社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所

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待機時間は労働時間でしょうか?


2018年5月15日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


 

おはようございます、社会保険労務士の内海です。

 

いつもありがとうございます。

 

 

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では、今日は「待機時間は労働時間でしょうか?」を

 

解説します。

 

 

労働時間か否か?

 

 

この問題は、

 

〇 休憩時間と思われる時間

 

〇 待機時間

 

〇 緊急対応時間

 

などで問題となるケースが多いです。

 

 

なぜなら、「業務は行っていないが、時間的に拘束されている

 

ため、これは労働時間ではないか?」と考える人が多いからです。

 

 

このため、過去の裁判をみると多くの事例があるのです。

 

 

そして、最高裁等の裁判所の判断は以下となっています。

 

----------------------------------------------------------------------

不活動時間であっても、労働からの解放が保障されていない

 

場合には、労働基準法上の労働時間に当たる。

 

 

そして、当該時間において、労働契約上の役務の提供が義務

 

付けられていると評価される場合には、労働からの解放が保障

 

されているとはいえず、労働者は使用者の指揮命令下に置かれて

 

いるというのが相当である。

----------------------------------------------------------------------

 

 

最高裁の判断で「大星ビル管理事件 平成14年2月28日」では、

 

仮眠時間が「労働時間に当たるか?」と争われた裁判です。

 

 

この裁判では、

 

〇 仮眠中でも呼び出しがあれば出動しなければならない

 

〇 仮眠中の待機場所も決まっている

 

等の前提となっていました。

 

 

そして、仮眠時間中は不活動仮眠時間も含めて会社の指揮命令下に

 

置かれているものであり、仮眠時間は労基法上の労働時間に当たる

 

と判断されたのです。

 

 

つまり、「労働から解放されていない」「使用者からの指揮命令下

 

に置かれている」となったのです。

 

 

仮眠の時間は「業務に従事していない時間」ですが、

 

呼び出しがあれば、対応しなければならないという、待機時間

 

なのです。

 

 

しかし、緊急対応といっても、そのような場面がほとんどなく、

 

「念のため」と持たされた携帯電話等がある場合、これは労働時間

 

としてカウントされるのでしょうか?

 

 

 

 

これに関する裁判があります。

 

 

<都市再生機構事件 東京地裁 平成29年11月10日>

 

 

〇 Aは総務課長(非管理職)で、総務、経理業務以外に

 

  特定公園施設の運営管理を担当していた。

 

→ 運営管理業務には事故対応の連絡、調整業務も含む

 

 

〇 会社からAに対し、携帯電話が渡され「事故等があったら

 

  連絡を受けるように」と指示された。

 

→ 施設関係者の連絡網にAの自宅と携帯電話の番号が記載されていた

 

→ 社内のマニュアルには連絡があって3時間ぐらいに現地集合と記載

 

  があった

 

 

〇 Aは休日には貸与された携帯電話を持ち歩いていた。

 

 

〇 Aは休日で待機していた時間が労働時間に当たるとして、

 

  会社に対し、時間外手当の支払いを請求し、裁判を起こした。

 

 

そして、裁判所は以下の判断を行ったのです。

 

 

○ Aはこの業務を担当していても、休日は労働から解放されていた。

 

 

〇 休日について、会社の指揮命令下にあったとはいえない。

 

 

〇 Aの主張する時間外労働は、労働時間とはいえない。

 

→ 会社側勝訴

 

 

この裁判を詳しくみていきましょう。

 

 

まず、「事故等の連絡があった場合、3時間程度で、現地に到着する」

 

とマニュアルに記載してあったのですが、これは、規定等でもなく、

 

「目安」としての記載と判断されました。

 

 

そして、携帯電話の貸与について、連絡があるのは事故等の場合のみ

 

であり、利用者からの問い合わせ等の通常発生するものでありません。

 

 

さらに、連絡の頻度ですが、3年間で1度も事故等は発生しておらず、

 

これでは「待機が必要」とは言えないと判断したのです。

 

 

また、Aは実際に休日に常に待機していたわけではなく、外出なども

 

しており、自宅待機というようなものではなかった。

 

 

携帯電話は自由に移動できるので、冒頭の大星ビル管理事件の

 

仮眠時間とは大きく要素が異なると判断されています。

 

 

以上により、休日の携帯電話を持っていた時間は労働時間では無いと

 

判断されたのです。

 

 

 

 

事例の裁判では上記のような判断がでましたが、頻度が高かったら

 

どのような判断となったのでしょうか?

 

 

また、マニュアルでの記載が規定類で決められていたらどう判断

 

されたのでしょうか?

 

 

もし、頻繁に起こることで、規定に待機のルールが定められていたら、

 

労働時間と判断されてしまうかもしれません。

 

 

類似の事例で、待機時間がトラブルとなる可能性は、かなり高いです。

 

 

具体的には、頻度やルール化ではっきりさせるのか?それとも、

 

ボランティア的に対応するのかで労働時間の考え方が異なります。

 

 

しかし、現実的にはケースバイケースの対応となることが予想

 

されます。

 

 

また、事例の裁判のAは非管理職で「残業代、休日出勤手当」が免除

 

になるポジションではなかった為、裁判となったのでしょう。

 

 

しかし、この業務を管理、監督者であるポジションの者が行えば

 

何の問題も発生しなかったのではないでしょうか?

 

 

 

 

最近、労働時間制に関する問題が多く、裁判となっているケースを

 

見受けられます。

 

 

労働者側の主張としては「拘束されている時間は労働時間」

 

「待機時間は労働時間」と主張されるケースが多いです。

 

 

しかし、本質を考えるとこの裁判と同様で、労働時間では無いと

 

判断される場合もあるのです。

 

 

労働者側が「訴えれば労働時間と認められる」と言った風潮がある

 

のも事実ですが、本質をつく判断も多く出ていますので、

 

会社として、間違った主張には正面から戦うべきでしょう。

 

 

「面倒くさいから、金銭解決してしまえ」となると、同じような

 

事象で複数の問題を抱えることとなるのです。 

 

 

 

 

また、採用についてもよくご相談をお受けします。

 

 

入社したら、すぐに出社できなくなり、実は精神疾患を

 

患っていた等のご相談を受けました。

 

 

面接で確認すべきことは人物評価などだけではなく、

 

【法的なポイント】も重要なのです。

 

 

むしろ、その方が重要なこともよくあるのです。

 

 

正直なところ、ここをないがしろにし、性善説に立ち過ぎた

 

採用活動を行なっていくと、落とし穴に落ちる確率が非常に

 

高くなるのです。

 

 

そして、事が起こってから、私に相談にいらっしゃることも

 

本当に多いのです。

 

 

さらに、ご相談に対応していて思うことが「基本的なことの

 

保全さえできていれば、こんなに傷口を広げずに済んだのに・・・」

 

ということです。

 

 

本当に本当に歯がゆい思いを何度も何度もしてきたのです。

 

 

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また、「会社の出口」である解雇に関しても「法的な保全が甘い」と

 

いうことがよくあり、結果として、トラブルになった場合は傷口を

 

広げることになります。

 

 

そこで、会社の「入口」、「出口」の両方を保全するという

 

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ご注意ください。

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敢えて詳細な要件などは省略していることもございます。

 

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ついても、当社は賠償責任を負いません。

 

 

また、この内容は掲載日現在の法令や通達などに基づいておりますので、

 

ご注意ください。

 

 

 

■編集後記

 

 

前回の編集後記でウルトラトレイルマウントフジ、168キロを完走

 

した件を書きましたが、質問がかなりありました(汗)

 

 

〇 2日間寝無いで走るのはどんな感じですか?

 

 

〇 走り終わった後は動けないのですか?

 

 

〇 どのぐらい休めば回復できましたか?

 

等等・・・。

 

 

私も2日間の徹夜は初めてでしたが、人間は予想以上に大丈夫なのかな?

 

と感じました。

 

 

私以外の人も平然と走っていましたから!

 

 

走り終わった後は、まだ興奮していたのでしょう。

 

 

とても元気でしたが、緊張が途切れた帰りのバスでは疲れが

 

どっと押し寄せました・・・。

 

 

寝るしかありませんでした。

 

 

そして、翌日には普通の生活を送っていましたが、

 

レース中に転んで打った腰はまだまだ痛みます。

 

 

こんな感じで通常営業に戻っています。

 

 

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