社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所

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辞めてもらいたい社員への対応について


2018年8月14日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


 

おはようございます、社会保険労務士の内海です。

 

いつもありがとうございます。

 

 

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今日は「辞めてもらいたい社員への対応について」を解説します。

 

 

先日、次のようなご相談がありました。

 

 

「辞めてもらいたいと考えている社員がいますが、どのようにして

 

退職してもらえばよいでしょうか?」

 

 

同じような相談も多くあり、この話は多くの会社が

 

頭を抱えています。

 

 

また、社長たちは、何となく「解雇が難しい」ことは承知して

 

いますが、リスクが大きいことも何となくわかっているのです。

 

 

解雇について、解雇権濫用法理が労働契約法16条に

 

記載されています。

 

 

これが以下となっています。

 

 

「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない

 

場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」

 

 

 

解雇は

 

〇 客観的に合理的な理由

 

〇 社会通念上相当

 

の2つの要因が認められないと「解雇無効」となってしまうのです。

 

 

この要因のハードルはとても高く、裁判でも「解雇無効」の判断が

 

よく出ているのも事実なのです。

 

 

もし、解雇が無効となったら、職場復帰をさせなければ

 

ならないでしょう。

 

 

この場合、大きな争いを起こした社員を戻しても、双方の

 

信頼が壊れている場合がほとんどです。

 

 

きちんと業務をこなしてくれるかも疑問です。

 

 

こうなると金銭での解決となり、多額の金額が要求されるケースも

 

多くあります。

 

 

場合によっては、精神的負担が大きい等で慰謝料の話が

 

出てくるかもしれません。

 

 

また、従業員側も再就職等への影響なども考えないと

 

いけません。

 

 

いずれにせよ、解雇等でこじれたら、お互いに不利益となる

 

可能性が大きいのです。

 

 

 

 

そのため、会社は合意退職を原則として対応を考えます。

 

 

その手段として「退職勧奨」が多く用いられます。

 

 

退職勧奨とは「会社が従業員に対して、退職を促すこと」

 

であり、単に「辞めて下さい」とお願いをしている状態です。

 

 

しかし、退職の合意を誘因しているという法律行為の性格も

 

併せもっているので、退職勧奨を実施する場合はプロセスが

 

とても重要なのです。

 

 

では、退職勧奨の流れをみていきましょう。

 

 

〇 退職勧奨の準備

 

→ 退職勧奨の理由の整理

 

→ 退職条件(例:退職一時金の支給、有給買取、再就職支援等)

 

→ 勧奨の段取り等の決定

 

 

〇 面談の実施

 

→ 従業員の自由な意思決定が妨げられないような状況、

 

  方法で実施する

 

→ 退職の強要とならないようにする

 

 

〇 退職届、合意書の作成

 

→ 退職の意思確認を文書化する

 

→ 会社の承諾を明確にする(総務部長等)

 

 

〇 合意退職

 

 

以上のような流れとなって退職となるのです。

 

 

ここで問題となるのが、勧奨のやり方です。

 

 

裁判等でも退職勧奨のやり方で不法行為が認められたものが

 

多いです。

 

 

以下の裁判例をみてみましょう。

 

 

<下関商業高校事件 最高裁 昭和55年7月10日>

 

 

〇 勧奨対象者は1回目の面談で「勧奨に応じない」事を表明して

 

いたのですが、2ヵ月強の間に11回、約4ヵ月の間に13回、

 

市教委に出頭を命じた。

 

 

〇 面談では多い時に4人に囲まれた。

 

 

〇 面談時間は短くて20分、長い時には2時間15分で、

 

  退職するまで勧奨を続ける印象を植え付けた。

 

→ 心理的圧迫を加えた。

 

 

この結果、不法行為が認められたのです。

 

 

 

<日本航空雇止事件 東京地裁 平成23年10月31日>

 

 

〇 対象者が自主退職しない意思を示しているのに、

 

  以下の言葉が浴びせ、退職を求めた。

 

→ 「いつまでしがみつくつもりなのかなっていうところ」

 

→ 「辞めていただくのが筋です」

 

→ 「懲戒免職とかになったほうがいいんですか?」

 

 

この結果、認容慰謝料額20万円であった。

 

 

<エム・シー・アンド・ピー事件 京都地裁 平成26年2月27日>

 

 

〇 退職勧奨に応じなければ解雇する可能性を示唆するなどして

 

  退職を求めた。

 

 

〇 退職の意思なしと表示しても繰り返し退職勧奨を実施し、

 

  面談は1時間~2時間と長時間に及んだものがある。

 

 

この結果、認容慰謝料額は30万円となった。

 

 

 

 

このように、退職勧奨はあくまでも「退職の勧め」であって

 

強引に実施するものではありません。

 

 

よって、以下のことに注意しながら実施することをお勧めします。

 

 

〇 勧奨者は2名程度とする

 

→ 多すぎて強要と捉えられないようにし、

 

  1名だと「言った言わない」のトラブルとなるので、

 

  それを防止する

 

 

〇 可能な限り就業時間中にする

 

 

〇 1回の時間は30分~1時間程度とする

 

→ 長時間の面談は強要と捉えられる

 

 

〇 勧奨に応じない意思表示があった場合、執拗な勧奨は避ける

 

 

これらを整え、計画的に退職勧奨を実施することが重要です。

 

 

退職に追い込もうとして「焦って」実行しても、後々問題が

 

発生しているケースをよく拝見します。

 

 

実施する場合は、計画的に確実に進めましょう。

 

 

また、「退職勧奨に応じなければ解雇になる、と言っても

 

良いでしょうか?」とご質問を受けることがあります。

 

 

この場合、客観的に有効な解雇事由がある場合は、

 

 

〇 貴殿の行為は解雇事由に該当している

 

 

〇 解雇にする可能性がある

 

 

〇 解雇にも検討している

 

 

と言った発言にとどめておきましょう。

 

 

あまり、強く迫ると退職強要とみられてしま可能性があるからです。

 

 

 

 

また、採用についてもよくご相談をお受けします。

 

 

入社したら、すぐに出社できなくなり、実は精神疾患を

 

患っていた等のご相談を受けました。

 

 

面接で確認すべきことは人物評価などだけではなく、

 

【法的なポイント】も重要なのです。

 

 

むしろ、その方が重要なこともよくあるのです。

 

 

正直なところ、ここをないがしろにし、性善説に立ち過ぎた

 

採用活動を行なっていくと、落とし穴に落ちる確率が非常に

 

高くなるのです。

 

 

そして、事が起こってから、私に相談にいらっしゃることも

 

本当に多いのです。

 

 

さらに、ご相談に対応していて思うことが「基本的なことの

 

保全さえできていれば、こんなに傷口を広げずに済んだのに・・・」

 

ということです。

 

 

本当に本当に歯がゆい思いを何度も何度もしてきたのです。

 

 

このDVDは面接、採用に関して法的に保全すべきポイントを

 

多角的に解説しています。

 

 

また、「会社の出口」である解雇に関しても「法的な保全が甘い」と

 

いうことがよくあり、結果として、トラブルになった場合は傷口を

 

広げることになります。

 

 

そこで、会社の「入口」、「出口」の両方を保全するという

 

意味から、解雇についても解説しているのです。

 

 

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●本記事は専門的な内容を分かりやすくするため、

 

敢えて詳細な要件などは省略していることもございます。

 

お伝えした方法を実行する際は当社までご相談ください。

 

当社にご相談の無い状況でこの情報を利用されて生じたいかなる損害に

 

ついても、当社は賠償責任を負いません。

 

 

また、この内容は掲載日現在の法令や通達などに基づいておりますので、

 

ご注意ください。

 

 

 

■編集後記

 

 

お盆休みはいかがお過ごしでしょうか?

 

 

私は通常業務ですが、多くのクライアント様がお休みを

 

とられているのか?事務所にいても電話、メールの数が

 

少ないですね。

 

 

私どもは休みのスケジュールをずらして取得しています。

 

 

この方法ですと、一斉休暇にならないので、個人的には休んでも

 

「連絡があるかも知れない」と気になりますね。

 

 

今年はその心を捨てて、休もうと思いますが、

 

だいぶ後になりそうです(笑)

 

 

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