社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所

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中途入社の管理職を解雇するには?


2018年7月17日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


 

おはようございます、社会保険労務士の内海です。

 

いつもありがとうございます。

 

 

皆さんは就業規則や雇用契約書などの作成でお困りでは

 

ありませんか?

 

 

また、未払い残業代や労務トラブルなどでお困りではありませんか?

 

 

 


 

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今日は「中途入社の管理職を解雇するには?」を解説します。

 

 

先日、「幹部社員(管理職)を採用するにあたってのポイントを

 

教えて下さい」とご相談がありました。

 

 

幹部社員を中途採用するにあたって、「経営の一部を担ってもらう

 

人材を採用する為に、高額の報酬を支払う予定」とのことです。

 

 

その際に、「期待外れのリスクもあるので、どのような対応を

 

したら良いでしょうか?」とのことでした。

 

 

確かに、採用時の面接、筆記試験等を実施しても、その人のことが

 

すべてわかる訳ではありません。

 

 

しかも、面接時間も限られているし、仮に筆記試験等を実施しても

 

本当の業務能力まではわからないでしょう。

 

 

私の知り合いに大手企業の人事部で管理職をしている者が

 

おりますが、数千人以上の人を採用面接していますが、

 

結局は「仕事をしてもらわないと分からない」とのことでした。

 

 

中小企業の場合、管理職の採用を失敗して、経営そのものが

 

揺らぐことも大いに考えられます。

 

 

よって、採用は慎重にならざるを得ません。

 

 

 

 

仮に、採用した幹部社員が期待していた業務をこなせなかった

 

場合はどのように対応すれば良いのでしょうか?

 

 

業務ができないから即解雇という訳にはいかないと思いますが・・・。

 

 

 

 

これに関する裁判があります。

 

 

<×保険会社事件 東京地裁 平成30年2月2日>

 

 

〇 学校法人を主たる顧客とする保険代理店で営業を強化する

 

  ために営業部長を中途採用した。

 

 

〇 学校法人を主たる顧客とするため、保護者からのクレーム

 

  は慎重に対応すべきなのに営業部長は反対の対応を行った。

 

 

〇 部長はガイダンスでも説明は不十分であった。

 

 

〇 宛名書きにも十分な注意を払わなかった。

 

→ 1つひとつの事は小さなビジネス違反であったが、

 

  回数は多く、顧客に対する意識が低くかった

 

 

〇 部長は社内でも、自分の気持ちが害されたら周囲に当たったり、

 

  不快な気持ちを蔓延させていた。

 

 

〇 会社からの指導で改善の兆しもみえてこない状況であった。

 

→ 業務能力の向上も見込めない

 

 

〇 部長はメールを私用アドレスに転送する等、情報管理の

 

  意識も低い。

 

 

〇 部長は会社の指示に従わないだけでなく、会社に取り返しのつかない

 

  損失を与えかねない態度であった。

 

 

〇 会社は部長を解雇し、部長は「不当解雇」として裁判所に

 

  訴えた。

 

 

そして、裁判所は以下の判断を下したのです。

 

 

〇 本件、解雇を有効である。

 

→ 会社側の主張が通り、勝訴した。

 

 

この裁判を詳しくみていきましょう。

 

 

この部長が雇用時に予定された能力を有していないのは明らかです。

 

 

そして、これを改善しようともせず、勤務態度が不良であると

 

いうことは解雇について「客観的、合理的な理由」があると

 

言えます。

 

 

そして、解雇の要素として社会通念上相当と考えられるかという点

 

についてです。

 

 

会社は従業員6名で、そのうち、社員5名から部長を辞めさせる

 

ように嘆願書が出ています。

 

 

このような状態で、これ以上勤務態度や能力の改善を待つ余裕が

 

無かったと認められます。

 

 

つまり、裁判所は「社会通念上認められる」と判断されたのです。

 

 

この裁判で注目されるポイントとして、

 

会社がどの程度、該当する従業員に対して、「勤務態度改善のため、

 

能力向上の教育指導を実施するか」ということです。

 

 

新卒者や若年者であれば、教育指導は必須と考えられますが、

 

事例の場合、高いポジションの中途入社であり、過去の経歴等

 

を考えての処遇となっています。

 

 

この場合は、会社は「最初から教育、指導を施して必要な能力を

 

身に着けさせることを予定していない」として、教育義務等を

 

軽減させているのです。

 

 

このことは、中途採用の場合で、特に経験値が高く、それなりの処遇

 

で採用する場合は、教育義務については軽減されていると判断されます。

 

 

 

 

この裁判から言えることは、中途採用でキャリア採用を行う場合、

 

まず、会社として、どのよう業務を行ってもらい、どの程度の成果

 

を期待するのか、明確にしましょう。

 

 

そして、この業務をこなすには「どの程度の能力が必要なのか」を

 

明らかにし、その能力を保持している事が採用の条件となる事を

 

明確にしておくことが重要なのです。

 

 

 

この部分が欠けているケースでは、解雇はできないと考えて下さい。

 

 

そして、改善されるまで会社は教育、指導を繰り返す事となるのです。

 

 

 

 

冒頭のご相談のケースでは、雇用契約書の締結時に私が立会ました。

 

 

そして、「幹部社員の採用」ということなので、会社の方針、

 

社長の考え方を理解して頂くことが第一義と言う旨を、社長が時間

 

をかけて説明しました。

 

 

そして、業務についての基準を伝え、それを雇用契約書に記載し、

 

理解して、サインをもらいました。

 

 

ここまで実施し、お互い意見をすり合わせてから、業務について

 

もらうこととなりました。

 

 

このケースで、私は社長に幹部社員に期待する事を事前に提出して

 

もらい、数値できるところを数字で示し、理解が必要な部分は

 

時間をかけて意識を統一してもらったのです。

 

 

手間がかかりましたが、社長は大変喜んでおられ、その後、「何の

 

問題もなく進んでいます」と報告を受けております。

 

 

幹部の採用は難しい部分がありますが、上記のプロセスを踏めば

 

怖がることはありません。

 

 

一番いけないのは、期待する業務を事前に伝えきることができない

 

ことです。

 

 

そして、入社後「仕事ができない」と嘆いても、後の祭りとなって

 

しまうのです。

 

 

 

 

また、採用についてもよくご相談をお受けします。

 

 

入社したら、すぐに出社できなくなり、実は精神疾患を

 

患っていた等のご相談を受けました。

 

 

面接で確認すべきことは人物評価などだけではなく、

 

【法的なポイント】も重要なのです。

 

 

むしろ、その方が重要なこともよくあるのです。

 

 

正直なところ、ここをないがしろにし、性善説に立ち過ぎた

 

採用活動を行なっていくと、落とし穴に落ちる確率が非常に

 

高くなるのです。

 

 

そして、事が起こってから、私に相談にいらっしゃることも

 

本当に多いのです。

 

 

さらに、ご相談に対応していて思うことが「基本的なことの

 

保全さえできていれば、こんなに傷口を広げずに済んだのに・・・」

 

ということです。

 

 

本当に本当に歯がゆい思いを何度も何度もしてきたのです。

 

 

このDVDは面接、採用に関して法的に保全すべきポイントを

 

多角的に解説しています。

 

 

また、「会社の出口」である解雇に関しても「法的な保全が甘い」と

 

いうことがよくあり、結果として、トラブルになった場合は傷口を

 

広げることになります。

 

 

そこで、会社の「入口」、「出口」の両方を保全するという

 

意味から、解雇についても解説しているのです。

 

 

採用・面接の極意と戦略的解雇の方法セミナーを収録した

 

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ご覧になってください。

 

 

 

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ご注意ください。

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●本記事は専門的な内容を分かりやすくするため、

 

敢えて詳細な要件などは省略していることもございます。

 

お伝えした方法を実行する際は当社までご相談ください。

 

当社にご相談の無い状況でこの情報を利用されて生じたいかなる損害に

 

ついても、当社は賠償責任を負いません。

 

 

また、この内容は掲載日現在の法令や通達などに基づいておりますので、

 

ご注意ください。

 

 

 

■編集後記

 

 

先週、東京ビックサイトで行われたHR EXPOに行ってきました。

 

 

人事システム、教育研修、採用支援、HRテクノロジーと

 

様々な企業がブースを出していて、人事や総務まわりのサービスを

 

販売していました。

 

 

ここで気になったのはHRテックの進化です。

 

 

社労士が事務代行する書類の提出を電子化するのは当たり前で、

 

今後は人事や採用分野にも、その技術が利用されようとしています。

 

 

私たちも情報の波に乗り遅れないようにしないとと思い、

 

いろいろな情報を収集してきました。

 

 

HRテック、恐るべし!と言うのが率直な感想です。

 

 

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