社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所

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ハラスメントと懲戒解雇について


2018年1月23日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


 

おはようございます、社会保険労務士の内海です。

 

いつもありがとうございます。

 

 

皆さんは就業規則や雇用契約書などの作成でお困りでは

 

ありませんか?

 

 

また、未払い残業代や労務トラブルなどでお困りではありませんか?

 

 

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では、今日は「ハラスメントと懲戒解雇について」を解説します。

 

 

セクシャルハラスメント(セクハラ)、パワーハラスメント

 

(パワハラ)等のハラスメント行為は厳しくなっています。

 

 

しかし、「セクハラ」、「パワハラ」と叫べば、相手が

 

全て罰せられる訳ではありません。

 

 

その程度や行為によって法的に罰せられるのか?否か?

 

となるのです。

 

 

ただ、セクハラ、パワハラとも「主観的」な要素が高く、

 

会社が社員を罰するとなると難しい判断が求められます。

 

 

最近、ご相談を受けたパワハラの事例では、パワハラを行っている

 

とされる上司には「ハラスメントを行っている」認識は全くなく、

 

会社のことを考えて、厳しい部下指導を行っているとのことでした。

 

 

しかし、部下側からみれば、「行き過ぎた指導では?」と思って

 

会社に訴えたとのことでした。

 

 

このケースは、会社が以下の解決を行ったのです。

 

 

〇 上司:行き過ぎた指導について部下に対し謝罪をさせた

 

 

〇 部下:上司の言動は「いじめ」等の考えが全くないことを部下に

 

     理解させた。

 

 

以上のように早期の解決が行われれば問題ないのですが、

 

ハラスメントに関しては、傷口が大きくなって、表面化

 

することが多いのです。

 

 

こうなると「セクハラ、パワハラ行為」等があったら、懲戒処分

 

の実施を考えなければなりません。

 

 

そして、就業規則等にセクハラ、パワハラ等の禁止が記載されている

 

場合がほとんどでしょう。

 

 

以下が参照条文となります。

----------------------------------------------------------------------

(セクシュアルハラスメントの禁止)

 

第〇条 セクシュアルハラスメントは、同じ職場に働く従業員の働く意欲

 

を阻害し、職場の秩序を乱し、職場の環境を悪化させるものであり、従業員

 

はいかなる場合でもセクシュアルハラスメントに該当するか、該当すると

 

疑われるような行為を行ってはならない。

 

 

なお、セクシュアルハラスメントの相手方については、異性のみならず、

 

同性も該当する。

 

 

2 セクシュアルハラスメントとは、相手方の意に反する性的言動で、

 

それによって仕事を遂行するうえで、一定の不利益を与えるもの又は

 

 

就業環境を悪化させるものをいう。

 

(1) 人格を傷つけかねない、又は品位を汚すような言葉遣いをすること

 

(2) 性的な関心の表現を業務遂行に混交させること

 

(3) ヌードポスターや卑猥な写真及び絵画類等を見ることの強要や

 

     配布又は掲示等をすること

 

(4) 相手が返答に窮するような性的な冗談やからかい等をすること

 

(5) 私的な執拗な誘いを行い、又は性的な噂若しくは経験談を相手の

 

     意に反して会話をすること

 

(6) 性的関係の強要、不必要な身体への接触又は強制猥褻行為等を

 

     行うことの他相手方の望まない性的言動により、円滑な職務の

 

     遂行を妨げると判断される行為をすること

 

 

3 従業員は、他の従業員の性的な言動に起因する問題により被害を

 

受けた場合、会社に対して相談及び苦情処理を申し立てることができる。

 

これらの申立てを受けた者は、速やかにその旨の報告、事実関係の調査に

 

着手するとともに、申立人が申立後も性的被害を受けないように対処

 

しなければならない。

 

 

なお、相談窓口担当者以外の従業員が、同様の相談を受けた場合、

 

本人の了承を得たうえで相談窓口担当者に相談を行う等、被害を受けた

 

従業員の不利益にならないよう細心の注意をもって対応しなければならない。

 

 

(パワーハラスメントの禁止)

 

第〇条 パワーハラスメント(本規則において、社会的身分や職権等権威

 

又は権力を背景として、本来業務の適切な範囲を超えて継続的に人格や

 

尊厳を侵害する言動又は行動を行い、職場環境を悪化させ、又は

 

他の従業員に雇用不安を与える行為等をいう)は、心身の健康や職場の

 

士気を低下させる行為であり、従業員はいかなる形でもパワーハラスメント

 

に該当するか、該当すると疑われるような行為を行ってはならない。

 

 

(マタニティハラスメントの禁止) 

 

第〇条 従業員は、職場において、他の社員の妊娠、出産、育児または

 

介護に関する言動、並びにこれらを理由とする休業または措置の利用等

 

の妨げとなるような言動を行い、当該従業員の就業環境を害してはならない。

 

 

2 従業員は、前項の言動または類似する形態の言動により、他の従業員

 

の有する具体的職務遂行能力の発揮を阻害し、またはそのおそれを発生

 

させるようなことがあってはならない。

----------------------------------------------------------------------

 

マタニティハラスメントは昨年の育児休業法改正で

 

定められたので、記載が漏れている会社は、至急追加して下さい。

 

 

このようにハラスメントによる禁止事項を明記して、

 

予防に努めるとともに、仮に発生した場合のケースも

 

想定しておかないといけません。

 

 

しかし、ハラスメントが発生した場合の対応として、

 

すぐに懲戒解雇となるのでしょうか?

 

 

これに関する裁判があります。

 

 

<国立大学甲大学 前橋地裁 平成29年10月4日>

 

 

〇 教授のAはパワハラ、セクハラを助教、講師、研究員に

 

  ハラスメント行為を行っていた。

 

 

〇 約1年半の間に10名中6名が退職、3名が異動する事態

 

  となった。

 

 

〇 大学はこのうち5名に対するAのハラスメント行為並びに

 

  教室運営の改善指導等に従わなかったことを理由に諭旨解雇※

 

  に応じるように説得した。

 

 

※ 「諭旨解雇」とは、使用者が労働者に対して行う懲戒処分

 

の一つで、最も重い処分である懲戒解雇に相当する程度の事由が

 

ありながら、会社の酌量で懲戒解雇より処分を若干軽減した解雇の

 

ことをいいます。

 

 

〇 Aは諭旨解雇に応じなかったので、大学はすぐに懲戒解雇を

 

  実施した。

 

 

〇 そしてAは諭旨解雇を強制的に懲戒解雇に切り替えた等を理由に

 

  解雇無効を主張して裁判を起こした。

 

 

そして、裁判所は以下の判断を下したのです。

 

 

〇 懲戒解雇は無効である。

 

 

〇 大学側に損害額15万円の支払いを命じた。

 

→ 大学側の主張が通らなかった

 

 

この裁判を詳しくみてみましょう。

 

 

まず、懲戒解雇について、裁判所は2名に対するパワハラを

 

認めました。

 

 

さらに、女性1名に対する女性軽蔑、また、過度な私的事項への

 

立ち入りがセクハラに当たると判断しました。

 

 

そして、これらは就業規則に定める懲戒事由に該当するとしたのです。

 

 

しかし、回数が限定的であり、パワハラについては業務上の指導上の

 

必要性が全く欠けるものではないと判断されたのです。

 

 

また、セクハラについても悪質性が高いとは言えないし、本人が

 

反省している事も認めたのです。

 

 

よって、この状況で懲戒解雇を行うにはバランスを欠いたものと

 

判断されました。

 

 

 

それから、諭旨解雇から懲戒解雇まで、本人の考える時間等もなく、

 

不適切な状況下でなされたと判断されました。

 

 

結果として損害額を15万円と設定したのでした。

 

 

 

就業規則に記載された行為が認められたとしても、その後の反省や

 

処分の重さを検討し、バランスの取れたものでないと法的には無効

 

となってしまうのです。

 

 

また、諭旨解雇から懲戒解雇について、時間的猶予を設けないと

 

この裁判例のように無効となる可能性が高くなってしまいます。

 

 

この部分も十分に注意しないといけません。

 

 

そして、ハラスメントが原因となると、判断する側も「感情的」

 

に流されてしまうことがよくあります。

 

 

これはとても危険ですし、雰囲気に流されて結論が現場ででることは、

 

法的な意識が欠落しているケースが多いのです。

 

 

やはり、このようなケースは冷静な判断と再発防止の意味を考えて

 

結論を出さないといけません。

 

 

そのためにも、聞き取りや窓口の初期対応等の材料集めを強化する

 

必要があるのです。

 

 

そして、粛々と事実を確認して、結論を導き出すことが重要なのです。

 

 

 

 

また、採用についてもよくご相談をお受けします。

 

 

入社したら、すぐに出社できなくなり、実は精神疾患を

 

患っていた等のご相談を受けました。  

 

 

面接で確認すべきことは人物評価などだけではなく、

 

【法的なポイント】も重要なのです。

 

 

むしろ、その方が重要なこともよくあるのです。

 

 

正直なところ、ここをないがしろにし、性善説に立ち過ぎた

 

採用活動を行なっていくと、落とし穴に落ちる確率が非常に

 

高くなるのです。

 

 

そして、事が起こってから、私に相談にいらっしゃることも

 

本当に多いのです。

 

 

さらに、ご相談に対応していて思うことが「基本的なことの

 

保全さえできていれば、こんなに傷口を広げずに済んだのに・・・」

 

ということです。

 

 

本当に本当に歯がゆい思いを何度も何度もしてきたのです。

 

 

このDVDは面接、採用に関して法的に保全すべきポイントを

 

多角的に解説しています。

 

 

また、「会社の出口」である解雇に関しても「法的な保全が甘い」と

 

いうことがよくあり、結果として、トラブルになった場合は傷口を

 

広げることになります。

 

 

そこで、会社の「入口」、「出口」の両方を保全するという

 

意味から、解雇についても解説しているのです。

 

 

採用・面接の極意と戦略的解雇の方法セミナーを収録した

 

DVDです。

 

 

ご覧になってください。

 

 

 

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無断使用、無断転載を禁じます。

 

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ご注意ください。

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敢えて詳細な要件などは省略していることもございます。

 

お伝えした方法を実行する際は当社までご相談ください。

 

当社にご相談の無い状況でこの情報を利用されて生じたいかなる損害に

 

ついても、当社は賠償責任を負いません。

 

 

また、この内容は掲載日現在の法令や通達などに基づいておりますので、

 

ご注意ください。

 

 

 

■編集後記

 

 

1月17日の日経新聞に以下の記事がありました。

 

---------------------------------------------------------------------

政府は公的年金の受け取りを始める年齢について、受給者の選択で

 

70歳超に先送りできる制度の検討に入った。

 

 

年金の支給開始年齢を遅らせた人は毎月の受給額が増える制度を拡充し、

 

70歳超を選んだ場合はさらに積み増す。

 

 

高齢化の一層の進展に備え、定年延長など元気な高齢者がより働ける

 

仕組みづくりも進める方針だ。

 

 

2020年中にも関連法改正案の国会提出を目指す。

 

<以下省略>

---------------------------------------------------------------------

 

年金財政問題、高齢化社会の問題、そして、寿命の等、

 

これは複雑に絡み合う問題が浮き彫りになる記事ですね。

 

 

年金財源と雇用・・・。

 

 

個人差もあるし、考え方も異なるし・・・。

 

 

一人ひとりが自身の老後を意識していかないと厳しい時代と

 

なってきますね。


制服に着替える時間は労働時間でしょうか?  |  内部告発者の懲戒処分について

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