社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所

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事務所に勝手に残っていた時間は残業時間でしょうか?


2017年11月 7日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


 

おはようございます、社会保険労務士の内海です。

 

いつもありがとうございます。

 

 

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○ 様子がおかしい社員の対応について

 

○ 年俸制と残業代の関係を知っていますか?

 

○ 求人票の採用条件を変えてはいけない?

 

○ 研修時間は労働時間となるのでしょうか?


 

 

 

では、今日は「事務所に勝手に残っていた時間は残業時間でしょうか?」

 

を解説します。

 

 

残業時間のカウントについて、「社員が勝手に遅くまで残っている」

 

というお話をよく伺います。

 

 

その際に「この時間も残業時間としてカウントし、残業手当を

 

支払わなければならないのでしょうか?」とのご相談も多く

 

お受けします。

 

 

残業時間の悩みは様々ですが、今回のお話は大きな会社から数人の

 

会社まで、本当に多くの経営者が悩んでいます。

 

 

裏を返せば、労働時間の定義を理解されている方が少ないと

 

いえるでしょう。

 

 

法的に労働時間とは以下の定義となっています。

 

 

それは、

 

「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」

 

となります。

 

 

しかし、これを具体的に落とすのが難しいので、様々な問題、

 

解釈があるのでしょう。

 

 

特に時間管理を把握すための方法でタイムカードやICカードを

 

導入している場合で、労働時間の管理もこれのみで実施している

 

場合は注意が必要です。

 

 

なぜなら、「特段の事情がない限り、タイムカードの打刻時刻等を

 

始業終業時刻と推定する」のが裁判の傾向です。

 

 

以下の裁判が上記の判断を行っています。

 

 

〇 京都福田事件 大阪高裁 平成元年2月21日

 

〇 三晃印刷事件 東京高裁 平成10年9月16日

 

 

また、労働基準監督署は「特段の事情がない限り、打刻時刻を始業

 

終業時刻とみなす」となっています。

 

 

しかし、タイムカード等が労働時間管理のためではなく、出退勤や

 

施設管理のために設置されたいた場合、「直ちに打刻時刻を始業終業

 

とはされない」と判断された裁判もあるのです。

 

 

以下がその裁判です。

 

 

〇 三好屋商店事件 東京地裁 昭和63年5月27日

 

〇 北洋電気事件  大阪地裁 平成元年4月20日

 

〇 オリエンタルモーター事件 東京高裁 平成25年11月21日

 

 

 

 

このように、タイムカードがあるからといっても、労働時間の管理方法で

 

異なる判断が下されるのです。

 

 

では、だらだら残業を禁止するにはどのような方法があるでしょうか?

 

 

これは残業を禁止することを口頭や文章などで社員に伝えることが

 

重要です。

 

 

上司などが「早く帰りなさい」と伝えることが第一で、裁判でも

 

これが有効とされたものがあります。

 

 

<乙山事件 東京地裁 平成24年3月23日>

 

 

〇 会社はタクシー事業を営む会社で、Aは従業員であった。

 

 

〇 会社は平成16年頃に埼玉県でタクシー事業を開始したが、

 

  18年11月に東京への事業展開を図り、東京営業所を開設した。

 

 

〇 会社はAと雇用契約を締結し、乗務員の確保に努めた。

 

 

〇 平成19年3月中旬、乗務員の数が足りるまでという条件で

 

  Aは内勤に転じ、乗務員の入出庫管理などを行うようになった。

 

 

〇 その際、給与の水準は維持して欲しいとの要望を受け入れ、

 

  給与月額を57万6000円と定めた。

 

 

〇 会社の就業規則によれば、所定労働時間は週40時間を原則で、

 

  乗務員については1カ月単位の、非乗務員については1年単位の

 

  変形労働時間制が採用されていた。

 

→ 非乗務員については日曜が原則的な休みであった。

 

 

〇 Aが内勤になった際、労働時間は特に定められなかったが、

 

  会社は、午前6時頃から業務を開始し、午後2、3時頃までに

 

  仕事を終えてくれるものと考えていた。

 

→ 実際は午前5時から午後5時ぐらいまで事務所にいた

 

→ 代表取締役から早い帰宅を促されていたが、従わなかった

 

 

〇 平成21年6月、代表取締役はAに対し、「稼働率85パーセント

 

  を実現するために他の管理職らと同じように乗務してもらいたい」と

 

  要望し、辞令を交付した。

 

 

〇 それ以降、Aは出社しなくなり、同年7月15日付で会社を退社した。

 

 

〇 Aは会社に対し、雇用契約に基づき、平成20年3月から

 

  平成21年7月までに発生した未払割増賃金および遅延損害金

 

  ならび付加金および遅延損害金の支払いを求め裁判を起こした。

 

→ 金額は約1,200万円

 

 

そして、裁判所は以下の判断を行ったのです。

 

 

〇 午前5時からの出勤は労働時間である

 

 

〇 午後5時までの居残りについては、その当時、内勤制度が発足し、

 

  稼働していたので、午後5時まで居残る必要性は消滅していた。

 

→ 代表取締役も「早く帰ったらどうか」と退社を促していた

 

→ 業務量も減少していた

 

 

〇 午後5時までの時間は会社の指揮命令下に置かれたものと

 

  言い難く、実労働時間の終了時に当たるとは評価できない

 

 

〇 早朝午前5時からの早出残業は認められたが、午後の部分は

 

  認められなかった。

 

→ 金額105万円

 

→ 出退勤管理を怠っていた会社に対し、制裁金たる付加金の支払いを

 

  命じた(50万円)

 

 

この裁判を詳しくみていきましょう。

 

 

まずは、法律の労働時間とは、労働者に実際に労働させる実労働時間、

 

すなわち「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」をいう

 

ものです。

 

 

そして、その判断は、

 

(1)当該業務の提供行為の有無

 

(2)労働契約上の義務付けの有無

 

(3)義務付けに伴う場所的、時間的拘束性(労務の提供が一定の場所

 

  で行うことを余儀なくされ、かつ時間を自由に利用できない状態)

 

  の有無、程度

 

 

以上を総合考慮して、社会通念に照らし、客観的にみて、労働者の行為が

 

使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かという

 

観点から行われるべきものとなっています。

 

 

さらに、会社の運行管理業務は繁忙状態ではなく、残業手当(1ヶ月5万円)

 

に相当する1か月約15時間に相当する残業時間があれば十分にこなせる

 

程度のものであったのです。

 

 

たから、1日8時間を超えて働くような業務があったかのかは疑問

 

であったと判断されたのです。

 

 

このように、未払い残業の裁判では、単に「ここまで残っていたから、

 

その分の残業代を支払え」では通用しないでしょう。

 

 

業務内容、特に業務量についての検証も実施されるからです。

 

 

しかし、これが労働基準監督署の調査だったら、同じ結果とは

 

ならない可能性が高いです。

 

 

労基署の調査の場合は「始業、終業(事務所にいた時間)」が

 

業務とみなす傾向が高いからです。

 

 

 

 

また、事例の裁判で注目するポイントがあります。

 

 

それは、勤怠管理の重要性です。

 

 

出退勤管理がきちんとしていたら、付加金の支払命令が

 

でなかった可能性があるからです。

 

 

逆に言えば、出退勤管理がいい加減だから、制裁金として

 

付加金の支払い命令が出たのです。

 

 

 

 

時間管理の重要性はこれからさらに高まります。

 

 

勤怠管理が「ゆるい」と思える会社があれば、

 

これを機会にシステム、タイムカード、ICカード等の導入を

 

おすすめします。

 

 

出勤簿だけの管理だと時代に沿った管理が難しくなるでしょう。

 

 

 

 

それから、就業規則の不備について、よくご相談をお受けします。

 

 

就業規則はあるものの法改正に対応できておらず古いまま

 

であったり、会社のリスクに配慮した形式になっていないことは

 

よくあります。

 

 

この1文さえ就業規則にあれば、会社を守ることができたのに・・・。

 

 

そんなことも少なくありません。

 

 

あなたにとって大切なことは会社をトラブルから守ること、そして、社員も

 

守ることです。

 

 

そのためには、会社の状況に合った就業規則を作成することが必要なのです。

 

 

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ご注意ください。

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お伝えした方法を実行する際は当社までご相談ください。

 

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ついても、当社は賠償責任を負いません。

 

 

また、この内容は掲載日現在の法令や通達などに基づいておりますので、

 

ご注意ください。

 

 

 

■編集後記

 

 

今年も11月となりました。

 

 

この時期から忘年会のお話が出てきていますね。

 

 

すでに「12月の〇日を押さえて下さい!」と連絡が入り

 

始めています。

 

 

また、こちらもご連絡しないといけないお客様もいらっしゃいます。

 

 

お店選び、日時の選定が大変ですね。

 

 

皆さん、同じような日程で組みたがるから、早い者勝ちです!

 

 

業務より気を使うかもしれませんね(笑)


研修時間は労働時間となるのでしょうか?  |  契約社員の労働条件の見直しについて

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