社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所

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定年後再雇用の給与は、定年前の水準よりいくら下げられますか?


2018年7月10日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


 

おはようございます、社会保険労務士の内海です。

 

いつもありがとうございます。

 

 

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ありませんか?

 

 

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○ 精神疾患の発症と会社の責任について

 

○ 諸手当を残業代に充当できますか?

 

○ 過酷な研修は問題ですか?

 

○ 働き方改革関連法案の概要


 

 

 

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今日は「定年後再雇用の給与は、定年前の水準よりいくら

 

下げられますか?」を解説します。

 

 

ほとんどの会社で、定年をむかえた社員を再雇用します。

 

 

高年齢者法が改正になり、定年延長、定年廃止、65歳までの

 

雇用延長のうち、どれかを選択して運用することが義務付けられて

 

います。

 

 

そして、多くの中小企業は「雇用延長」の措置を選択していますが、

 

再雇用時の労働条件、特に「給与をいくらにするか?」で頭を抱える

 

社長が多いです。

 

 

社員数が多い大企業の場合、定年後再雇用の社員については、

 

職種を変えたり、関連会社へ異動して対応したり、変化をつける

 

ことで給与をダウンさせて、労働条件が大幅に変わります。

 

 

しかし、中小企業などでは

 

〇 異動ができない

 

〇 業務を変更できない

 

ことがあります。

 

 

なぜなら、ぎりぎりの人数での対応を行っているので、

 

定年前の業務と再雇用後の業務に差異が無く、結果、

 

定年前後で同じ仕事をしている場合が多く見受けられます。

 

 

しかし、毎月の給与などは、定年後は大きく下がっているので、

 

これについて問題になるケースが見受けられます。

 

 

会社側も定年後の給与を下げる事が「果たして良いことなのか?」

 

もやもやしながら再雇用の金額を決めているケースが多かったのです。

 

 

 

 

そんな中、平成28年5月、東京地裁で衝撃の判断があったのです。

 

 

<長澤運輸事件 東京地裁 平成28年5月13日>

 

 

〇 会社を20~34年間、正社員でトラックのドライバーとして

 

  勤務した3人が定年を迎えた。

 

 

〇 60歳の定年を迎え、1年契約の嘱託社員として再雇用されたが、

 

  仕事内容は正社員時代と同じで給料は2割前後減らされた。

 

→ 退職金は支給されていた。

 

→ 運転手らは賃下げに同意していた(会社側の意見)。

 

 

〇 嘱託社員3人は「給料が減ったのは違法」として、正社員の時に

 

  もらっていた給料との差額を請求するため裁判を起こした。

 

 

そして、会社側は「定年後も同じ賃金で再雇用する義務はない」とし、

 

退職金の支払いも実施しているので、違法ではないと主張しましたが、

 

裁判所の判断は以下となったのです。

 

 

〇 会社の経営状況は悪くなく、賃金を抑える合理性はなかった。

 

 

〇 再雇用が年金をもらえる時期までのつなぎだとしても、

 

 「嘱託社員の給料を下げる理由にはならない」とも指摘。

 

 

〇「その他の事情」がない限り、同じ業務内容にも関わらず、

 

  賃金格差を設けることは不合理。

 

 

〇 嘱託社員3人の主張を全面的に認め、会社側にそれぞれ約100~

 

  200万円を支払うよう命じた。

 

 

→ 会社側は敗訴となった。

 

 

「この地裁の判断」から言えることは、同じ業務であれば、

 

同じ給料の支払いを行わないといけないというものだったのです。

 

 

 

 

この報道が出たときは、多くの会社から私どものところにも

 

問い合わせがありました。

 

 

それは、

 

〇 定年をむかえたので退職金を支払ったのですが、それでも

 

  正社員と同じ給与水準で無ければダメなのですか?

 

 

〇 定年後は1年区切りの有期契約社員(更新有り)ですが、

 

  定年前の水準の給与となると、正社員と契約社員の差が

 

  なくなってしまうのですが?

 

 

〇 在職老齢年金ももらいたいとのことで、ご本人の希望で

 

  給与額を設定したのですが、これでもダメなのですか?

 

等のご相談をお受けしました。

 

 

その後、裁判が上告されるとのことでしたので、皆さんには

 

「裁判の行方をみてから判断しましょう」と回答いたしました。

 

 

それから高裁では、地裁の判断がほとんど覆り、会社側の主張が

 

通り、その後、裁判は最高裁へと判断の場が移ったのでした。

 

 

 

そして、平成30年6月1日、最高裁が判断を下したのです。

 

 

それは、以下となっています。

 

 

〇 労働契約法20条※の対象となるか?

 

※ 労働契約法20条とは:有期労働契約者の労働条件が、

 

  期間の定めがあるという理由により、無期労働契約者の

 

  労働条件と相違する場合に、業務内容や当該職務の内容

 

  及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と

 

  認められるものであってはならない。

 

 

→ (定年後の)高年齢者も対象となるが、在職老齢年金等の

 

  措置もあり、無期雇用から短期雇用に変わった等、労働契約法

 

  20条の「その他の事情」に該当する

 

 

〇 「その他の事情」として高年齢者であることを考慮し得るか?

 

 

→ 労働者の賃金に関する労働条件は、労働者の職務内容及び変更範囲

 

  により一義的に定まるものではなく、使用者は、雇用及び人事の

 

  観点から、労働者の職務内容及び変更範囲にとどまらない様々な

 

  事情を考慮して、労働者の賃金に関する労働条件を検討するもの

 

  ということができる。

 

 

→ また、労働者の賃金に関する労働条件の在り方については、

 

  基本的には団体交渉等による労使自治に委ねられるべき部分が

 

  大きい。

 

 

この判決により、定年後再雇用者の賃金の在り方について、

 

労働契約法20条の「その他の事情」に該当することが明らかに

 

なったのです。

 

 

最高裁の判断では、定年後再雇用者の賃金について、正社員と異なる点

 

で、再雇用者は有期契約労働者で、かつ、老齢年金等の支給もあり、

 

労使自治に委ねられる部分があるとしています。

 

 

さらに、個別に賃金項目を検証し、総額のダウンは結果として容認、

 

ただし、精勤手当についての差異を不合理と判断しました。

 

 

 

 

この判決を踏まえ、定年後再雇用制度を設けている会社では、

 

定年後再雇用者の労働条件の設定がどのような考えでなされ、

 

どんな目的で設定したのかを見直す必要があるかもしれません。

 

 

また、本件は年収ベースで2割減となっていました。

 

 

こうなると「2割減なら法的に大丈夫!」と数字が一人歩きする

 

ことがあります。

 

 

しかし、数字ありきで減額するのではなく、最高裁は、

 

個別の手当毎に合理性を検証していたので、賃金項目ごとに

 

検証する必要があるでしょう。

 

 

 

 

定年前と後の労働条件の違いは、職務分担等を書面化し、正社員と

 

定年後の再雇用者の違いについて説明し、その説明を理解した旨の

 

同意をもらい、再雇用契約の締結を行うことが重要です。

 

 

ただし、それだけではなく、労使での話し合い、賃金項目の検証

 

などが必要になってくると考えられます。

 

 

これについて不安な要素があれば、専門家にお問い合わせすること

 

をおすすめします。

 

 

 

 

また、採用についてもよくご相談をお受けします。

 

 

入社したら、すぐに出社できなくなり、実は精神疾患を

 

患っていた等のご相談を受けました。

 

 

面接で確認すべきことは人物評価などだけではなく、

 

【法的なポイント】も重要なのです。

 

 

むしろ、その方が重要なこともよくあるのです。

 

 

正直なところ、ここをないがしろにし、性善説に立ち過ぎた

 

採用活動を行なっていくと、落とし穴に落ちる確率が非常に

 

高くなるのです。

 

 

そして、事が起こってから、私に相談にいらっしゃることも

 

本当に多いのです。

 

 

さらに、ご相談に対応していて思うことが「基本的なことの

 

保全さえできていれば、こんなに傷口を広げずに済んだのに・・・」

 

ということです。

 

 

本当に本当に歯がゆい思いを何度も何度もしてきたのです。

 

 

このDVDは面接、採用に関して法的に保全すべきポイントを

 

多角的に解説しています。

 

 

また、「会社の出口」である解雇に関しても「法的な保全が甘い」と

 

いうことがよくあり、結果として、トラブルになった場合は傷口を

 

広げることになります。

 

 

そこで、会社の「入口」、「出口」の両方を保全するという

 

意味から、解雇についても解説しているのです。

 

 

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無断使用、無断転載を禁じます。

 

これらの事実が発覚した場合は法的措置を取らせて頂きますので、

 

ご注意ください。

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●本記事は専門的な内容を分かりやすくするため、

 

敢えて詳細な要件などは省略していることもございます。

 

お伝えした方法を実行する際は当社までご相談ください。

 

当社にご相談の無い状況でこの情報を利用されて生じたいかなる損害に

 

ついても、当社は賠償責任を負いません。

 

 

また、この内容は掲載日現在の法令や通達などに基づいておりますので、

 

ご注意ください。

 

 

 

■編集後記

 

 

働き方改革関連法案が成立し、会社は来年4月以降、

 

労働時間規制の見直しや非正社員の待遇改善などで

 

様々な対応を迫られことちなります。

 

 

しかし、「具体的にどのように対処したら良いのか?」

 

分からない社長や担当者が多く、ご相談をお受けします。

 

 

ただ、まだ漠然としている部分が多いので「どうしたらよいか

 

わからない」と言う意見が多いですね。

 

 

ただ、残業規制などはすぐに動く必要があると思います。

 

 

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