社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所

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60歳前後で賃金格差があるのは違法ですか?


2018年2月 6日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


 

おはようございます、社会保険労務士の内海です。

 

いつもありがとうございます。

 

 

 

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ありませんか?

 

 

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○ 正社員と契約社員で賞与に差をつけるのは違法ですか?

 

○ 制服に着替える時間は労働時間でしょうか?

 

○ ハラスメントと懲戒解雇について

 

○ 内部告発者の懲戒処分について

 

○ 外国人労働者の雇用について


 

 

 

では、今日は「60歳前後で賃金格差があるのは違法ですか?」

 

を解説します。

 

 

高年齢雇用安定法が平成24年に改定されました。

 

 

この改定で60歳の定年を迎えた後でも、継続雇用制度を行っている

 

場合、本人の希望を聞いて※65歳まで働いてもらうことになります。

 

 

※経過措置があり、老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢に

 

合わせて、継続雇用制度の対象者を限定する基準を定めることが

 

認められています。

 

 

この継続雇用についてのお問い合わせが多くあり、内容は60歳前の

 

働き方と60歳後の働き方についてです。

 

 

特に60歳後の賃金設定に苦労をしている会社がとても多くあり、

 

その中で「同一労働同一賃金」に合わせて、「賃金水準を同じに

 

しなければいけないのか?」というご相談が多いです。

 

 

なぜなら、政府が発表している「働き方改革」の柱の1つとして

 

「同一労働同一賃金」があり、このため、「どうしたらいいのか?」

 

迷っている会社が多くあるのです。

 

 

しかし、現在、同一労働同一賃金について法律で定めたものは

 

ありませんが、賃金の差異が社会通念上相当と認められなければ、

 

不法行為に該当するでしょう。

 

 

このような状況なので、「賃金の差異がどのぐらいなら許されるのか?」

 

を知りたいという意見が多いのです。

 

 

 

 

これに関する裁判があります。

 

 

<L社事件 東京地裁 平成28年8月25日>

 

 

〇 Aは他社を定年退職し、車両管理者として嘱託採用された。

 

 

〇 会社では社員も車両管理者として、同じ業務を行っていた。

 

 

〇 同じ内容の仕事をしている従業員で、Aを含む満60歳以上の者の

 

  賃金額が、満60歳に達しない者の賃金額よりも低く定められていた。

 

 

〇 Aは、同一労働同一賃金の原則によりこれは違法だとして裁判に

 

  不法行為に基づき、賃金の差額相当分及び慰謝料の支払いを請求

 

  行った。

 

 

そして、裁判所は以下の判断を行ったのです。

 

 

〇 法令に同一労働同一賃金の規定はないが、不合理な差別は

 

  不法行為になると判断した。

 

 

〇 今回の件は雇用保険、老齢年金を含めると8割程度の金額と

 

  なるので、社会通念上不相当とはいえない。

 

 

〇 さらに、60歳前の社員と60歳後の社員では異動について、

 

  配慮があり、同じ状況ではないと判断した。

 

 

〇 会社側の主張が通る。

 

 

この裁判を詳しくみていきましょう。

 

 

我が国では、ある企業において定年に達した者が同一の企業で

 

又は別の企業で雇用されることを希望する場合、賃金水準が

 

定年前のそれと比べて低く定められることは一般的です。

 

 

このことは、法で定年を迎えた者が再就職した場合、月の賃金額が

 

60歳に到達したときの賃金月額の約6割以下まで下がることを

 

想定しています。

 

 

そして、Aが基本給与、割増賃金について、満60歳に達しない者に

 

対する支給額が、嘱託社員より上回るというのであるが、これらは

 

いずれも終身雇用型の雇用制度の特徴が反映されたものなのです。

 

 

これらの差異が生じることは一定の合理性があるものというべきである

 

と裁判所は判断しています。

 

 

なぜなら、長期間の雇用と1年単位の雇用では会社が求める「働き方」が

 

異なるからなのです。

 

 

さらに、Aは会社に在職中、社員のおおむね8割程度の年収を

 

得ていたので、その具体的な金額を併せて考慮すると社員との間の

 

格差が不合理な差別であるということはできないと結論づけたのです。

 

 

また、60歳以上の者には

 

〇 異動の配慮

 

〇 手待ち時間や運転業務に従事する長さ

 

等が異なるので、同じ状況ではないと判断したのです。

 

 

 

 

類似の裁判は最近増加傾向にあります。

 

 

まず、雇用保険や老齢年金の支給等で「実質の収入」について

 

事例の裁判では言及しています。

 

 

これは、収入が8割程度であれば、定年後の収入として社会通念上

 

相当と判断しているのです。

 

 

そして、60歳前の社員と定年後の60歳超の社員の働き方を異に

 

すれば、事例の裁判のように裁判所は賃金の差等も考慮されるのです。

 

 

 

 

しかし、60歳前と後で、なんとなく同じ業務を行っていたり、

 

責任の範囲も同じであるという状況であれば、話を変わってきます。

 

 

事例の裁判では、異動、業務の時間の長さなどが「異なる」運用を

 

されていたので、「同質ではない」とされたのです。

 

 

ここがポイントとなっています。

 

 

60歳前の者と60歳超の者の処遇を明確に分けて、業務に従事させる

 

ことが、トラブル回避の第一歩です。

 

 

そのためには60歳超の再雇用時等に処遇について、詳細な説明を

 

行い、文書等で配布し、理解を求めることが第一と考えられます。

 

 

また、他社で定年を迎えた人を再雇用する場合でも、正社員と異なる

 

処遇であれば、その旨を丁寧に伝えて理解してもらいましょう。

 

 

ここまで行えば、トラブルのリスクがぐっと下がります。

 

 

 

 

また、採用についてもよくご相談をお受けします。

 

 

入社したら、すぐに出社できなくなり、実は精神疾患を

 

患っていた等のご相談を受けました。

 

 

面接で確認すべきことは人物評価などだけではなく、

 

 【法的なポイント】も重要なのです。

 

 

むしろ、その方が重要なこともよくあるのです。

 

 

正直なところ、ここをないがしろにし、性善説に立ち過ぎた

 

採用活動を行なっていくと、落とし穴に落ちる確率が非常に

 

高くなるのです。

 

 

そして、事が起こってから、私に相談にいらっしゃることも

 

本当に多いのです。

 

 

さらに、ご相談に対応していて思うことが「基本的なことの

 

保全さえできていれば、こんなに傷口を広げずに済んだのに・・・」

 

ということです。

 

 

本当に本当に歯がゆい思いを何度も何度もしてきたのです。

 

 

このDVDは面接、採用に関して法的に保全すべきポイントを

 

多角的に解説しています。

 

 

また、「会社の出口」である解雇に関しても「法的な保全が甘い」と

 

いうことがよくあり、結果として、トラブルになった場合は傷口を

 

広げることになります。

 

 

そこで、会社の「入口」、「出口」の両方を保全するという

 

意味から、解雇についても解説しているのです。

 

 

採用・面接の極意と戦略的解雇の方法セミナーを収録した

 

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ご覧になってください。

 

 

 

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ご注意ください。

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●本記事は専門的な内容を分かりやすくするため、

 

敢えて詳細な要件などは省略していることもございます。

 

お伝えした方法を実行する際は当社までご相談ください。

 

当社にご相談の無い状況でこの情報を利用されて生じたいかなる損害に

 

ついても、当社は賠償責任を負いません。

 

 

また、この内容は掲載日現在の法令や通達などに基づいておりますので、

 

ご注意ください。

 

 

 

■編集後記

 

 

中小企業のМ&Aのご相談がありました。

 

 

大手の企業買収?というイメージではなく、事業を継ぐ人が

 

いない為ということでした・・・。

 

 

しかし、その会社を買いたいという企業も出てきますね、

 

 

いろいろな話の中で労務に関するチェックを依頼され、

 

未払い残業のリスク、長時間労働のリスクなどをチェックしました。

 

 

売りの社長は「そんなものはない!」と断言されていましたが、

 

細かくみると、残業時間のカット、偏った社員の長時間労働などが

 

みえてきました。

 

 

こうなると企業価値にも影響が出てきますね。

 

 

最近のМ&Aは「労務リスク」が大問題となることが良くあると

 

弁護士さんがお話しされていました・・・。

 

 

いろんな分野で「労務」がクローズアップされています。


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