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仮眠の時間も労働時間ですか?


2016年11月 1日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


 

 おはようございます、社会保険労務士の内海です。

 

いつもありがとうございます。

 

 

 


 

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では、今日は「仮眠の時間も労働時間ですか?」を解説します。

 

 

最近、世の中の流れは残業時間を縮小する方向に向かっています。

 

 

大手広告代理店やロードサイドの飲食店に過重労働撲滅のメスが入り、

 

その状況が大きく報道されています。

 

 

ただ、労働時間は縮小に向かっていますが、働き方そのものは時間帯等を

 

問わず多様化しています。

 

 

特に、深夜に仕事をする人も増え、休憩や仮眠の時間が「労働時間」に

 

該当するのかが問題となるケースがあります。

 

 

特に、仮眠時間については大星ビル管理事件(最高裁 平成14年2月

 

28日)の考え方が基本となっています。

 

 

具体的には、「作業していない仮眠時間が労働時間に該当するか否かは、

 

従業員が会社の指揮命令下に置かれていたと評価できるか否かによって、

 

定まるものである」という考え方です。

 

 

だから、従業員が作業していないというだけでは、会社の指揮命令下に置か

 

れていないとはいえず、従業員が会社の指揮命令下に置かれていないものと

 

評価するには労働から離れることを保障しなければなければなりません。

 

 

したがって、作業に従事していない仮眠時間であっても、労働から離れる

 

ことが保障されていなければ、労働時間に該当するのです。

 

 

因みに、この事件での仮眠時間は、仮眠室での待機と警報が鳴ったりした

 

ときは直ちに所定の作業を行うことが労働契約上義務つけられていたのです。

 

 

そして、裁判では「仮眠時間は労働時間」という結果になったのです。

 

 

 

 

では、仮眠時間が全て労働時間となるのでしょうか?

 

 

これに関する裁判があります。

 

 

<阪急バス事件 平成27年8月10日>

 

 

〇 Aはバス助役として24時間交代の一昼夜勤務をしていた。

 

→ 最終バスの点呼を行い、門の施錠や構内の点検を終了した後から

 

  始発バスの準備までの間、営業所の仮眠室で仮眠をしていた。

 

 

〇 Aは「時間外労働を行ったが、割増賃金が支払われていない」と裁判所

 

  に訴えました。

 

→ 休憩3時間の間も業務あり(独自に日報を作成)

 

→ 仮眠時間は労働時間であると主張

 

→ 上記の労務管理は違法であるので不法行為に該当すると主張

 

→ 未払い賃金等約461万円を請求

 

 

そして、裁判所は次の判断をしたのです。

 

 

〇 約62万円の残業代の支払いと、同額の付加金※の支払いが

 

  命じられました。

 

 

※ 労働基準法上、解雇予告手当、休業手当、割増賃金等を支払わない

 

  使用者に対し、裁判所が労働者の請求に基づき、それら未払金に加えて

 

  支払いを命ずる金銭

 

 

この裁判を詳しくみていきましょう。

 

 

この裁判で争点となったのは

 

〇 A本人が独自に作成した日報の信ぴょう性 

 

〇 仮眠時間の労働時間性 

 

でした。

 

 

まず、日報の信ぴょう性ですが、独自に作成された日報の内容について、

 

労務担当者が内容を認識したり、実際の労務管理に使用されたことでは

 

ないので、日報の労働時間を採用することはできないとしました。

 

 

そして、会社が把握していた時間を基に再計算を行い、その結果、

 

休憩時間でも労働時間とみなされる箇所があったので、その分の支払いと

 

付加金の支払いを命じたのです。

 

 

さらに、仮眠時間について、「不活動仮眠時間において、労働契約上の役務

 

の提供が義務付けられている場合には、労働からの解放が保障されていると

 

はいえず、指揮命令下に置かれていることになる」としています。

 

 

これは冒頭でご紹介した大星ビル管理事件(最高裁 平成14年2月28日)

 

の考え方と同じです。

 

 

しかし、「不活動仮眠時間中に、実作業に従事する必要が生じることが皆無

 

に等しいなど、実質的に作業が義務付けられていないと認められ場合は

 

指揮命令下に置かれているとはいえない」としたのです。

 

 

つまり、本件は「労基法上の労働時間に当たらない」と判断したのです。

 

 

この事件では、仮眠時間に「起こされて業務を行うことが皆無」だから

 

労働時間ではないのです。

 

 

 

 

この裁判からわかることは、労務管理について、独自での記録が裁判で

 

採用される場合、客観的なものが無いと信ぴょう性が低く、結果として

 

採用されないということです。

 

 

それと、仮眠時間については、「仮眠中の業務の有無について」がポイント

 

となるのです。

 

 

仮に、仮眠時間中に、何らかの業務対応が義務付けられていたら、これは

 

労働時間となりますが、実質的には対応は無いとなれば労働時間とは

 

ならないのです。

 

 

労働時間か、否か、等判断は個々の事例に基づいての認定ということに

 

なるでしょう。

 

 

決して行ってはいけないのは、「仮眠時間に何かおこることは少ないので、

 

発生したら仮眠していた従業員に対応させ、その分のみの賃金支払い

 

であれば給与が抑えられる」と考えることです。

 

 

 

 

そして、「仮眠時間を労働時間としない」という方針が明確なら、

 

次の対応が必要となります。

 

 

それは、以下の対応となります。

 

 

〇 仮眠時間においては、業務の待機ではない

 

〇 仮眠時間においては、電話対応を行わない

 

〇 仮眠室を、事務室と別のスペースに設置する

 

〇 仮眠時間は原則連絡禁止とする

 

    

以上のことを仮眠が必要な交代勤務者等に明確に周知し、また、会社の

 

運用ルールにも記載しておくことが、誤解を生む余地を取り除く方法なの

 

です。

 

 

労務管理での誤解は、あやふやな解釈をベースに発生することが

 

よくあり、そぐにトラブルと発展してしまいます。

 

 

この件も同様なことが言えるので、まずは、そこを取り除くためのルールを

 

作ることが大切なのです。

 

 

 

 

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また、この内容は掲載日現在の法令や通達などに基づいておりますので、

 

ご注意ください。

 

 

 

■編集後記

 

 

先月、10月9日、10日にかけて行われた日本山岳耐久レース

 

(通称:ハセツネカップ)に今年も参加してきました。

 

 

東京のあきる野市、五日市中学校をスタートして、71.5キロの山道を

 

制限時間24時間で競う山岳マラソンです。

 

 

昨年より、3週間も前倒しの予定となり、午後1時のスタートから夕方まで

 

とても蒸し暑い中でのランニングとなりました。

 

 

その後、夜中の山中は小雨となり、その後、寒さが襲ってきました・・・。

 

 

まさに山岳耐久レースとなり、途中で何度もリタイアをしようと思いました。

 

 

しかし、朝方、昨年よりも1時間遅い17時間でゴールに帰ってくることが

 

できました。

 

 

応援の友人、ボランティアスタッフのはげましが無ければ、完走できません

 

でした・・・。

 

 

ゴール直後は「もうこりごり」と思っていましたが、また、走りたくなって

 

しまった自分がいます(笑)。

 

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