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どこからがプライバシーの侵害なのでしょうか?


2016年10月11日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


 

おはようございます、社会保険労務士の内海です。

 

いつもありがとうございます。

 

 

 


 

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では、今日は「どこからがプライバシーの侵害なのでしょうか?」を

 

解説します。

 

 

社員のプライバシーが問題となることが時々あります。

 

 

具体的には

 

〇 業務で使用中のメールを閲覧できるのか?

 

〇 いきなり所持品検査ができるのか?

 

〇 社内に防犯カメラを設置できるのか?

 

などがトラブルの種となるのです。

 

 

メールの閲覧については、私用メール利用の監視ということで多くの会社が

 

就業規則の中で「閲覧する旨」の記載をしています。

 

 

こうすれば何の問題もなくチェックすることが可能ですし、プライバシーの

 

問題にはならないのです。

 

 

しかし、いきなり所持品検査を行ったり、急に防犯カメラを設置している

 

会社も見受けられます。

 

 

もし、トラブルとなったらどうなるのでしょうか?

 

 

 

 

これに関する裁判があります。

 

 

<セコム事件 東京地裁 平成28年5月19日>

 

 

〇 社員Aは嘱託社員として入社し、金融機関の現金、通帳、小切手等の

 

  受け渡し業務に配属された。 

 

 

〇 Aは会社を退職後、「出勤時と退勤時に所持品検査をされ、財布や

 

  バックの中身を含む持ち物全てを監視カメラで撮影され、プライバシー

 

  の侵害を受けた」として会社を訴えた。

 

 

→ 1日1万円(監視1回 5,000円×2回/日)×1,600日

 

  として慰謝料1,600万円の支払いを求めた 

 

 

そして、裁判所は以下の判断を下したのです。

 

 

〇 所持品検査、防犯カメラの撮影は正当である。

 

 

〇 所持品検査の際に不快と感じたことがあったとしても、それで慰謝料

 

  を請求する精神的苦痛が生じたとは言えない。

 

→ 会社側が勝った

 

 

この裁判を詳しくみていきます。

 

 

まず、所持品検査の実施の意味が問われたのです。

 

 

Aからは「かつて、社員が現金を盗んだ事件が発生したので、同じことが

 

発生しないように実施しているが、持ち物全てをさらけ出すのは言語道断」

 

とし、精神的苦痛を伴うプライバシーの侵害を主張しました。

 

 

これに対し、会社側の主張としては「社員の身の潔癖を証明するため」と

 

その主旨を説明し、さらに詳細はルール化されて周知されていると主張し、

 

その有効性を訴えたのです。

 

 

ルールそのものは雇用契約書にも嘱託社員就業規則にも記載は無かったの

 

ですが、「雇用契約書に記載無いものは就業規則等の定めによる」とされ、

 

就業規則では、「通達等も雇用契約の内容となる」と記載があったのです。

 

 

実際のルールは社員安全特別守則の通達に定められており、これは雇用契約

 

の内容になっていると認めることができると裁判所が判断しました。

 

 

そして、所持品検査のルールについては会社の規程類に明記されており、

 

社内のイントラネットでも対象者、実施のタイミング、実施要領が詳細に

 

定められていたのです。

 

 

さらに、社員の入社直後の集合研修で所持品検査についての説明を行って

 

いたし、勤務開始後にも定期的に所持品検査の説明を「繰り返し」実施

 

していたのです。

 

 

また、Aは退社までの7年以上の間、一度も所持品検査によって精神的苦痛

 

を訴えたことはなく、社員の相談窓口にも通報したことが無かったのです。

 

 

さらに、Aの退職理由も「一身上の都合」となっており、以上の状況から

 

精神的苦痛を被ったと言える状況ではないと裁判所は判断したのです。

 

 

この裁判では、

 

〇 通達が雇用契約の一部として機能していることが明白である

 

〇 所持品検査、防犯カメラによる撮影等が詳細にルール化されている

 

〇 ルールの説明が何度も行われている

 

等の会社側の対応が裁判所に評価されたのです。

 

 

 

 

逆にいうと、これらのことが不完全であれば結果が異なっていた可能性も

 

あるのです。

 

 

仮に、就業規則等にきちんとルール化した記載があったとしても、社員に

 

周知してなければ規則としての効力は発揮されません。

 

 

また、ルールが周知されていても、条文が無ければ「言った、言わない」の

 

話となり、裁判等の判断が厳しい状況になることもあるでしょう。

 

 

また、一度だけ伝えることで「周知が完了」としても、有効性に問題が

 

あると考えられるのです。

 

 

だから、検査と記録の実施内容、方法等を詳細に決めておき、対象となる

 

社員に「何度も」理解を求め、周知を徹底しておくことが重要なのです。

 

 

 

 

皆さんの会社でやってはいけないことは

 

〇 決まりが無いのに所持品検査等を実施すること

 

〇 隠し撮りのようにこっそり防犯カメラを設置すること

 

等です。

 

 

事故防止、安全保持のことを考えて実施するのであれば、

 

〇 実施の意味、設置の意味を社員に説明する

 

〇 具体的な検査方法、カメラの設置場所等を伝える

 

〇 何度も理解を求める

 

ことが必要となるのです。

 

 

性悪説に立って「社員の悪事を押さえてやる」ために防犯カメラを

 

設置するのでは、会社と社員の信頼関係はいつまでも築けません。

 

 

それよりも「正々堂々」と物事を運用するほうが会社も社員もお互いの

 

気持ちがクリアになるでしょう。

 

 

人は誰でも「できごころ」という弱い部分がありますが防犯カメラがあれば、

 

その弱い部分の気持ちを「抑制」することもあるでしょうし、「いつ検査が

 

るのだろう」と意識させるだけも行動にを断ち切ることになるでしょう。

 

 

何か起こってしまって対応に苦しむより、抑止力としての防犯も

 

確かに重要なのです。

 

 

だから、「こっそり」ではなく「堂々と」物事を行うことが大切なのです。

 

 

 

 

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また、この内容は掲載日現在の法令や通達などに基づいておりますので、

 

ご注意ください。

 

 

 

■編集後記

 

 

先週、会津若松のお客様のところに出張に行ってきました。

 

 

車窓から広大な水田で稲刈りが進んでいて、「秋も本番かな」

 

と感じました。

 

 

都内にいると季節を感じることが少ないですが、出張に行くと

 

食事、天候、風景などで季節を感じることが多いです。

 

 

今回の出張では磐梯山の頂は見えませんでしたが、あっという間に

 

秋から冬の景色になってしまうのでしょう。

 

 

車窓の景色を見ていろいろな事を感じました。


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