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内規は就業規則の一部なのでしょうか?


2016年9月27日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


 

おはようございます、社会保険労務士の内海です。

 

いつもありがとうございます。

 

 

 


 

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今日は「内規は就業規則の一部なのでしょうか?」を解説します。

 

 

 

就業規則は「会社の憲法」と言われるくらい、とても重要な規則です。

 

 

ただし、就業規則に決まり事を全て網羅することはできず、給与規程、

 

退職金規程、育児介護休業規程等を分冊している会社も多くみられます。

 

 

さらに、この中で決められないことや細かいルールについても「内規」

 

として定めている会社も多くあります。

 

 

就業規則の条文を補完するもので、規定には記載し切れない細かなルールを

 

決めて、運用がスムーズになるように記載しているのです。

 

 

この「内規」が法的に就業規則とどのような関係となるのかが問題と

 

なるケースがあります。

 

 

これは「就業規則の一部なのか?」「それとも別のものなのか?」判断に

 

迷ってしまうのです。

 

 

これに関する裁判があります。

 

 

<ANA大阪空港事件 大阪高裁 平成27年9月29日>

 

 

〇 会社の元社員8名が退職功労金の支払いを会社に求めた。

 

→ 社員は退職していたが、退職功労金の支給基準の内規があり、

 

  それに基づいた支給がされていなかった。

 

→ 元社員たちは「退職功労金の支給基準が定められている内規は

 

  就業規則と一体」と主張した。

 

 

〇 会社は支払いを拒否し、裁判となった。

 

→ 退職功労金の支給は審議会で支給の有無等を決定するので、

 

  基準があるから支払うものではないと主張した。

 

 

〇 第1審では「内規は労働組合にあてた文書にあった記載」で、

 

  就業規則と異なる体裁であり、また、就業規則を作成、変更する

 

  手続きや届出をしていないので、認められない。

 

→ この内規は就業規則と同様の効力はない。

 

→ 労働組合も規定化するように要請していたので、内規そのものは効力が

 

  ないことは理解している。

 

 

そして、第2審では次の判断を行ったのです。

 

 

〇 退職功労金について、支給額が確定していないから、具体的な算定方式

 

  や支給額を決定することで初めて金額が確定され、支給される。

 

→ 内規ではこの定めは無い。

 

 

〇 第1審と同じで就業規則と異なる体裁であり、また、就業規則の一部

 

  として成立する手続きを踏んでいない。

 

 

〇 平成12年の内規の制定以降に退職慰労金は支給されていない

 

→ 恒常的に退職慰労金が支払われていた場合は労使慣行として、

 

  全員に支払わなければならないが、この場合は労使慣行の成立は

 

  認められない。

 

 

〇 退職慰労金の基準は就業規則にはみなされず、退職慰労金を支給しない

 

  ことは違法ではない(会社側が勝訴した)。

 

 

この裁判のポイントは内規が就業規則の一部として「みなされるか」という

 

ことでした。

 

 

しかし、判決通り、就業規則の一部として効力を持つためには以下の

 

手続きが必要となります。

 

 

〇 従業員の過半数代表か労働組合に対し意見を聞き、意見書の提出を

 

  求める。

 

 

〇 所轄労働基準監督署に対し、意見書とともに提出する。

 

 

以上の手続きが無いと就業規則の一部として認められないのです。

 

 

この裁判では、上記の手続きは行われていませんでした。

 

 

また、もう一つの争点として「労使慣行が認められるか」という点です。

 

 

平成12年から退職慰労金の支払いは無く、恒常的に支払いがストップして

 

いるので、労使慣行には認めらませんでした。

 

 

これらのことを考えると、

 

 

〇 会社の裁量で行っている「退職慰労金」や「お祝い金」等は、

 

  労働組合や社員に対し「会社側の決定で支給する」ことを明示する。

 

 

〇 就業規則の一部として「内規」「ルール」などがあると誤解を

 

  受けないように、区別を行う。

 

→ 形式を異なるものとする。

 

 

〇 慣習的に慰労金等の支払いを行わないこと。

 

 

などの対応が必要となります。

 

 

 

 

就業規則等を拝見して、よくある記載は「就業規則で概略を決めていて、

 

詳細は別で定める」と記載がある場合です。

 

 

この場合、就業規則の一部として、別規程として定める場合は、あくまでも

 

就業規則の一部となりますが、社員代表等の意見も聞かず、単にルールが

 

あるだけの内規は、「グレー」となってしまいます。

 

 

この点でトラブルが発生した場合、果たして「法的な効力はどこまでか」と

 

争いになってしまうのです。

 

 

仮に、会社が恩恵的に定めた内規でも、慣行として継続的に続いていたら、

 

それだけで法的に効力が発生する場合もあるのです。

 

 

このようなトラブルを発生させないためには、就業規則と内規の区別

 

を明確にすることです。

 

 

就業規則の追記として詳細を定める場合は、あくまでも就業規則の一部

 

として、社内の承認手続き、意見書の提出、労働基準監督署への提出に

 

盛り込むべきです。

 

 

そして、「別」の決め事とするのであれば、効力等については、会社の決定

 

を明確化し、そのプロセスを公開しておけば誤解の余地も少ないでしょう。

 

 

内規は就業規則とは別ものという認識を会社側、社員側ともに持ち合わせる

 

ことが重要です。

 

 

ここがはっきりしないので、トラブルになるケースが多いです。

 

 

就業規則はあくまでも労働基準法に定められた項目を中心として会社の

 

ルールを定めるもので、内規はあくまでも「内部のルール」で法的な

 

根拠や裏付けがあるわけでは無いのです。

 

 

また、内規を定義する場合、冒頭に就業規則が優先する旨を記載しておくこと

 

も誤解が生まれない方法となります。      

 

 

 

 

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ついても、当社は賠償責任を負いません。

 

 

また、この内容は掲載日現在の法令や通達などに基づいておりますので、

 

ご注意ください。

 

 

 

■編集後記

 

 

年金の強制徴収の報道がありました。

 

 

時事通信(9月20日より)

 

 

厚生労働省と日本年金機構は20日までに、2017年度から国民年金

 

保険料滞納者の強制徴収の対象を拡大する方針を決めた。

 

 

対象者を年間所得350万円以上で未納月数7カ月以上から300万円以上

 

で同13カ月以上に引き下げる。

 

 

保険料の納付率が60%程度に低迷していることを受け、納付率向上を図る

 

ため対応を強化する。

 

ここまで

 

 

これからは年金制度維持のために徴収等はどんどん強化されていくでしょう。

 

 

なぜなら、マイナンバーの導入の主な目的の一つでしょう。

 

 

誤魔化すことはいけないことですが、なんだか物騒な気がしませんか?

 

 

ギスギスした世の中にならなければよいのですが・・・。


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