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労働時間の認定方法


2016年3月10日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


 

おはようございます、社会保険労務士の内海です。

 

いつもありがとうございます。

 

 

 


 

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○ 有給休暇の本当の取扱い


 

 

 

今日は「労働時間の認定方法」を解説します。

 

 

「社員が勝手に残業して困るのですが・・・」

 

 

このようなご相談はとても多いのが現実です。

 

 

ただし、このメルマガでも何度も取り上げていますが、

 

「勝手に残業したから、残業手当は支払いません」は通用しないのです。

 

 

ちなみに、

 

〇 残業を黙認した場合、会社は残業を認めたことになる

 

〇 勝手な残業でも、実際に業務を行っていたら支払わざるを得ない

 

〇 タイムカードの打刻時刻まで働いたと主張された場合、

 

  これ以外に主張できる記録等がないとタイムカードの打刻時間まで

 

  残業したことになる

 

等となるのです。

 

 

では、どこからどこまでが労働時間に該当するのかをみてみましょう。

 

 

その判断は会社毎に異なることもあり、一概には言えませんが、

 

労働基準監督署や裁判所には一定の判断基準があるのです。

 

 

これに関する裁判があります。

 

 

<プロッズ事件 東京地裁 平成24年12月27日>

 

 

〇 女性社員は2年分の未払い残業代(約1,600万円 )、

 

  これと同額の付加金※、損害賠償金(約650万円)の

 

  請求をするため、会社を訴えた。

 

 

※ 労働基準法において、解雇予告手当、休業手当、割増賃金等を

 

  支払わない会社に対し、裁判所が従業員の請求に基づき、

 

  未払金に加えて、支払いを命ずる金銭のこと。

 

 

〇 会社はタイムカードにより労働時間を管理していたが、タイムカード

 

  に記録が無い部分が多くあり、社員が手書きで記載していた。

 

 

この裁判では、「虫食い」のタイムカード部分を裁判所が

 

どのように判断するかが注目されましたが、下記の支払いを命じました。

 

 

〇 約800万円の未払い残業代

 

〇 800万円の付加金

 

〇 40万円の損害賠償金

 

 

以上の通り、会社側が負けたのですが、この裁判の争点の「虫食い」の

 

タイムカードはどのように判断されたのかを詳しくみてみましょう。

 

 

Q、タイムカードで労働時間を管理していた場合、

 

  これがそのまま実労働時間と認定されるのか?

 

A、タイムカードの時間が全て労働時間とは限らないが、

 

  会社がタイムカードで労働時間を把握している以上、

 

  原則として、その打刻時間が労働時間と推認される。

 

 

Q、社員が「タイムカードを押した後も業務をした」と主張したら?

 

A、客観的な証拠があるならば、タイムカードの打刻時間を超えて

 

  認定されることもある。

 

 

Q、タイムカードが手書きや空欄だった場合は?、

 

  どのように実際の労働時間を認定するのか?

 

A、手書きや空欄でも、パソコン上にデータ保存記録が残っていたら、

 

  その日の最初のデータ保存記録から2時間遡った時刻に出社と推認。

 

 

Q、「直行」と手書きの場合は?

 

A、始業時刻に業務開始したものとする。

 

 

Q、退社時刻が空欄の場合は?

 

A、タイムカードの時間ではなく、最終のデータ保存時刻、

 

  または、最終のメール送信時刻に退社と認定。

 

 

Q、休憩時間がわからない場合は?

 

A、特に休憩が取れないの業務ではないとして、

 

  労働基準法上、義務となる休憩時間は取得していたと推定。

 

 

このように、今回の裁判ではタイムカードの打刻漏れ等について、

 

裁判所の判断が細かに記載されていました。

 

 

このように、裁判所はタイムカードの打刻が多少漏れていても、

 

明確に算出しようとして、基準を決めているのです。

 

 

 

 

さらに、タイムカードが無い場合の裁判もみてみましょう。

 

 

過去の裁判では、以下のようなもので労働時間を認定しています。

 

 

〇 パソコンのONとOFFを記録したログデータで労働時間を認定

 

→ PE&HR事件 東京地裁 平成18年11月10日

 

 

〇 メールの送信記録により労働時間を認定

 

→ ゲートウェイ21事件 東京地裁 平成20年9月30日

 

 

〇 タコメーターの記録により労働時間を認定

 

→ 大虎運輸事件 大阪地裁 平成18年6月15日

 

 

このように、タイムカードが無くても、労働時間を計算できる手段は

 

色々とあるということを認識しないといけないのです。

 

 

ちなみに、労働基準監督署も同じような考えで、

 

労働時間を把握しようとします。

 

 

単に「タイムカードが無ければ、労働時間が把握されない」

 

という時代ではないのです。

 

 

 

 

また、本人が記載したメモ等に基づき、未払い残業代の請求が

 

される場合がありますが、この場合はその内容がそのまま認められる

 

ことはありませんが、証拠の一部とされ、会社側に反証が求められる

 

ことが多いです。

 

 

もし、反証できなければ、裁判所が証拠として採用する可能性が

 

高いのです。

 

 

このように、労働時間を認定する方法は色々とあるのです。

 

 

だからこそ、会社が社員の労働時間の管理を適切に行うことが

 

必要なのです。

 

 

タイムカードの有無に関わらず、労働時間の把握は会社の義務です。

 

 

もっと言えば、タイムカードで労働時間の管理をしていても、

 

必ずしも業務終了と共に打刻されているとは限りません。

 

 

例えば、同僚と話しながら着替えをし、業務終了後、かなり時間が

 

経過してから打刻していても、いざ残業代について争うことになった場合、

 

打刻時間がそのまま労働時間と認定されてしまうことがあるのです。

 

 

タイムカードを導入するならば、

 

〇 業務終了と共に打刻する

 

〇 打刻を失れた場合は、空欄のままとし、上司に届出書を出す

 

〇 直行の場合は事前に上司に届出書を出す

 

などのルールの作成、運用が必要なのです。

 

 

このような「会社が労働時間を把握する方法」が詳細、

 

かつ、明確でないと、「他の方法」で労働時間が計算され、

 

会社が反証もできなければ、会社に不利な判断が下されることも

 

あるのです。

 

 

自分の身は自分で守らなければなりません。

 

 

しかし、その管理の方法が「雑」になっているケースも多いのです。

 

 

皆さんはそうならないように、ご注意くださいね。 

 

 

 

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●本記事は専門的な内容を分かりやすくするため、

 

敢えて詳細な要件などは省略していることもございます。

 

お伝えした方法を実行する際は当社までご相談ください。

 

当社にご相談の無い状況でこの情報を利用されて生じたいかなる損害に

 

ついても、当社は賠償責任を負いません。

 

 

また、この内容は掲載日現在の法令や通達などに基づいておりますので、

 

ご注意ください。

 

 

 

■編集後記

 

 

平成28年4月1日から女性活躍推進法がスタートします。

 

 

労働者301人以上の大企業は、女性の活躍推進に向けた行動計画の策定

 

などが新たに義務づけられることとなります。

 

 

中小企業は義務ではなく、努力義務ですが・・・。

 

 

具体的には

 

〇 女性の積極採用

 

〇 女性管理職比率を上げる

 

〇 パートから正社員への転換

 

などを「行動計画を策定」して、労働局に提出することです。

 

 

さらに、女性活躍加速化助成金も用意されており、国としてもかなり

 

力が入っていますね!    


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