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1年契約の社員に辞めてもらう場合は?


2016年4月28日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


 

おはようございます、社会保険労務士の内海です。

 

いつもありがとうございます。

 

 

 


 

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◆平成28年4月号(Vol.17)の内容

 

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○ 残業時間はどちらでカウントするのか?

 

○ 有給取得と給料の取扱い、手当の減額は可能か?


 

 

 

今日は「1年契約の社員に辞めてもらう場合は?」を解説します。

 

 

契約期間が1年間や6ヶ月間などと決まっている社員について、

 

期間満了で契約を終了させることを「雇止め」と言います。

 

 

単に1年契約で終了、半年契約で終了というであれば、

 

問題は発生することは無いでしょう。

 

 

しかし、契約更新をするのか?、雇止めをするのか?

 

というトラブルがよくあります。

 

 

なぜなら、会社は雇止めで雇用の調整をしようと考えていますが、

 

何年も契約を更新している場合、雇止めをすることができないからです。

 

 

これは労働契約法の改正があった内容で、具体的には下記となります。

 

 

平成25年4月1日以降に有期雇用契約(例えば、1年間の契約等)を

 

締結した場合、それが更新されて5年を超える場合、有期契約の社員等に

 

「定年まで働くことを申込みできる権利」が発生します。

 

 

ということは、平成30年3月31日を経過した時点で、

 

この権利が発生するということになるのです。

 

 

会社の事業が順調で、雇用調整の必要がなければ問題はありませんが、

 

雇用の調整をすると考えた場合に「雇止め」ができないケースが

 

増えてくるのです。

 

 

では、どの様な場合に雇用契約の打ち切り(雇止め)が有効となるのか?を

 

みてみましょう。

 

 

これに関する裁判があります。

 

 

<シャノアール事件 東京地裁 平成27年7月31日>

 

 

〇 学生アルバイト(大学院生)は長い間、会社が経営するカフェで

 

  働いていた(4年11か月、契約は3ヶ月の期間で更新は14回)。

 

 

〇 会社はアルバイト社員の契約更新の上限を4年間とした。

 

・ 上限の設定は長期のアルバイト社員が店長の指示を聞かない等の

 

  トラブルが頻繁に発生していたので、これを防止するために措置。  

 

 

〇 契約更新の上限の期限を迎えたので、学生アルバイトの雇止めを実施。

 

 

〇 学生アルバイトは「雇止めは不当だ」と主張し、裁判所に訴えた。

 

 

そして、裁判所は以下の判断を下したのです。

 

 

〇 学生アルバイトは契約を下回る勤務頻度(例えば、週4回の勤務予定を

 

  週2回しか出勤しない等)だったので、雇止めをされてもおかしくない

 

  状況であった。

 

〇 学生アルバイトと店長の軋轢があったことから、雇用期間の上限を

 

  設定してもやむを得ないと考えられる。

 

〇 きちんと学生アルバイト本人の勤怠、仕事ぶりに注目して判断。

 

〇 雇止めは有効で、会社側が勝訴した。

 

 

この裁判を詳しくみてみましょう。

 

 

ちなみに、この会社のアルバイト等の雇用契約書には

 

「契約更新の有無」についての定めがありませんでした。

 

 

通常はこのようなケースでは「更新することを期待させる」として、

 

労働者側が勝訴することが多いです。

 

 

しかし、この裁判では更新回数が多いが、期間が3か月間であったので、

 

回数の多さは問題になりませんでした。

 

 

また、裁判でも「次の期間を働ける」と契約の更新を期待させるような

 

ものは無かったと判断しています。

 

 

さらに、アルバイト社員の契約期間に上限を設けたことについては、

 

社員との軋轢により、社員の離職を防止するものと判断しました。

 

 

この方法自体は議論の余地がありますが、実際に社員の離職数が減少し、

 

結果が出ていることを裁判所も評価しているのです。

 

 

そして、アルバイト社員の契約期間に上限を設けたことにつき、

 

裁判所は「合理的な理由がある」としたのです。

 

 

 

 

では、契約社員やアルバイト社員の雇止めを有効とするためには

 

具体的に何が必要なのかをみてみましょう。

 

 

まず、雇用契約書の記載についてです。

 

 

契約更新の箇所に以下の記載をすれば、誤解を生むことはありません。

 

 

〇 契約更新はしない、または、契約更新の条件を列挙する

 

〇 契約更新の上限を記載し、契約時の条件を列挙する

 

などです。

 

 

また、単に期限が来たから更新するしない、ということではなく、

 

契約社員やアルバイト社員の働き方についての評価も実施しましょう。

 

 

事例で取り上げた裁判では、この点も評価されています。

 

 

評価を実施し、その都度、雇用条件の設定を行う姿勢があれば、

 

単に「期限が来たから更新した、しない」とはみられないでしょう。

 

 

あと2年くらいで、法改正の影響が出てきます。

 

 

それから、単に更新回数の制限を設けるだけでは、

 

今後、裁判になった場合には負けてしまう可能性もありますす。

 

 

だから、更新回数の制限等を設ける場合、

 

具体的な必要性と合理的な理由が必要になるのです。

 

 

こうなると、「正社員と変わらない労務管理体制」が必要になり、

 

特に契約の更新の条件は、より具体的な項目の記載をすることが

 

会社のリスクを減らすことにもなるのです。 

 

 

契約社員やアルバイト社員に関しては、会社も軽く考えていることが

 

よくあります。

 

 

「Aさんについては期限が来たら、更新をしなければいい」

 

とだけ考えているケースもあります。

 

 

しかし、それではトラブルに発展する可能性があるので、

 

契約書の記載を上記のように適正にし、評価も実施し、

 

会社を守っていくことが必要なのです。

 

 

 

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ご注意ください。

 

 

 

■編集後記

 

 

いよいよ明日からGWが始まります。

 

 

個人的には、旅行等の計画はありませんが、身近なところで気になってる

 

路地裏や散歩道に出かけてみようと思っています。

 

 

毎朝通う道の先がどんな風景なのか?を知りたいと思っていても、

 

日常の時間に埋もれてしまうことが多いので、この機会に足を延ばして

 

見てみようと思います。

 

 

何か発見があるかもしれませんね。


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