社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所

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解雇より有効な退職勧奨について


2017年11月28日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


 

おはようございます、社会保険労務士の内海です。

 

いつもありがとうございます。

 

 

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○ 研修時間は労働時間となるのでしょうか?


 

 

 

では、今日は「解雇より有効な退職勧奨について」を解説します。

 

 

「社員を辞めさせたい・・・」

 

 

「問題ある社員を解雇したい・・・」

 

 

このようなご相談は会社の規模や時期を問わず、本当に多いです。

 

 

しかし、会社は一方的に解雇ができるわけでもなく、

 

多くの社長が悩んでいます。

 

 

なぜなら、解雇を行うためには、以下の要件が必要となります。

 

 

〇 客観的に合理的な理由があること

 

 

〇 社会通念上相当であると認められること

 

 

「客観的に合理的な理由」とは、誰もが辞めさせられてもしかたがない

 

と思え理由をいいます。

 

 

具体的にはおおむね次のような事由とされています。

 

 

〇 労働者の身体、又は精神に疾病や障害で、業務に堪えられない

 

〇 能力不足

 

〇 出勤不良

 

〇 協調性に欠け、他の従業員とうまく仕事をすることができない

 

〇 企業秩序維持義務違反

 

〇 業績不振などの経営悪化で人員整理が必要

 

 

 

そして、「社会通念上の相当性」については、労働者の行った行為

 

や状態と解雇処分とのバランスを指します。

 

 

例えば、労働者の行為が軽微であるにもかかわらず解雇を行った場合、

 

社会通念上相当ではないとなります。

 

 

 

さらに、就業規則に解雇事由を列挙し、それに該当しないと解雇

 

そのものが厳しかったり、就業規則の作成義務があるにもかかわらず

 

作成していない場合等は、解雇はほぼ無理と考えられます。

 

 

このように解雇を実行するには「ハードル」が高いと考えられます。

 

 

 

 

そこで、現実的には「退職勧奨」が実施される場合が多いです。

 

 

この退職勧奨とは「会社が従業員を退職させるために退職を勧めて

 

くること」をいいます。

 

 

最終的に会社をやめるかどうかの判断は、従業員が判断するので、

 

退職勧奨は解雇とは違います。

 

 

退職勧奨は、「会社から雇用契約の合意解約を申し入れている、

 

あるいは、合意解約の申し入れをするよう誘っている」ことです。

 

 

つまり、簡単に言うと「契約を解約してほしいとお願いしている」

 

あるいは「従業員から解約を言いだすように誘っている」ことなのです。

 

 

だからと言って「会社から辞めてくれないか?」と言われているわけ

 

ですから、トラブルとなる可能性が高いです。

 

 

特に「解雇なのか?退職勧奨なのか?」が争われるポイントと

 

なることがよくあります。

 

 

これに関する裁判があります。

 

 

<プレナス事件 東京地裁 平成25年6月5日> 

 

 

〇 従業員であったAが会社に退職する旨の退職願を提出した。

 

 

〇 この退職願を提出した意思表示は退職勧奨による退職の意思表示で

 

  「応じなければ、懲戒解雇になる」として無効を主張した。

 

→ 退職金も支給されないと考えた

 

 

〇 裁判所に訴えて、会社に対し地位確認、賃金支払を求めるとともに、

 

  退職願を提出させる際の会社による退職の強要が不法行為であるとし、

 

  慰謝料及び社宅からの退去費用等相当額の損害賠償を求めた。

 

 

そして、裁判所は以下の判断を下しました。

 

 

〇 従業員側の請求棄却

 

→ 会社側の主張が通った

 

 

この裁判を詳しくみてみましょう。

 

 

Aは、退職願の意思表示は「部長の退職勧奨に応じなければ、

 

懲戒解雇になり、退職金も支給されないものと誤解したため」だと

 

考えたのです。

 

 

そして、退職の意思表示は「錯誤であり、無効である」と

 

主張したのです。

 

 

しかし、Aが退職願を提出することを決断するに至った動機については

 

曖昧で明らかでは勝ったのです。

 

 

そして、9月3日面談においては、退職の意思はなかったが

 

9月12日電話で退職せざるを得ないと決断したとのことです。

 

 

この時、直接の面談ではなく、電話での会話によってそのような

 

決断に至ったとのことですが、誤解が何故その時点で生じたのかも

 

明らかではないところがあります。

 

 

また、9月3日面談及び9月12日電話のいずれにおいても部長が

 

懲戒処分や解雇の可能性、退職金不支給について言っていません。

 

 

そして、Aも退職勧奨に応じなかった場合の処遇等に関して何ら

 

言及していないのです。

 

 

そうすると、この点に関する本人尋問の結果中の供述部分は直ちには

 

信用し難く、Aに誤解があり、これに基づき本件退職願が提出されたと

 

することには疑問があると考えられたのです。

 

 

また、9月3日面談による退職勧奨後、Aによる退職願の提出がされる

 

までの経過をみると、面談から1週間以上の期間があったのです。

 

 

さらに、この間にAは労働局に相談をして、安易に退職届を出すことが

 

ないように指導を受けていたのです。

 

 

しかし、9月12日の電話では約15分程度の会話で「退職事由は

 

会社都合としてくれ」との具体的な要望が出ていたのです。

 

 

実際に、Aがその要望どおり退職事由を会社都合によると記載した

 

退職願を提出したのは、その2日後だったのです。

 

 

このような経過に照らせば、退職願の提出による退職の意思表示が

 

「Aの真意に基づかないもの」ということはできないと判断されたのです。

 

 

 

この事例から学ぶこととは、退職勧奨をするときに 

 

〇 応じなければ解雇になる

 

〇 応じなければ退職金が減額される

 

等の圧力をかけ、無理な同意を取ろうとすることです。

 

 

今回の裁判では、この事実は確認できなかったのが会社側の主張が

 

通った一因でもあるでしょう。

 

 

仮に、このような発言が確認できていれば、裁判の結果が180度

 

異なっていたかもしれません。

 

 

また、退職勧奨の回答期日が「面談から1週間以上の期間があった」

 

ことも大きいです。

 

 

1週間以上という時間は、じっくりと検討することもでき、また、

 

誰かに相談することも可能です。

 

(事例の裁判では、この間に労働局で相談していたのです)

 

 

結果として、結論を導き出すには、十分な時間と考えられます。

 

 

仮に、「この場で結論を」と時間を切った場合などは、

 

「熟慮する時間を与えなかった」として無効となっていたかも

 

しれません。

 

 

 

 

退職勧奨は「法的な行為ではなく」、あくまでの退職を誘因する

 

ものですが、退職を強要する行為があると、法的に無効となる

 

可能性があるのです。

 

 

仮に、退職勧奨を実施する場合は、法的なチェックを実施しつつ、

 

従業員とのコミュニケーションをとり、誤解のないように退職勧奨

 

の意義を伝えることが重要となるのです。

 

 

 

 

また、採用についてもよくご相談をお受けします。

 

 

入社したら、すぐに出社できなくなり、実は精神疾患を患っていた

 

等のご相談を受けました。

 

 

面接で確認すべきことは人物評価などだけではなく、【法的なポイント】

 

も重要なのです。

 

 

むしろ、その方が重要なこともよくあるのです。

 

 

正直なところ、ここをないがしろにし、性善説に立ち過ぎた採用活動を

 

行なっていくと、落とし穴に落ちる確率が非常に高くなるのです。

 

 

そして、事が起こってから、私に相談にいらっしゃることも本当に

 

多いのです。

 

 

さらに、ご相談に対応していて思うことが「基本的なことの保全さえ

 

できていれば、こんなに傷口を広げずに済んだのに・・・」ということです。

 

 

本当に本当に歯がゆい思いを何度も何度もしてきたのです。

 

 

このDVDは面接、採用に関して法的に保全すべきポイントを多角的に

 

解説しています。

 

 

また、「会社の出口」である解雇に関しても「法的な保全が甘い」と

 

いうことがよくあり、結果として、トラブルになった場合は傷口を広げる

 

ことになります。

 

 

そこで、会社の「入口」、「出口」の両方を保全するという意味から、

 

解雇についても解説しているのです。

 

 

採用・面接の極意と戦略的解雇の方法セミナーを収録したDVDです。

 

 

ご覧になってください。

 

 

 

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●本記事は専門的な内容を分かりやすくするため、

 

敢えて詳細な要件などは省略していることもございます。

 

お伝えした方法を実行する際は当社までご相談ください。

 

当社にご相談の無い状況でこの情報を利用されて生じたいかなる損害に

 

ついても、当社は賠償責任を負いません。

 

 

また、この内容は掲載日現在の法令や通達などに基づいておりますので、

 

ご注意ください。

 

 

 

■編集後記

 

 

最近、社員研修のご依頼が増えています。

 

 

一番多いのは、「ハラスメント研修」ですね。

 

 

どんな場面でハラスメントとなるのか、セクハラ、パワハラを中心に

 

話をしていますが、今年を10月の法改正で「マタニティーハラスメント」

 

マタハラがでてきました。

 

 

これについての詳細が求められています。

 

 

ハラスメントはプライバシーの問題やデリケートな問題が関わって

 

来るので、取扱いは慎重にしないといけませんね。


引き継ぎをしない社員の対応について  |  うつ病休職のリハビリ出勤について

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