就業規則の変更をすることが必要になりますが、

 

「この就業規則の効力はいつから有効なのでしょうか?」と、

 

 ご質問を頂くことがあります。

 

 

就業規則の作成も変更も同じ考え方になります。

 

 

これにつき、「労働基準監督署に提出し、受付印をもらった時」と

 

考えられている方が多いですが、これは間違いです。

 

 

労働基準監督署は単に「就業規則が提出されたから受付印を押印しただけ」

 

であって、これが「法的に有効となるかどうか」は別問題です。

 

 

監督署の受付の人が中身をチェックしてくれる場合もありますが、

 

ほとんどの場合は「単に受付をしているだけ」なのです。

 

 

だから、労働基準監督署は「提出されたものを受け取る義務」が

 

あるだけなので、法的に有効かどうかとは無関係なのです。

 

 

結果として、いつの時点で効力が発生するのかというと、

 

「就業規則を社員に周知したとき」ということになります。

 

 

そして、周知の方法は以下となっています。

 

 

〇 印刷された書面を各作業場の見やすい場所に備え付ける

 

 

〇 社員全員に就業規則を配布する

 

 

〇 社員が自由に使えるパソコンにデータで保存しておき、

 

  いつでも確認できるようにしておく

 

 

基本的には「誰でも、見たいときに見られる」状態を会社が準備

 

しておく必要があり、準備が完了し、社員全体に呼びかければ、

 

「法的にも有効」になるのです。

 

 

これに関する裁判があります。

 

 

<フジ興産事件 最高裁 平成15年10月10日>

 

 

〇 社員は得意先の担当者の要望に応じず、トラブルを発生させた

 

 

〇 上司の指示に対して反抗的な態度をとったり、上司に対して

 

  暴言を吐いたりする行為が見られた

 

 

〇 会社は就業規則に基づいて社員を「職場秩序を乱したこと」等を

 

  理由として懲戒解雇を実施した

 

 

〇 社員は懲戒解雇の無効を主張し、裁判を起こした

 

 

そして、最高裁の判断は以下となったのです。

 

 

〇 会社が社員を懲戒処分するときは、あらかじめ就業規則に

 

  懲戒の種類及び事由を定めていることが必要である

 

 

〇 就業規則が法的規範としての性質を有するものとして、

 

  拘束力を生じるためには、その内容を従業員に周知していることが

 

  必要である

 

 

〇 就業規則を労働基準監督署に届け出た事実は確認できている

 

 

〇 しかし、就業規則を従業員に周知していたかは確認できていない

 

→ 社員が在籍していた事業所には就業規則が備え付けられていなかった

 

 

〇 社員へ周知させる手続が採られていることを認定しないまま、

 

  就業規則に基づいて懲戒解雇が有効であると判断しているが、

 

  この判断は違法である

 

 

〇 会社側が敗訴となった

 

 

このように、就業規則を作成して労働基準監督署に届け出ただけでは、

 

法的効果が生まれないのです。

 

 

あくまで、社員に対し「周知」することが必要となるのです。

 

 

 

 

次に、「何を持って周知となるのか?」につき、解説をします。

 

 

○ 事務所に就業規則を設置すれば、周知といえるのか?

 

○ 社員を集めて説明会を開催して始めて周知といえるのか?

 

といったご質問をよく頂きます。

 

 

この疑問点には、下記の裁判で参考になる部分がありますので、

 

ご紹介します。

 

 

<日音事件 東京地裁 平成18年1月25日>

 

 

周知の内容は下記の通りです。

 

 

○ 大半の社員が就業規則の内容を知っている

 

○ 社員が就業規則をいつでも見られる状態にある

 

 

具体的な「例」としては、

 

○ 社員全員に就業規則が配布されている

 

○ 就業規則が各作業場の書棚などにあり、いつでも見られる状況にある

 

→ いつでも見られる状態なら、管理職の机の上でもOK

 

→ サーバーなどのPDFファイルを保存しておくことでもOK

 

などとなっています。

 

 

日音事件の判決では、「周知」の定義の1つに大半の社員が

 

就業規則の内容を知っているということが明示されています。

 

 

しかし、社員1人1人が就業規則を理解しているか否かを検証するのは

 

大変ですし、現実的ではありません。

 

 

だから、もう1つの定義である「いつでも見られる状態」を整えて

 

おくことが大切なのです。

 

 

この環境を整えておけば、社員が「私は就業規則なんて知らない」と

 

主張しても、「理解していないあなたが悪い」ということになるのです。

 

 

どんなに立派な就業規則を作成しても、金庫等に保管していては、

 

「周知させていない → 何の効力も無い」となってしまいます。

 

 

上記のような「適正な」方法で、社員に周知させることが重要なのです。

 

 

 

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■編集後記

 

 

一昨日、帰宅時に事務所の最寄りの新橋駅で号外が配られていました。

 

 

日本人のノーベル物理学賞が決まったというニュースでした。

 

 

最近は、宣伝のための号外もあって、「これ本当に号外なの?」という

 

ものも多いのですが、今回はもらってびっくりでした。

 

 

WBEの発達で、号外の意味も薄くなっているのかもしれませんが、

 

配っているのが目に入ると手に取って読みたくなります。

 

 

今回は、本当の意味での号外だったと感じました。 


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