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安全教育が大事ということがよくわかります


2016年11月 8日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


 

おはようございます、社会保険労務士の内海です。

 

いつもありがとうございます。

 

 

 


 

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◆平成28年11月号(Vol.24)の内容

 

○ 会社の安全配慮義務が問われたら・・・

 

○ どこからがプライバシーの侵害なのでしょうか?

 

○ 精神疾患からの職場復帰はどこまで配慮が必要ですか?

 

○ 契約社員は解雇できない?

 

○ 育児休業、介護休業法が改正となります


 

 

 

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では、今日は「安全教育が大事ということがよくわかります」を解説します。

 

 

工場などで安全教育の重要性が語られるのは、当たり前と言えば当たり前

 

ですが、実際は形骸化している場合も多くあります。

 

 

もし、事故などが発生した場合、会社が安全教育をきちんと実施したのか、

 

そうでないのかで、責任が大きく変わることがあるのです。

 

 

もちろん事故は起きないこと、起こさないことが重要ですが、「うっかり」

 

ミスなどのヒューマンエラーを100%防止することは不可能です。

 

 

仮に事故が発生した場合は、会社が責任を負うこととなります。

 

 

その際に問題となるのが、会社はどのぐらい「安全教育を徹底していたか」

 

ということです。

 

 

安全教育が形骸化していれば、会社の責任が大きく問われ、安全教育が

 

徹底されていれば会社の責任が問われない場合もあるのです。

 

 

これに関する裁判があります。

 

 

<アイシン機工事件 名古屋高裁 平成27年11月13日>

 

 

〇 派遣作業員(男性ブラジル人)が旋盤の仕事でアイシン機工に派遣

 

  された。

 

 

〇 旋盤のトラブルが発生し、派遣作業員は粗形材(加工途中の製品)を

 

  取り除く作業が必要となったため、監督者(上司)を呼ぶことなく自ら

 

  処理しようとし、誤ったボタン操作を行い、右手くすり指を切断した。

 

 

〇 本件事故は安全配慮義務違反に基づく不法行為として、約880万円の

 

  損害賠償を請求した。

 

 

〇 名古屋地裁岡崎支部の第1審ではアイシン機工の安全配慮義務違反を

 

  認め、派遣作業員の請求を一部認めましたが、派遣社員側、会社の

 

  両者が控訴したのです。

 

 

そして、名古屋高裁は以下の判断をしたのです。

 

 

〇 派遣社員側の請求を棄却した。

 

 

〇 会社の安全配慮義務違反があるとは認められない。

 

 

つまり、会社側の主張がとおったのです。

 

 

この裁判を詳しくみていきましょう。

 

 

まず、この派遣社員(男性ブラジル人)を受け入れるに当たり、

 

会社は「新人受け入れ教育テキスト」を使用して安全管理、品質管理、

 

マナー等に関する教育を実施していました。

 

 

このテキストは「監督者、会社での禁止事項と懲罰、職場での安全作業、

 

保護具、安全装備の確認、異常措置、危険箇所表示、有機溶剤、安全三訓、

 

品質等」の項目に全文ポルトガル語の訳文が併記されていました。

 

 

さらに、テキストの理解力を高めるために異常処置や安全三訓に関する

 

テストを実施し、全問正解した場合に合格とし、2回不合格の者については

 

受け入れを拒絶していたのです。

 

 

この派遣社員が業務につく際に、日系ブラジル人の従業員が通訳として

 

同伴していろいろなケアを行ったのです。

 

 

そして、安全に関するテストでは2回目のテストで合格したのです。

 

 

それから、異常事態が発生した場合、安全教育では

 

〇 非常ボタンを押して、機械を停止させる

 

〇 呼び出しを行い、人(監督者等)を呼ぶ

 

〇 呼んだ人(監督者等)が来るまで、待つ

 

〇 動いているものに手を出すな

 

等の標語を記載して、従業員等に唱和させていたのです。

 

 

しかし、今回の事件では、派遣社員が旋盤機械の中に手を差し入れて

 

事故が発生したのです。

 

 

もちろん、自ら手を差し伸べて処理をすることは予定されていませんし、

 

監督者等がくるまで、待っていなければいけなかったのです。

 

 

第1審では、ポルトガル語について、通訳等の配慮もあり、安全教育が

 

不十分であったとは言えないとしましたが、「ポルトガル語が話せる監督者

 

がいない為、身振り手振りの伝達では100%思いが伝わらない」ことが

 

問題となりました。

 

 

そして、この結果を踏まえて、派遣社員側の主張が認められたのです。

 

 

しかし、第2審では受け入れ時の安全教育の内容がポルトガル語で周知

 

されており、また、内容そのものも平易で理解できるものであったと判断

 

されたのです。

 

 

実際に、派遣社員はテストに合格して、理解はしていると認められました。

 

 

さらに、ポルトガル語が話せる監督者がいなくても、上記の経緯から

 

安全教育について「充分に意志疎通」が可能と判断したのです。

 

 

以上から第2審については会社側の主張が認められ、第1審と異なる

 

判断となり、会社の安全配慮義務違反はなかったと結論づけられたのです。

 

 

 

 

ここでもう一度「安全配慮義務」についてみてみましょう。

 

 

安全配慮義務とは労働契約法 第5条「使用者は、労働契約に伴い、労働者

 

がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な

 

配慮をするものとする。」で決められています。

 

 

社員が就業するにあたって「安全な職場環境で安心して働ける環境」を

 

会社が用意しなくてはならないのです。

 

 

その為には、工場等では機械そのものの安全性や事故防止の策、安全装置

 

等の設置を実施しないといけません。

 

 

そして、機械を使用する社員等のために「安全教育」の実施を行わなければ

 

ならないのです。

 

 

事例の裁判の高裁判決は「安全教育を徹底」していたので、会社に安全配慮

 

義務違反が認められなかったのです。

 

 

もし、安全教育をおろそかにして、裁判等で「安全配慮義務違反」が

 

認められたら、大変なことになります。

 

 

具体的には、

 

〇 巨額の損害賠償請求をされることが想定される

 

〇 会社だけでなく役員個人も訴えられることも想定される

 

〇 長期にわたる裁判費用

 

〇 風評被害などによる売上減や士気低下

 

ですので、訴訟ともなれば会社は損害賠償額だけでは済まない、

 

目に見えない巨大な損失があると考えられるのです。

 

 

 

 

安全配慮義務については、工場や建設現場など、物理的に危険が

 

見える職場だけではありません。

 

 

最近は、うつ病に代表される精神疾患と過重労働の問題が大きく

 

取り上げられることがあり、長時間の残業を社員に強いたり、放置して

 

いて、会社が罪を問われることがあります。

 

 

これらの裁判も「安全配慮義務違反」で会社が罰せられています。

 

 

もし、皆さんの会社で、過重労働や安全に対して不安があるのであれば

 

早急に解決することが必要となるでしょう。

 

 

 

 

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お伝えした方法を実行する際は当社までご相談ください。

 

当社にご相談の無い状況でこの情報を利用されて生じたいかなる損害に

 

ついても、当社は賠償責任を負いません。

 

 

また、この内容は掲載日現在の法令や通達などに基づいておりますので、

 

ご注意ください。

 

 

 

■編集後記

 

 

11月2日に興味深い裁判の結果が報道されていました。

 

 

以下、日経新聞 2016/11/2

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「同じ仕事で賃金差」容認 定年後の雇用巡り東京高裁 

 

 

定年退職後に再雇用され、同じ内容の仕事を続けた場合に賃金を引き下げる

 

ことの是非が争われた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は2日、引き下げを

 

容認する判断を示した。

 

 

減額を不当として会社に賃金の差額の支払いを命じた一審、東京地裁判決を

 

取り消し、原告の請求を棄却した。

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このメルマガでも第1審の結果が出たときに取り上げましたが、

 

第1審と「真逆」の判断となり、これに対して反響が大きいようです。

 

 

記事には原告が「最高裁で戦う」との記載があったので、今後は最高裁

 

の判断が「どうなるのか?」が注目されるでしょう。

 

 

この裁判、定年後の賃金設定に大きな影響力を持つことになるので、

 

結果が注目されます。


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