社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所

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引き継ぎをしない社員の対応について


2017年11月21日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


 

おはようございます、社会保険労務士の内海です。

 

いつもありがとうございます。

 

 

皆さんは就業規則や雇用契約書などの作成でお困りではありませんか?

 

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○ 様子がおかしい社員の対応について

 

○ 年俸制と残業代の関係を知っていますか?

 

○ 求人票の採用条件を変えてはいけない?

 

○ 研修時間は労働時間となるのでしょうか?


 

 

 

では、今日は「引き継ぎをしない社員の対応について」を解説します。

 

 

先日、以下のご相談をお受けしました。

 

 

「あと数日で退職日を迎える社員がいますが、いまだ業務の引き継ぎを

 

行おうとしていません。

 

 

この者は、プロジェクトの重要部分に関与しており、後任者への引き継ぎ

 

は必須であるところ、上司、同僚らの再三の求めにも応じず、このまま

 

では本当に何もしないまま、退職することになりそうです。 

 

 

もし引き継ぎが行われない、または十分な形でなされなかった場合、

 

損害賠償等を請求することは可能でしょうか。」

 

 

 

 

退職するにあたっての引継ぎは義務であると考えられますので、

 

社員は退職するに当たり、誠実に引き継ぎをする必要があります。

 

 

したがって、社員等が、引継ぎ自体を一切せずに退職すれば、

 

会社はこの者に対して、損害賠償を請求できる可能性があります。

 

 

 

ここで、会社としては、完璧な引継ぎを求めたいところですが、

 

現実的にそこまでのものは不可能と考えられます。

 

 

そのため、誠実に引継ぎが行われれば、社員に責任を問うことは

 

できません。

 

 

また、引き継が一切なされなかった場合、社員の義務違反を問うことが

 

できるとしても、引継ぎ未了と損害との間の因果関係については、

 

会社が立証しなければなりません。

 

 

それには困難が伴います。

 

 

さらに、「この社員のみに責任がある損害額はどの程度か」の算定や、

 

その立証も難しく、会社が希望する金額を全額請求するというのは

 

現実的にはかなり難しいと考えられます。

 

 

しかし、実際に損害が発生した場合、社員に請求をかけ、

 

裁判となった事例があります。

 

 

<ケイズインターナショナル事件 東京地裁 平成4年9月30日>

 

 

〇 会社は取引先A社との間でビルのリニューアルに関して期間3年間の

 

  インテリアデザイン契約を受注した。

 

〇 そして、A社に担当者として常駐させるため、Bを採用した。

 

 

〇 ところがBは入社1週間で病気を理由に欠勤し、他のアルバイト先

 

  に移ってしまった。

 

 

〇 その後Bは会社を辞めてしまった。

 

 

〇 このため会社は、A社との契約を解約され、1,000万円の

 

  利益損失を被った。

 

 

〇 会社としてはBを許すことができず、損害賠償を求めて交渉の末

 

  Bが200万円を月末までに支払うとの念書を手に入れた。

 

 

〇 しかしこの示談に対して、Bは「そんな念書は無効である」と主張し、

 

  支払いをしなかった。

 

 

〇 ところが会社はBに念書による約束の履行を求め、裁判を起こした。

 

 

そして、裁判所は以下の判断をしました。

 

 

〇 裁判所は、Bがいなくなったことで損害が発生したことについて

 

  認めた。

 

 

〇 念書で約束された金額の約3分の1の70万円についてのみ

 

  Bに支払いを命じた。

 

 

裁判でBに対する損害賠償が、減額ながらも認められたのです。

 

 

では、どのように認められたのか詳しくみていきましょう。

 

 

裁判では、会社の利益1,000万円の損害発生を認めた上で、

 

実際はBに対する給与あるいはその他の経費を差し引けば実損害は

 

多額ではないとしました。

 

 

そして、会社はBを採用し、直接の監督の及ばないA社の仕事を

 

「単独で担当させるにもかかわらず、人物、能力等に調査することなく、

 

紹介者の言を信じた」にすぎなかった。

 

 

よって、会社には採用、労務管理に関し、欠ける点があったと

 

判断されたのです。

 

 

その上「労働者に損害賠償義務を課すことは疑問がないではなく、

 

労働者には離職期間中の賃金請求権を失うことによってその損害に

 

見合うものをねん出した」としました。

 

 

労働者の賃金請求権の喪失とのバランスを指摘したのです。

 

 

以上のような点を考え合わせれば、会社の請求する賠償額を

 

限定することが相当であるとの結論がでたのです。

 

 

このようにして裁判所は、認定した会社の失われた利益1,000万円の

 

内の7%、念書で約束された金額の約3分の1の金70万円について

 

支払いを命じたのです。

 

 

 

 

実際の場面では、退職届提出後の一定期間を正常に勤務しなかった場合

 

や後任者への引継業務をなかったら、退職金を一部又は全部を支給しない

 

等の規定があれば、処分を警告して引継業務を行わせることが第一です。

 

 

しかし、その場合でも引き継ぎを実施するのは本人ですので、

 

説得の努力を怠らずに、働くように促してください。

 

 

 

 

間違っても、感情に任せて損害等が確定しない、もしくは発生して

 

いないで裁判等に踏み切った場合、相手側から逆に訴えられること

 

もあるのです。

 

 

業務を引き継がずに退職した社員に対し、損害賠償として1,200万円

 

請求した裁判がありました(横浜地裁 平成29年3月30日)。

 

 

この裁判は、退職した社員から「不当な起訴」として、逆に会社が

 

訴えられたのです。

 

 

損害が無いのは明白で、逆に会社側が退職社員に慰謝料として

 

100万円を支払う命令が下ったのです。

 

 

このように、具体的な損害が発生していない場合、裁判に訴えても

 

上記のような結果となってしまうということも認識して下さい。

 

 

 

 

社員が退職するということは大なり、小なり会社に対して思うことが

 

あると考えられます。

 

 

だからと言って、最後の働き方に対し、難癖をつけることは得策

 

ではありません。

 

 

スムーズに引き継げるように、日ごろから業務を見える化し、

 

担当が変わってもすぐに業務ができるようにマニュアル等を

 

備えることが必須ではないでしょうか。

 

 

 

 

それから、就業規則の不備について、よくご相談をお受けします。  

 

 

就業規則はあるものの法改正に対応できておらず古いまま

 

であったり、会社のリスクに配慮した形式になっていないことは

 

よくあります。

 

 

この1文さえ就業規則にあれば、会社を守ることができたのに・・・。

 

 

そんなことも少なくありません。

 

 

あなたにとって大切なことは会社をトラブルから守ること、そして、社員も

 

守ることです。

 

 

そのためには、会社の状況に合った就業規則を作成することが必要なのです。

 

 

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無断使用、無断転載を禁じます。

 

これらの事実が発覚した場合は法的措置を取らせて頂きますので、

 

ご注意ください。

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●本記事は専門的な内容を分かりやすくするため、

 

敢えて詳細な要件などは省略していることもございます。

 

お伝えした方法を実行する際は当社までご相談ください。

 

当社にご相談の無い状況でこの情報を利用されて生じたいかなる損害に

 

ついても、当社は賠償責任を負いません。

 

 

また、この内容は掲載日現在の法令や通達などに基づいておりますので、

 

ご注意ください。

 

 

 

■編集後記

 

 

RPAという言葉をご存知ですか?

 

ロボティック・プロセス・オートメーションの略で簡単に言えば

 

PC上で行える業務をロボットが代わって行うというものです。

 

 

私たち社会保険労務士の事務所では給与計算、手続き業務といった

 

定型業務がこのRPAによって置き換わっていくと言われています。

 

 

具体的には「給与計算業務を人間ではなくロボットが計算する」

 

と言ったことです。

 

 

いつやってくるのか?

 

遠い将来なのか?と考えておりましたが、

 

実用時期については「すぐそこまで来ている」とのことです。

 

 

あと数年で、社労士の仕事が大幅に変わってしまうかもしれませんね。


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