社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所

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業務命令違反で解雇は可能でしょうか?


2018年3月13日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


 

おはようございます、社会保険労務士の内海です。

 

いつもありがとうございます。

 

 

皆さんは就業規則や雇用契約書などの作成でお困りでは

 

ありませんか?

 

 

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○ 時間外労働の上限規制等について


 

 

 

では、今日は「業務命令違反で解雇は可能でしょうか?」

 

を解説します。

 

 

年度末に入り、いろいろな顧問先が来年度を見据えて、

 

会社の方針を立てています。

 

 

人事戦略もその一つで、異動に伴う問題のご相談をお受けする

 

ケースも増加しています。

 

 

さらに、「膿を出そうと」大胆な人事異動を行う会社があり、

 

さらなるトラブルとなっているケースも多々あります。

 

 

今までと違う会社の考え方について来られない社員も出てきて、

 

経営側と摩擦が起きていると考えられます。

 

 

そんな時、会社は「いままでと異なる方針」であることを

 

伝えて、新しい方針に従ってもらうのですが、なかなか

 

考え方を切り替えられなく、問題となる場合があります。

 

 

そんな時は「業務命令」に従ってもらうしかないのですが、

 

業務命令を守らない場合は解雇できるのでしょうか?

 

 

 

 

これに関する裁判があります。

 

 

<シリコンパワージャパン事件 東京地裁 平成29年7月18日>

 

 

〇 Aはマーケティング部門の社員で、その後、Bが同部署の部長

 

  として採用され就任した。

 

 

〇 しばらくして、Aは業務のメールにB宛てのCCを入れなく

 

  なった。

 

 

〇 これに対し、社長のCは「BにCCを入れるよう」と指示

 

  を行った。

 

 

〇 これに対しAは守らなかったため、Cは重ねて指示を出した。

 

 

〇 それも守られないので、CはAに対し「業務命令として、

 

  BにCCを入れるように、これは命令です」として伝えた。

 

 

〇 Aはこの命令も無視した。

 

→ 実際に部長のBがAのメール内容を把握していないため、

 

  2度手間の状況が発生した

 

 

→ 製品とパッケージの相違という問題が発生し、

 

  メールでの情報共有が出来ていないため、損害となった

 

 

〇 Aがこれを改めなので、会社はAを解雇した。

 

 

〇 Aは解雇の無効を主張して、裁判を起こした。

 

 

そして、裁判所は以下の判断を下しました。

 

 

〇 業務に関するメールのCCに必ず上司Bを入れるという指示は

 

  不合理ではない。

 

→ 業務の内容、進捗の確認のため必須である

 

 

〇 AはCCに対し、Cからの「命令」を命令と思っていなかった

 

  と主張するも、Cからの指示には「これは命令です」と表現

 

  されていた。

 

 

〇 代表取締役社長を含めて従業員20名弱という小規模の会社

 

  では、解雇以外の手段をとることは困難と考えられる。

 

 

〇 解雇は有効である。

 

 

この裁判を詳しくみていきましょう。

 

 

この事件は電子メールのCCに上司のメールアドレスを入れる

 

決まりがあり、さらに、社長から指示、命令をしてもCCを入れずに

 

メールを送信し続け、会社が実害を受けたものです。

 

 

そして、やむなく解雇したのです。

 

 

裁判の争点は解雇が「客観的、合理的理由に欠き、社会通念上

 

相当である」と認められるか?認められないか?という点でした。

 

 

単に「業務関連のメールには上司にもCCを入れる」ということ

 

ですが、これができないと解雇になるということです。

 

 

この事例では、CCを入れていないことで実害が発生しており、

 

会社としても社長から命令ということで、危機感があったのでしょう。

 

 

そして、裁判所は

 

〇 業務上の指示、命令違反を繰り返したAに対し、社長自らが

 

  命令等を行い、是正を試みている。

 

 

〇 Aは注意、命令されても「様子をみる」とし、指示等に

 

  全く従わなかった。

 

 

〇 Aに対し、指導や教育について、解雇するには不十分とは

 

  考えられない。

 

 

〇 会社が従業員20人弱という小規模な会社であるので、

 

  解雇以外の手段は困難である。

 

 

〇 解雇を濫用したとは認められない。

 

と判断したのです。

 

 

この裁判で特筆することは、会社の規模が従業員20人弱なので

 

解雇以外の手段がないと判断したことです。

 

 

事例の裁判は、解雇に至る経緯の中で、指導、命令等を繰り返し、

 

その中で解決しようとする姿勢も認識していますが、それが厳しい

 

となると、会社の規模もみて、解雇やむなしとしたのです。

 

 

逆を言えば、大手の企業や複数の拠点がある場合、「人事異動等

 

を実施して、様子をみることを実施せよ」とも考えられます。

 

 

今回の事例の裁判では、会社規模が考慮された結果となり、

 

小規模の会社にとっては「同様の場合、解雇もやむなし」と

 

なる可能性が出てきました。

 

 

しかし、その他の会社では「安易に解雇は厳しい」とも

 

言われているものではないでしょうか?

 

 

 

 

従業員を解雇することは容易ではありませんし、ハードルは高い

 

のです。

 

 

しかし、手段を尽くし、真剣に問題と向き合っても解決が

 

できなければ、解雇を実施することは有効と考えられます。

 

 

もし、皆さんの会社で解雇を検討せざるを得ない事情が

 

発生した場合、まずは労働法に強い弁護士や社労士にご相談

 

ください。

 

 

解雇の問題は当事者間で行うと「感情」が入り込んで、

 

うまくいくものもうまくいかなくなるケースをみている

 

からです。

 

 

冷静に進めることがまずは第一歩となるのです。

 

 

 

 

また、採用についてもよくご相談をお受けします。

 

 

入社したら、すぐに出社できなくなり、実は精神疾患を

 

患っていた等のご相談を受けました。

 

 

面接で確認すべきことは人物評価などだけではなく、

 

【法的なポイント】も重要なのです。

 

 

むしろ、その方が重要なこともよくあるのです。

 

 

正直なところ、ここをないがしろにし、性善説に立ち過ぎた

 

採用活動を行なっていくと、落とし穴に落ちる確率が非常に

 

高くなるのです。

 

 

そして、事が起こってから、私に相談にいらっしゃることも

 

本当に多いのです。

 

 

さらに、ご相談に対応していて思うことが「基本的なことの

 

保全さえできていれば、こんなに傷口を広げずに済んだのに・・・」

 

ということです。

 

 

本当に本当に歯がゆい思いを何度も何度もしてきたのです。

 

 

このDVDは面接、採用に関して法的に保全すべきポイントを

 

多角的に解説しています。

 

 

また、「会社の出口」である解雇に関しても「法的な保全が甘い」と

 

いうことがよくあり、結果として、トラブルになった場合は傷口を

 

広げることになります。

 

 

そこで、会社の「入口」、「出口」の両方を保全するという

 

意味から、解雇についても解説しているのです。

 

 

採用・面接の極意と戦略的解雇の方法セミナーを収録した

 

DVDです。

 

 

ご覧になってください。

 

 

 

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ご注意ください。

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敢えて詳細な要件などは省略していることもございます。

 

お伝えした方法を実行する際は当社までご相談ください。

 

当社にご相談の無い状況でこの情報を利用されて生じたいかなる損害に

 

ついても、当社は賠償責任を負いません。

 

 

また、この内容は掲載日現在の法令や通達などに基づいておりますので、

 

ご注意ください。

 

 

 

■編集後記

 

 

先日、神奈川県の先端、三浦で行われた三浦国際市民マラソンに

 

参加しました。

 

 

3月上旬でしたが、早桜の河津桜が満開の中、マラソン大会が

 

行われ、桜まつりと重なり、多くの人が集まっていました。

 

 

大会当日も20度近く気温が上がり、まさに春を感じましたが、

 

その後は寒い日も多いですね(笑)

 

 

三浦は大根が有名で、今回も参加賞として大根がプレゼント

 

されました。

 

 

野菜の高騰で、大根をもらえるのはとてもうれしかったですが、

 

沿線の電車では、大根の忘れ物が多いとお話しされていました(笑)

 

 

段々と春めいてくるのでしょうね。


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