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業務中のSNSへの書き込みは懲戒処分になりますか?


2016年8月25日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


 

おはようございます、社会保険労務士の内海です。

 

いつもありがとうございます。

 

 

 


 

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◆平成28年8月号(Vol.21)の内容

 

○ 内部告発した社員は解雇できない?

 

○ 飲み会後の事故は労災か?

 

○ 出向者が起こした問題に対する損害責任は出向元?、出向先?

 

○ 長時間の残業で、社員が倒れたらp>

 

○ 労働基準監督署の調査について


 

 

 

今日は「業務中のSNSへの書き込みは懲戒処分になりますか?」を解説します。

 

 

今や、ブログ、フェイスブック、ツイッター等により、

 

1人1人が情報発信できる時代になっています。

 

 

ただし、情報を発信するツールばかりが発達し、

 

〇 情報を発信すればどうなるのか?

 

〇 情報の受手側はどう感じるのか?

 

という点は置き去りにされてしまっています。

 

 

この結果、社員が安易に発信した情報により、会社の機密が漏れたり、

 

取引先の情報が漏えいとなったり、会社に悪影響が及ぶこともあります。

 

 

今の時代、会社は社員による情報発信について、どの様なスタンスで

 

臨むべきかを検討しなければなりません。

 

 

特にトラブルで多いのが

 

〇 仕事をしているように見せかけてネットサーフィンをしている

 

〇 業務に見せかけて私用メールのやり取りをしている

 

〇 業務中にSNSに書き込みしている

 

など、勤務時間内でのインターネット利用に関するものです。

 

 

知らない間にウィルスに感染し、大変なことになる可能性もあります。

 

 

では、勤務時間内での私用メールや仕事以外のインターネット利用を

 

禁止するにはどうすればいいのでしょうか?

 

 

これは具体的な服務に関するルール(服務規律)を作成し、

 

社員に周知徹底しておけばいいのです。

 

 

ここにSNS等について投稿を行わないことを盛り込むのです。

 

 

具体的には以下となります。

 

----------------------------------------------------------------------

〇 業務時間内においてブログ、掲示板、SNS等の

 

  インターネット上の投稿を行わないこと

 

  (個人所有の携帯電話等からも含む)  

----------------------------------------------------------------------

 

 

そして、会社は「これらの投稿は禁止事項であること」を社員に対し、

 

周知することが重要です。

 

 

しかし、社員が投稿を行っているかどうかは分からない場合もあり、

 

具体的なトラブルが発生して、初めて発覚するケースもあります。

 

 

もちろん、一定のコストをかければ、全社員のパソコン閲覧履歴を

 

記録しておくことも可能です。

 

 

しかし、個人携帯からの投稿はチェックすることができません。

 

 

 

 

ちなみに、インターネット上の投稿に関する裁判がありますので、

 

具体的にみていきましょう。 

 

 

<地位確認等請求事件 東京地裁 平成27年3月11日>

 

 

〇 弁護士事務所に勤務する女性事務員Aは事務所内を無断で撮影し、

 

  フェイスブックに写真投稿を行った。

 

 

〇 Aは所長とクライアントの電話を盗聴し、録音した。

 

 

〇 Aは常習的に30分程度遅刻する等の勤務態度が不良であった。

 

 

〇 Aは貸与されていたPHSを無断で私的に利用していた。

 

 

〇 事務所は上記の理由によりAを解雇としたが、Aはこれを不服とし、

 

  裁判を起こした。

 

 

そして、裁判所は以下の判断を下したのです。

 

 

〇 事務所内を無断で写真撮影し、フェイスブックに投稿したことは

 

  客観的に合理的な解雇理由である。

 

 

〇 盗聴について、電話を無断で録音することに正当性があるとは

 

  認められない。

 

 

〇 遅刻、PHSの私的利用そのものは解雇理由には該当しない。

 

→ 遅刻の証拠は出勤状況について正確に示したものではない

 

→ PHSを私的に利用する行為は解雇理由になるが、

 

  2月に5,000円分の通話料金が発生したのは、

 

  仕事上の依頼者と通話したためである可能性がある。

 

〇 解雇は有効である(事務所側が勝った)。

 

 

このように「フェイスブックへの無断の写真投稿は解雇理由となる」と

 

裁判所は判断しています。

 

 

また、この裁判では「盗聴などの行為も解雇理由となる」としています。

 

 

結果、解雇は有効となりました。

 

 

補足すると、この裁判では事務所とAとの間で感情的な行き違いがあり、

 

その後に無断撮影などを行っているのです。

 

 

SNS等に投稿することは色々な人に見られる可能性もあり、

 

ものすごいスピードで広まる可能性もあります。

 

 

また、文字だけではなく、

 

〇 写真などの画像

 

〇 音声

 

〇 動画

 

などがスマートフォン等で簡単にアップできるようになりました。

 

 

文字情報のみより、画像や動画の方がより信ぴょう性が高くなりますが、

 

大きな誤解を生む要素も大きくなるのです。

 

 

さらに、いったん発信された情報の削除や回収は困難な場合もあり、

 

仮に間違った情報でも外部に広がったら、誤解を解く可能性が極端に

 

低くなるのも事実なのです。

 

 

だから、「投稿を禁止する」ことを就業規則等に記載することは

 

非常に重要なポイントとなるのです。

 

 

しかし、就業時間中であればともかく、

 

就業時間外にSNS等への投稿を制限することはできません。

 

 

だからといって、社員によるSNS利用を野放しにするわけにも

 

いきません

 

 

業務時間外に業務中の情報を投稿することもあり得ます。

 

 

私生活上の行為は「原則としては」懲戒の対象になりませんが、

 

これはあくまでも原則です。

 

 

日本鋼管事件(最高裁 昭和49年3月15日)でも下記と判断しています。

 

 

「会社の社会的評価に重大な悪影響を与えるような従業員の行為については、

 

それが職務遂行と直接関係のない私生活上で行われたものであつても、

 

これに対して会社の規制を及ぼしうることは当然認められなければ

 

ならない。」 

 

 

だから、SNS等への投稿そのものを制限することはできませんが、

 

会社への社会的評価に重大な悪影響を及ぼすようなものについては

 

予め制限することは問題ないのです。

 

 

具体的には、

 

〇 顧客情報や機密情報に関する投稿は行わないこと

 

〇 著作権や肖像権などの第三者の権利を侵害する投稿は行わないこと

 

〇 会社の業績や経営戦略に関すること

 

〇 自社商品やサービスを過度に持ち上げる投稿は控えること

 

〇 その他やらせ行為や誤解を招く投稿は控えること

 

〇 他人、特に競業他社への批判は控えること

 

〇 ネット上での喧嘩を売ったり、買ったりするような言動は慎むこと

 

〇 粗暴な言葉遣いは慎むこと

 

などです。

 

 

業種、業態により就業規則や雇用契約書にどこまで盛り込むかは

 

会社の考え方によりますが、「社員個人のWEB上での情報発信だから

 

制限することができない」訳ではありません。

 

 

やってはいけない範囲を定義し、「影響が出たら、懲戒処分の対象となる」

 

とルール化して、周知していれば、「うっかり投稿する」などの

 

ミスも少なくなるのです。

 

 

まずは、発生を防ぐことが一番大切です。

 

 

しかし、発生してしまった後の「毅然」とした対応も、

 

その後の防止という意味で重要となるのです。

 

 

インターネットが気軽に誰でも利用できる時代なので、

 

SNS等への投稿がきっかけでマスコミに報道される事件も

 

後を絶ちません。

 

 

店が倒産に追い込まれたケースもあります。

 

 

しかし、投稿した当事者は「そんなことになるとは思っていなかった」

 

と思われます。

 

 

だからこそ、日頃からインターネット等の利用方法に関する指導、教育を

 

行い、社員への意識付けをしていくことが大切なのです。

 

 

 

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ついても、当社は賠償責任を負いません。

 

 

また、この内容は掲載日現在の法令や通達などに基づいておりますので、

 

ご注意ください。

 

 

 

■編集後記

 

 

先日のお休みの時に初めて生の落語を聞きに行きました。

 

 

林家たい平さんの独演会でしたが、テレビで見る落語とは大違い!

 

 

語り口調から、その場の雰囲気まで話だけで引き込まれてしまいました。

 

 

言葉だけで、演目を演出することは大変難しいと思いますが、

 

その場が、「長屋で暮らす人たちの息遣い」を感じる空気になりました。

 

 

さすが真打ですね。圧倒されました!!


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