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精神疾患からの職場復帰はどこまで配慮が必要ですか?


2016年10月18日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


 

おはようございます、社会保険労務士の内海です。

 

いつもありがとうございます。

 

 

 


 

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では、今日は「精神疾患からの職場復帰はどこまで配慮が必要ですか?」を

 

解説します。

 

 

うつ病を代表とする精神疾患のご相談数は年々増加しており、職場復帰の

 

ためのご相談も増加しています。

 

 

これは、一般的な病気やケガと違って、精神疾患は外見から判断することは

 

難しいので、会社としても復帰の判断が難しく、「全て診断書に任せる」

 

こともできずに悩んでいるケースがほとんどです。

 

 

なぜなら、「精神疾患が治った」と医師が診断書に記載しても「すぐに再発」

 

と言う話も多く聞いています。

 

 

これは、医師により判断が違うこともあれば、診断をした医師の専門が

 

精神科や心療内科以外であることも多いからです。

 

 

だから、就業規則で会社が「意思決定するプロセス」を事前に決めておく

 

ことが大切なのです。

 

 

具体的には以下の条文を参考として下さい。

 

--------------------------------------------------------------------

第〇条 従業員の休職事由が消滅したと会社が認めた場合、

 

又は休職期間が満了した場合は、原則として、休職前の職務に復帰させる。 

 

但し、旧職務への復帰が困難な場合又は不適当と会社が認める場合には、

 

旧職務とは異なる職務に配置することがある。

 

 

2 休職中の従業員が復職を希望する場合には、所定の手続により

 

会社に申し出なければならない。

 

 

3 休職事由が傷病等による場合は、休職期間満了時までに治ゆ

 

(休職前に行っていた通常の業務を遂行できる程度に回復することをいう。

 

以下同じ。)、又は復職後ほどなく治ゆすることが見込まれると会社が

 

認めた場合に復職させることとする。

 

 

また、この場合にあっては、必要に応じて会社が指定する医師の診断及び

 

診断書の提出を命じる場合がある。

 

 

4 休職期間が満了しても復職できないときは、原則として、

 

休職満了の日をもって退職とする。

--------------------------------------------------------------------

 

この条文のポイントは、

 

〇 復職は「会社が認めたとき」にできる

 

→ 単に「休職事由が消滅したとき」と定めると、主治医の診断書で

 

  「復職可能」と記載されれば、復職させなければならない

 

 

〇 必要に応じて、会社が指定する医師の診断及び診断書の提出を

 

  命じることができる

 

→ 複数の医師の意見を聞きたいと会社が考えても、

 

  この条文がないと会社の指定する医師の意見を聞くことが難しい

 

 

〇 休職期間満了時に復職不可なら「休職満了をもって退職」とする

 

→ この決まりがないと会社も「いつ退職にすべきか」がわからない

 

という事です。

 

 

市販の書籍等の「就業規則の雛形」で、ここまで明確になっているもの

 

はあまりありません。

 

 

また、数年前まで精神障害がここまで問題となることもなかったので、

 

就業規則が会社や社会の現在の状況に合っていないこともあるのです。

 

 

 

 

それから、社員が復帰をする際にいろいろ条件を言ってくることも

 

あり、これの対応に頭を抱えている会社も多いです。

 

 

例えば、

 

〇 元の部署の人間関係が影響してうつになったので、部署を変えて

 

  復帰したい

 

 

〇 復帰するに当たり、上司を変えてほしい

 

などです。

 

 

少なからず「精神疾患が仕事の影響しているのでは?」と会社も考えがち

 

ですが、腫物に触るように対応している会社がよくあります。

 

 

「面倒くさいから本人の言う通りでいい!」としたら、もっと大きな異なる

 

問題が発生することが容易に想像されます。

 

 

これに関する裁判があります。

 

 

<三菱重工業事件 東京地裁 平成28年1月26日>

 

 

〇 社員Aは愛知県の事業所に勤務していたが私傷病(精神疾患)により

 

  休職となった。

 

 

〇 休職中に実家のある埼玉県に転居した。

 

 

〇 Aは休職開始して約2年半を経過したときに、会社に復職を求めた。

 

→ Aは埼玉県の現住所から通勤可能な場所での復職を求めた

 

→ 生活するには家族の支援が必要と主張

 

 

〇 会社は休職前の愛知県の事務所での復職を求めたところ、

 

  Aは出社を拒否し、欠勤を続けた。

 

 

〇 会社は就業規則にのっとって欠勤数が規定上回ったのでAを解雇した。

 

 

〇 「解雇は無効」としてAは裁判を起こした。

 

 

そして、裁判所の判断は以下となったのです。

 

 

〇 愛知県の事務所で技術職として雇用されたAがいた部署での

 

  配置転換の前例はない。

 

→ 製品が異なると要求されるスキルも変わってくるので別の事務所での

 

  配属は想定できない

 

 

〇 生活するには家族の支援が必要とのことだが、これは家庭内の問題で

 

  復職の申し出とは関係ない。

 

 

〇 Aの復職拒否は重大な業務命令違反である(会社勝訴)。

 

 

以上より解雇は有効と判断したのです。

 

 

「心の病気から職場復帰に関して気をつけること」として厚生労働省から

 

出ている手引きによると「元の職場に復帰させるのが原則である」と記載

 

されています。

 

 

これは、新しい環境への適応のため生じた負担が、疾患の再燃、再発に

 

結びつく可能性があるからです。

 

 

これはあくまでも「原則」となっていますが・・・。

 

 

この裁判の事例は、会社の「復帰の支援も手厚く」「手続きも整備されて

 

いる」なかで、元の職場に精神疾患となった原因も認められないので、

 

解雇は有効となったのです。

 

 

 

 

うつ病を代表とする精神疾患を発症した社員について、希望を叶える配慮

 

する姿勢は大切なことですが、職場の変更、職種の変更でその人の

 

パフォーマンスが発揮できなるのも問題です。

 

 

職場の変更、職種の変更が本当に必要ならば、

 

〇 主治医に復帰に当たって「変更が可能か?」の意見を聞く

 

〇 産業医に復帰に当たって「変更が可能か?」の意見を聞く

 

〇 会社の指定医に復帰に当たって「変更が可能か?」の意見を聞く

 

等を実施して異動の要否を検討することも必要と考えられます。

 

 

そして、1番やってはいけないことは復職に当たり、本人の希望のみで

 

配属することです。

 

 

もしこれを実施したら、会社が要求する業務の質は期待できなくなり、

 

また、周りの社員への負担が増えてしまう可能性が高くなるのです。

 

 

復帰拒否等の話が出たら、本人からよく事情を聞いて、医学的な意見は

 

複数の医師から意見を求め、就業規則等のルールに照らして判断すること

 

が大切なのです。

 

 

会社は社員の希望、業務との関連、そして、周りへの影響を考えて判断を

 

行いましょう。

 

 

ここを深く考慮しないで「とりあえず前の部署で」、「取りあえず営業部で」

 

等となると職場環境の悪化が発生し、第2、第3の休職者が発生した例も

 

実際にあります。

 

 

こうならないためにも、精神疾患等の場合は極め細やかな対応が

 

必要となるのです。

 

 

 

 

また、社員のメンタルヘルス不調で、社内での取り扱いについて、

 

どのような対応をするべきなのか?というご相談を多数頂いております。

 

 

大手企業なら、休職、復職に向けての制度も整えられているでしょう。

 

しかし、中小企業では、社員一人ひとりが「即戦力」のため、

 

「治るまで待っている」ことができないのも事実でしょう。

 

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無断使用、無断転載を禁じます。

 

これらの事実が発覚した場合は法的措置を取らせて頂きますので、

 

ご注意ください。

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ついても、当社は賠償責任を負いません。

 

 

また、この内容は掲載日現在の法令や通達などに基づいておりますので、

 

ご注意ください。

 

 

 

■編集後記

 

 

平成28年10月7日に「電通女性社員の自殺は労災」と言う報道が

 

ありました。

 

 

以下、日経新聞(2016年10月7日)より

---------------------------------------------------------------------- 

広告大手の電通に勤めていた高橋まつりさん(当時24)が昨年12月に

 

自殺したのは、直前に残業時間が大幅に増えたのが原因だとして、

 

三田労働基準監督署(東京)が労災認定していたことが7日、分かった。

 

遺族代理人の川人博弁護士が明らかにした。認定は9月30日付。

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電通は1991年にも若い男性社員が長時間労働でうつ病になり、

 

自殺という残念な結果になったという事件がありました。

 

 

この事件は裁判となり、会社の安全配慮について最高裁で争われたのです。

 

 

そして、その後、労働行政も「過重労働」「過労死」というものへの

 

取り組みが強化され、労災認定の残業時間の基準や過重労働防止のための

 

措置への取り組みが広がったのです。

 

 

しかし、また、それも同じ企業から起きてしまった・・・。

 

 

今回の事件で、いろいろな意見が報道等でなされていますが、

 

過重労働による疾患は絶対に防がなければいけないことなので、

 

これに対する議論が深まるべきです。

 

 

他人事ではなく、私たち1人ひとりが真剣に考えないといけません。


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