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付加金の支払いが命令されたら?


2016年1月28日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


 

 おはようございます、社会保険労務士の内海です。

 

いつもありがとうございます。

 

 

 


 

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○ 新入社員歓迎会の2次会で・・・


 

 

 

今日は「付加金の支払いが命令されたら?」を解説します。

 

 

付加金についてはこの記事で何回も取り上げましたが、

 

今日はこの部分だけを解説します。

 

 

付加金とは、会社が労働基準法に違反して

 

〇 解雇予告手当

 

〇 休業手当

 

〇 残業手当

 

等を支払わなかった場合、支払わされる可能性があるものです。

 

 

これは「裁判所」が従業員の請求に基づいて、

 

「未払残業代等と同額の支払いを命じることができる」となっています。

 

 

つまり、支払う金額が「最大で2倍」になるのです。

 

 

これが付加金の制度であり、裁判所が支払いを命じた場合、

 

違反があった時から「2年以内に」支払わなければならないのです。

 

 

しかし、未払残業代等で裁判になった場合、付加金を必ず支払う訳

 

ではありません。

 

 

裁判例をみても、

 

〇 未払残業代と「同額」の付加金を認めた事例

 

〇 未払残業代よりも「低額」の付加金を認めた事例

 

〇 全く認められなかった事例

 

があります。

 

 

この判断基準は何なのかというと「裁判官が悪質と認めるか否か、

 

その程度」ということです。

 

 

例えば、平成21年12月25日東京地裁は、付加金について

 

「裁判所が違反の理由や程度などを総合的に考え、支払いの有無、

 

 金額を決定する。」としています。

 

 

中には「会社は悪質ではない」とされながらも、未払残業代の30%を

 

付加金として、支払いを命じられた例もあります。

 

 

ちなみに、平成25年2月28日東京地裁では

 

〇 会社は合理的な理由もなく割増賃金を一切支払っていない

 

〇 付加金の支払いを命ずることが相当

 

〇 付加金の減額をする特別の事情もない

 

として、付加金「全額」の支払いを命じました。 

 

 

つまり、従業員に支払う金額が2倍になったということです。

 

 

では、実際に付加金の支払いが命令された場合、

 

どのような対応をすべきかなのでしょうか?

 

 

これに関する裁判があります。

 

 

<甲野堂薬局事件 最高裁 平成26年3月6日>

 

 

〇 元社員が未払い残業代を求めて裁判を起こした(約181万円)。

 

 

〇 第1審では未払い残業代約173万円、付加金約86万円の

 

  支払いが命じられた。

 

 

〇 会社は控訴し、未払い残業代173万円(+遅延損害金)を支払った。

 

→ 第2審の裁判中に未払い残業代そのものは支払った。

 

→ 付加金の支払いはしなかった。

 

 

〇 上記支払い後、会社と元従業員は請求を取り下げる同意をしたが、

 

  東京高裁は「付加金を支払え」と命じた。

 

 

〇 会社は付加金の支払い命令は無効とし、最高裁に上告した。

 

 

そして、最高裁は以下の判断を下したのです。

 

 

〇 付加金は会社が残業代を支払っていなければ、当然に発生するもの

 

  ではなく、「従業員の請求」により「裁判所」が命ずるものである。

 

 

〇 未払い残業代の支払いが完了している場合、付加金の請求はできない。

 

 

〇 会社側の意向が認められた。

 

 

この判決をみると、基本的に判決前までに未払残業代等を支払えば、

 

付加金の支払いを逃れることができるということになります。

 

 

こうなると、「制裁としての付加金の意味が無いのではないか?」

 

という意見もあります。

 

 

実際、この裁判後に未払い残業代等で争った裁判では、

 

判決前に未払い残業代の支払いを行った会社が増えたことも事実です。

 

 

結果として、判決前で未払残業代等の支払い後は付加金の支払い命令が

 

できないと考えてよいでしょう。

 

 

同じような裁判例で、杉本商事事件(広島高裁 平成19年9月4日)、

 

タマ・ミルキー事件(東京高裁 平成20年3月27日)もあります。

 

 

未払い残業代等に関する裁判は非常に多いのが現状です。

 

 

〇 始業前の朝礼の時間は労働時間

 

〇 始業前に掃除時間は労働時間

 

〇 社員が勝手に残っていても残業代の支払いは必要

 

などと判断された事例もあります。

 

 

このような場合で裁判となり、会社が負けた場合は未払残業代等と

 

付加金の「両方の」支払い命令が出るかもしれないのです。

 

 

もちろん、未払い残業代等につき、「発生の有無、金額」を争うことは

 

ありますが、発生しているならば、その事実は消せません。

 

 

労働時間がどう計算されるかというのもケースバイケースですが、

 

未払い残業代等の支払いは仕方がないケースもあります。

 

 

しかし、付加金は別問題です。

 

 

付加金は上記でも解説した通り、社員が「裁判所」に訴える前提で、

 

「裁判所」が支払い命令を下すものです。

 

 

そして、最高裁の考え方によれば、判決前に未払い残業代等を

 

支払ってしまえば、基本的には付加金の支払いは不要なのです。

 

 

裁判に至るかどうかは別問題ですが、もし、*NAME*さんの会社で

 

未払い残業代が「明らかに」発生しており、裁判になってしまったら、

 

これについては判決前に支払うことをお奨めします。 

 

 

これだけで支払う金額が大きく変わってくる可能性があるので、

 

必ず、この内容を覚えておいてください。

 

 

 

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ご注意ください。

 

 

 

■編集後記

 

 

昨日、リニア新幹線の品川駅の着工がニュースになっていました。

 

 

子供のころ、模型で見たリニアモーターカーが現実となってきたのです。

 

 

そして、完成すると東京、名古屋間がノンストップで約40分!

 

 

これでは、名古屋は東京の通勤圏内となってしまうのでしょうか?

 

 

運賃も現在の東海道新幹線のぞみより700円程度高いだけとのことで、

 

とても魅力的ですね。

 

 

もっとも完成は2027年なので、まだまだ先です。


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