社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所

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諸手当を残業代に充当できますか?


2018年6月19日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


 

おはようございます、社会保険労務士の内海です。

 

いつもありがとうございます。

 

 

皆さんは就業規則や雇用契約書などの作成でお困りでは

 

ありませんか?

 

 

また、未払い残業代や労務トラブルなどでお困りではありませんか?

 

 

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今まで、私のメルマガなどで取り上げた題材も多く

 

含まれています。

 

 

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では、今日は「諸手当を残業代に充当できますか?」を

 

解説します。

 

 

労働時間の管理についての問い合わせが増えています。

 

 

「今さら?」とお思いの方も多くいらっしゃると思いますが、

 

働き方改革法案の波が本格化しそうな気配で、労働時間管理が

 

注目されています。

 

 

このような状況下で、中小企業の方々から、「残業の支払い」に

 

ついてのお問い合わせも合わせて増えております。

 

 

中小企業の中には残業の支払いについて、法律通りの支払い

 

ができていない会社がまだまだ多いのも事実です。

 

 

しかし、法改正やコンプライアンス意識の高まり等で、

 

中小企業といえども、時間管理、残業代支払いについて、

 

無視できない状況となってきたのです。

 

 

先日も、あるお客様からのご依頼で幹部研修を実施

 

させていただきました。

 

 

そこで労務管理の問題が議論となり、

 

「ちゃんとした残業代の支払いを早急に対応しないといけない」と

 

議論が白熱したのです。

 

 

残業代を支払うことは法律で決まっています。

 

 

しかし、今まで支払ったことが無い会社が「支払う」となると

 

資金繰りをはじめ、いろいろな事を考えないといけません。

 

 

そこで、経済的なダメージを抑えるために、「手当を廃止して、

 

その分、残業手当に振り替える」という事があります。

 

 

実際にこのような事は、かなりの数を現場で対応したことが

 

あります。

 

 

しかし、そもそも手当を廃止することは会社の方針とはいえ、

 

勝手にできるわけではありません。

 

 

そして、しかるべき手続きを行わないと法律的にも「無効」と

 

なってしまうのです。

 

 

 

 

これに関する裁判があります。

 

 

<サンフリード事件 長崎地裁 平成29年9月14日>

 

 

〇 会社は未払い残業等の支払いについて、労働基準監督署から

 

  勧告、指導を受けた。

 

 

〇 会社は「全社員の残業代を清算すれば経営が圧迫される」と考え、

 

  現状の支給額を保ちつつ、基本給以外の手当を残業代相当の支給

 

  とし、これを固定残業代として支払う方針とした。

 

→ 設定残業時間を超えた分に関しては、本人、部門長より

 

  申請が上がった場合に清算する

 

 

〇 固定残業代の支払いを制度化して就業規則、給与規定を作り、

 

  労働基準監督署へ届け出た。

 

→ 就業規則提出の際に必ず添えなければならない従業員代表の

 

  意見書も添付されていた

 

→ 会社は固定残業手当の支払いを開始した

 

 

〇 5人の社員が労働組合を結成し、会社に「未払い残業の支払いを

 

  求めて団体交渉」に及んだが妥結に至らなかった。

 

 

〇 その後、社員は裁判を起こした。

 

 

そして、裁判所は以下の判断をしたのです。

 

 

〇 就業規則の変更は、労働者の不利益に労働条件を変更する

 

  ものになっている。

 

 

〇 就業規則の変更手続に問題がある。

 

 

〇 固定残業手当の有効要件を満たしていない。

 

→ 社員への説明等をし尽くしたかが疑問

 

 

〇 労働者の残業代請求を認めた。

 

 

この裁判を詳しくみていきましょう。

 

 

まず、就業規則が変更される前の手当について、

 

「固定的な割増賃金として支給する」といった定めがありません。

 

 

そのため、手当は残業手当として支給されたものではなく、

 

割増賃金の基礎となる賃金に算入されると判断したのです。

 

 

その結果、残業代の単価が高くなり、残業代の金額が増額します。

 

 

だから、単に手当を固定残業としてスライドするだけでは、

 

未払いの残業を支払ったことにはならないのです。

 

 

次に、会社は就業規則の変更に際して全従業員から就業規則の

 

変更について同意を得たと主張しました。

 

 

しかし、労基署に提出された労働者代表の意見書は挙手や投票で

 

適法に選任された者ではない者が署名押印したもので、労働条件の

 

変更に同意したとはいえないと判断されたのです。

 

 

労働者の残業代を削減するためだけに、労働者代表を適当に選出し

 

意見を聞いた形にしたのです。

 

 

そして、これまで支給してきた手当をそのまま固定残業手当に

 

してしまうといった付け焼き刃的な対応をしていたのでは後から

 

多額の残業代請求のしっぺ返しを受けたことになったのです。

 

 

 

 

では、手当を廃止し、固定残業制度を導入する場合のプロセスを

 

どのようにすれば良いのかをみていきましょう。

 

 

〇 給与制度が変わる事を社員に説明する。

 

→ 該当者全員が説明を受ける機会を設ける

 

 

〇 労働条件が不利益な変更となる場合、個別に承諾をもらう。

 

→ 手当を廃止する理由を説明する

 

→ 固定残業制度の導入の経緯を説明し、固定部分は何時間か

 

  残業代はいくらかを明示する

 

→ 固定部分を超えた清算についても説明を行う

 

→ 以上説明をし、理解を得た後に承諾書をもらう

 

 

〇 就業規則等の変更が伴う場合、労働基準監督署に届ける際に

 

  従業員代表等の意見をもらうが、その選任方法を明確に実施する。

 

→ 選挙、挙手等で選任し、適法な選任方法で選ばれたエビデンスを

 

  残す

 

 

〇 変更した就業規則等を労働基準監督署に提出し、運用開始する。

 

 

以上のプロセスを守って、厳格に運用する必要があります。

 

 

 

 

給与制度の変更は、固定残業制度のような大きな変更でなくても、

 

社員にとってはナーバスな問題となります。

 

 

まして、「労働条件が下がるのでは?」という印象の変更は

 

トラブルが発生する可能性が高くなります。

 

 

よって、法律で守らなければならないことはもちろん、

 

社員の立場にたって、問題となると予想されるポイントは、

 

徹底的に解消するべきでしょう。

 

 

このような変更を行う場合、プロジェクトを立ち上げ、異なる立場の

 

人の意見を吸い上げ、議論を重ね、方向性を出すべきです。

 

 

「付け焼き刃的な対応」で乗り切れるものではありません。

 

 

該当される会社は、ここをキモに命じて行動を起こして下さい。

 

 

 

 

また、採用についてもよくご相談をお受けします。

 

 

入社したら、すぐに出社できなくなり、実は精神疾患を

 

患っていた等のご相談を受けました。

 

 

面接で確認すべきことは人物評価などだけではなく、

 

【法的なポイント】も重要なのです。

 

 

むしろ、その方が重要なこともよくあるのです。

 

 

正直なところ、ここをないがしろにし、性善説に立ち過ぎた

 

採用活動を行なっていくと、落とし穴に落ちる確率が非常に

 

高くなるのです。

 

 

そして、事が起こってから、私に相談にいらっしゃることも

 

本当に多いのです。

 

 

さらに、ご相談に対応していて思うことが「基本的なことの

 

保全さえできていれば、こんなに傷口を広げずに済んだのに・・・」

 

ということです。

 

 

本当に本当に歯がゆい思いを何度も何度もしてきたのです。

 

 

このDVDは面接、採用に関して法的に保全すべきポイントを

 

多角的に解説しています。

 

 

また、「会社の出口」である解雇に関しても「法的な保全が甘い」と

 

いうことがよくあり、結果として、トラブルになった場合は傷口を

 

広げることになります。

 

 

そこで、会社の「入口」、「出口」の両方を保全するという

 

意味から、解雇についても解説しているのです。

 

 

採用・面接の極意と戦略的解雇の方法セミナーを収録した

 

DVDです。

 

 

ご覧になってください。

 

 

 

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無断使用、無断転載を禁じます。

 

これらの事実が発覚した場合は法的措置を取らせて頂きますので、

 

ご注意ください。

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●本記事は専門的な内容を分かりやすくするため、

 

敢えて詳細な要件などは省略していることもございます。

 

お伝えした方法を実行する際は当社までご相談ください。

 

当社にご相談の無い状況でこの情報を利用されて生じたいかなる損害に

 

ついても、当社は賠償責任を負いません。

 

 

また、この内容は掲載日現在の法令や通達などに基づいておりますので、

 

ご注意ください。

 

 

 

■編集後記

 

 

先日、RPA(ロボテック、プロセス、オートメーション)の

 

セミナーに参加しました。

 

 

RPAとは、バックオフィスにおけるホワイトカラー業務など、

 

これまで私たち人間が手作業で行ってきたルーティンの仕事を、

 

AIなどの認知技術を取り入れたロボットに代行してもらうことです。

 

 

そして、これにより業務の大部分における自動化や効率化を図る

 

取り組みを指す言葉です。

 

 

セミナーでは、具体的にRPAを使って自動化する様子が紹介され

 

今後の業務の効率化につながる期待が持てました。

 

 

しかし、まだまだ素人が「すぐに使える」ものではありませんね。

 

 

感想としては、エクセルのマクロを組む感じでしたが・・・(汗)。

 

 

でも、数か月後にはすぐに使えるものになっているかもしれませんね。

 

 

 

 

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