社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所

労働問題のご相談、労使トラブルのご相談なら 東京都 港区の社会保険労務士 内海正人

賞与支給はいつまでに在籍した人に支払うのでしょうか?


2018年2月13日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


 

おはようございます、社会保険労務士の内海です。

 

いつもありがとうございます。

 

 

皆さんは就業規則や雇用契約書などの作成でお困りでは

 

ありませんか?

 

 

また、未払い残業代や労務トラブルなどでお困りではありませんか?

 

 

「単発のご相談」、「顧問契約」、「作成のご依頼」、「給与計算」

 

などがございましたら、下記よりお問合せください。

 

https://www.roumu55.com/komon.html

 

 

 


 

◆「月刊 労務対策」

 

旬な労務の情報(DVD、CD、冊子)を毎月お届けします。

 

◆平成30年2月号(Vol.39)の内容

 

○ 正社員と契約社員で賞与に差をつけるのは違法ですか?

 

○ 制服に着替える時間は労働時間でしょうか?

 

○ ハラスメントと懲戒解雇について

 

○ 内部告発者の懲戒処分について

 

○ 外国人労働者の雇用について


 

 

 

では、今日は「賞与支給はいつまでに在籍した人に支払う

 

のでしょうか?」を解説します。

 

 

先日、以下の質問がありました。

 

 

「賞与支給日の前に退職した社員に対して、賞与は支払う

 

のでしょうか?」

 

 

賞与の支給についてのご質問はよくあります。

 

 

なぜなら、賞与は給与と違って、法律の制限が少ないからです。

 

 

賞与は、労働基準法で毎月の給料のように必ず支給が義務づけられて

 

いるものとは異なります。

 

 

毎月の給料は、労働者の生活のために欠かせないものと

 

みなされています。

 

 

しかし、賞与の場合は、それが支給されはじめた経緯から、

 

給与のようにみなされていないのです。

 

 

日本では古くは江戸時代に商人がお盆と年末に奉公人に配った※「仕着」

 

が由来といわれています。

 

※仕着とは奉公人に服やこずかいを渡すこと

 

 

 

また通達では「定期または臨時に、原則として労働者の勤務成績に

 

応じて支給されるものであって、その支給額が予め確定されていない

 

もの」となっています(昭和22年9月13日 発基17号)。

 

 

 

 

賞与は、毎月の賃金のように、必ず支給しなければならないもの

 

ではなく、支給要件や支給時期、算定方法等は、原則として会社が

 

自由に決めることができます。

 

 

ですから、会社の業績、各従業員の勤務期間や勤務成績に一定の

 

基準を設けて、「基準に達しない場合は賞与を支給しない」と定める

 

ことも可能です。

 

 

したがって、就業規則、賃金規定などに、賞与の支給に関する

 

具体的な定めがなければ、会社には支給の義務はありません。

 

 

以上が賞与の概要となりますが、会社が「自由に決めて良い」となると

 

冒頭の質問ですが、支給日に在籍しない社員は支給しなくても大丈夫と

 

なるのでしょうか?

 

 

 

 

これに関する裁判があります。

 

 

<東日本旅客鉄道事件 東京地裁 平成29年6月29日>

 

 

〇 賃金規定の賞与支給基準を満たす日の1日前に定年退職した

 

  元社員がいた。

 

 

〇 元社員はこれにより賞与が不支給となった。

 

 

〇 この取り扱いについて、差別的取扱いで、公序良俗に反している

 

  として、損害賠償を求めて裁判を起こしたのです。

 

 

そして、裁判所は以下の判断を下しました。

 

 

〇 賞与支給日に近い基準日等を設け、在籍を要件とすることは

 

  合理的である。

 

 

〇 賞与は将来の期待要素が含まれているので賃金と同じではない。

 

 

〇 会社の取り扱いは公序良俗に違反するとは言えない。

 

→ 会社の主張が通った。

 

 

この裁判でポイントとなるところがあります。

 

 

それは、「将来への期待という要素」についてです。

 

 

この裁判では「賞与の性質」について検証しています。

 

 

それが以下となっています。

 

 

〇 査定期間における労働に対する報償的な性質

 

 

〇 将来の労働への意欲向上

 

 

〇 将来の貢献への期待

 

 

これらの要素を併せ持つということです。

 

 

さらに、「企業は多数の従業員に対する賞与の支給事務を迅速かつ

 

画一的に行う必要がある事を踏まえると、支給日に近接した基準日

 

を設け、当該基準日に在籍していること」は合理的と認めたのです。

 

 

そして、「将来の貢献への期待」も含まれているということで、

 

単に査定期間の労働の対価ではないと判断されたのです。

 

 

 

給与は労働基準法で決まられている事柄がありますが、賞与は

 

労働基準法で決められていることがほとんどありません。

 

 

しかし、賞与を支払うことが決まっているのであれば、就業規則に

 

支給方法、支給時期、支給対象者などをルール化することをおすすめ

 

します。

 

 

原則として会社が自由に定めることができる賞与ですが、

 

あやふやにしておくとトラブル発生の原因にもなるのです。

 

 

今回の裁判で問題となった基準日に在籍していることの要件や

 

賞与の支給される日に在籍していることが要件は認められています。

 

 

関連する裁判は以下となっています。

 

 

〇 大和銀行事件(最高裁 昭和57年10月7日):支給日に

 

  在職する者のみに賞与が支給されることは正当と判断された。

 

 

〇 京都新聞事件(最高裁 昭和60年11月28日):賞与の

 

  受給権の取得につき支給日に在籍することを要件とすることは、

 

  正当と判断しました。

 

 

しかし、支給日の在籍が「合理的ではない」と判断された裁判も

 

あります。

 

 

〇 ニプロ医工事件(東京高裁 昭和59年8月28日):支給日に

 

  在籍する者に賞与を支給することは合理的であるが、支給が2カ月

 

  以上も遅延した場合は合理性が認められない。

 

 

 

 

このように、賞与支給に関するルールは就業規則(賃金規程等)で

 

定め、それに沿った支給であれば裁判も「正当」と認めています。

 

 

しかし、ルールから逸脱して、大きく遅れた場合(例:ニプロ医工事件)

 

などは異なる判断となる可能性が高いのです。

 

 

このように賞与支給について、慣習的に支給するのでは無く、

 

規定を作成して、運用することをおすすめします。

 

 

事例の裁判等でもわかるようにルール化していれば、裁判所も

 

認めざるを得ないのです。

 

 

ここを「グレー」に運用してトラブルになるより、きちんと運用し、

 

誤解の余地が無いようにするのが会社の義務と考えられます。

 

 

 

 

また、採用についてもよくご相談をお受けします。

 

 

入社したら、すぐに出社できなくなり、実は精神疾患を

 

患っていた等のご相談を受けました。

 

 

面接で確認すべきことは人物評価などだけではなく、

 

【法的なポイント】も重要なのです。

 

 

むしろ、その方が重要なこともよくあるのです。

 

 

正直なところ、ここをないがしろにし、性善説に立ち過ぎた

 

採用活動を行なっていくと、落とし穴に落ちる確率が非常に

 

高くなるのです。

 

 

そして、事が起こってから、私に相談にいらっしゃることも

 

本当に多いのです。

 

 

さらに、ご相談に対応していて思うことが「基本的なことの

 

保全さえできていれば、こんなに傷口を広げずに済んだのに・・・」

 

ということです。

 

 

本当に本当に歯がゆい思いを何度も何度もしてきたのです。

 

 

このDVDは面接、採用に関して法的に保全すべきポイントを

 

多角的に解説しています。

 

 

また、「会社の出口」である解雇に関しても「法的な保全が甘い」と

 

いうことがよくあり、結果として、トラブルになった場合は傷口を

 

広げることになります。

 

 

そこで、会社の「入口」、「出口」の両方を保全するという

 

意味から、解雇についても解説しているのです。

 

 

採用・面接の極意と戦略的解雇の方法セミナーを収録した

 

DVDです。

 

 

ご覧になってください。

 

 

 

http://www.success-idea.com/120101/

 

 

 

---------------------------------------------------------------------

本記事の著作権は株式会社日本中央研修会に帰属しておりますので、

 

無断使用、無断転載を禁じます。

 

これらの事実が発覚した場合は法的措置を取らせて頂きますので、

 

ご注意ください。

---------------------------------------------------------------------

 

--------------------------------------------------------------------

株式会社 日本中央研修会

社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所

取締役・社労士 内海正人(うつみまさと)

住所:東京都港区西新橋1-16-5 コニシビル4階

電話:03-3539-3047

 

○顧問契約、単発のご相談(就業規則、雇用契約書など)のお問合せ

https://www.roumu55.com/komon.html

 

○当社の労務関連のDVD、マニュアルなどの商品一覧

http://www.success-idea.com/utsumi.html

--------------------------------------------------------------------

 

●ご友人、知人にもこのメルマガをご紹介ください。

https://www.roumu55.com/mm/

 

 

●恵まれない方のために

 

皆さんが1クリックすると

協賛企業が慈善団体に寄付してくれます(1クリック=1円)。

 

今、自分がここにいられることに感謝し、1日1回クリックしませんか。

 

私も毎日、ワンクリックしています。 http://www.dff.jp/

 

 

●本記事は専門的な内容を分かりやすくするため、

 

敢えて詳細な要件などは省略していることもございます。

 

お伝えした方法を実行する際は当社までご相談ください。

 

当社にご相談の無い状況でこの情報を利用されて生じたいかなる損害に

 

ついても、当社は賠償責任を負いません。

 

 

また、この内容は掲載日現在の法令や通達などに基づいておりますので、

 

ご注意ください。

 

 

 

■編集後記

 

 

先週は福岡に出張でした。

 

 

全国的な寒波で九州もとても寒かったです・・・。

 

 

もっとも福岡は日本海に面しているので、東京よりも寒いのですが、

 

九州は温暖というイメージに引きずられてしまいますね。

 

 

しかし、寒くても、もつ鍋はおいしかったです。

 

 

いや、寒いからこそおいしかったのでしょう!!

 

 

しかし、晴れていても最高気温が5度は体に堪えました(笑)

 


60歳前後で賃金格差があるのは違法ですか?  |  残業は時間管理だけでは足りません?

無料でダウンロード

94%の会社が陥る
思わぬ組織の落とし穴!

『組織・人事の解決ノート』

組織・人事の解決ノート

下記にご入力頂ければ、無料レポートをお送り致します。

●お名前:

●メールアドレス:

解雇
社会保険
就業規則
労働時間
労使トラブル
その他
ノウハウを検索
弊社の運営するサイト


TOPお読み頂いた方の声お申し込みよくある質問事業理念事務所概要セミナー実績
ノウハウ |プライバシーポリシー特定商取引に関する法律に基づく表示

 私はチーム・マイナス6%です

 

社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所
社会保険労務士 内海正人

〒105-0003 東京都港区西新橋1-16-5 コニシビル4F
TEL 03-3539-3047 FAX 03-3539-3048
E-mail utsumi@j-central.jp