社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所

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事業場外みなし労働時間は、活用できるのでしょうか?


2018年10月 2日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


おはようございます、社会保険労務士の内海です。

 

いつもありがとうございます。

 

 

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今日は「事業場外みなし労働時間は、活用できるのでしょうか?」

 

を解説します。

 

 

出張や外回りの営業のように事業場外でなされる業務は、

 

会社の具体的な指揮監督が及ばず、労働時間の算定が困難に

 

なる場合がしばしばあります。

 

 

この場合、労働基準法は、合理的に対処するために、労働時間を

 

みなし制により算定することができるようにしました。

 

 

すなわち、労働者が労働時間の全部または一部について事業場外で

 

業務に従事した場合において、労働時間を算定しがたいときには、

 

所定労働時間労働したものとみなされます。

 

 

ただし、その業務を遂行するためには所定労働時間を超えて労働する

 

ことが通常必要になる場合には、その業務の遂行に通常必要とされる

 

時間労働したものとみなされることになります。

 

 

この場合、業務の遂行に通常必要とされる時間は、事業場の過半数組合、

 

そのような組合がない場合は過半数代表者との労使協定により定めること

 

ができます。

 

 

 

この制度の第一の要件は、事業場の外で労働がなされることです。

 

 

労働の一部が事業場外で行われ、残りが事業場内で行われる場合は、

 

事業場外での労働についてのみ、みなし計算がなされます。

 

 

これによると、一部事業場外労働において所定労働時間みなしを行う

 

場合は、原則として、事業場外労働に対応する部分の所定労働時間が

 

みなしの対象となると考えられます。

 

 

たとえば、午前中は自宅から営業先に直行し、午後4時以降事業場に

 

戻って内勤業務を行う場合は、午後4時までは所定時間労働したものと

 

みなされ、それ以後は実労働時間で計算して合計が労働時間となるのです。

 

 

次に、みなし制を適用するためには、労働時間を算定しがたいことが

 

第二の要件となります。

 

 

労働時間を算定しがたいかどうかは、使用者の具体的な指揮監督や

 

時間管理が及ぶか否かなどにより判断されます。

 

 

 

行政解釈(昭63.1.1基発1号)によれば、

 

〇 業務を行うグループの中に時間管理者が含まれる場合

 

 

〇 無線やポケットベル(当時は携帯電話がまだ普及していません)

 

  により随時使用者の指示を受ける場合

 

 

〇 訪問先や帰社時刻などにつき具体的な指示を受けてその指示どおり

 

  に業務を行い、その後事業場に戻る場合

 

 

以上はこの要件を充たさないとされています。

 

 

 

最近では携帯電話や携帯端末を使う従業員がほとんどですが、

 

これらにより随時指示を受ける場合も同様と考えられます。

 

 

したがって、厳密に言えば現在では、外回りで働く営業職やセールス職

 

の労働者のほとんどはみなし制の適用対象とはならないことになります。

 

 

 

 

しかし、外勤の営業マンが頻繁に会社に連絡できない場合等は

 

どうなってしまうのでしょうか?

 

 

これに関する裁判があります。

 

 

<ナック事件 東京地裁 平成30年1月5日>

 

 

〇 事業場外みなしで働く営業マンが、携帯電話やメール

 

  の指示を受け時間算定できるのではと考えた。

 

 

〇 その時間について「未払い賃金」が発生すると考え、

 

  未払い残業代等を求めた。

 

 

そして、裁判所の判断は次となったのです。

 

 

〇 「時間把握の事務が煩雑に過ぎる」といった合理的理由が

 

  あり「時間を算定し難い」とした。

 

 

この裁判を詳しくみてみましょう。

 

 

〇 営業マンは事業場(支店)から外出して複数の都道府県にまたがって

 

顧客を訪問する営業に従事していた。

 

 

〇 訪問のスケジュールは上司が具体的に決定することはなく、

 

チームを構成する営業マンが内勤社員とともに決定していた。

 

 

〇 訪問のスケジュールは内勤社員による把握やスケジュール

 

管理ソフト入力で共有化されていたが、上司が詳細又は実際との

 

移動を把握したり、確認したりすることはなかった。

 

 

〇 訪問の回数や時間は営業マンの裁量的な判断に任されていた。

 

 

〇 訪問を終えた後は、携帯電話のメールや電話で結果が報告されていたが、

 

書面による出張報告書の内容は簡易で、訪問状況が具体的に報告されて

 

いたわけではなかった。

 

 

〇 特に営業マンは、出張報告書に顧客のスタンプがあっても本当に訪問

 

の事実があったことを客観的に保証する効果はなかった。

 

 

〇 出張報告書の内容は、添付された交通費等の精算に関する領収書に

 

日時の記載があれば移動の事実やそれに関連する日時は確認できるが、

 

それ以外の内容の客観的な確認は困難であった。

 

 

〇 上司は、営業マンに業務の予定やスケジュールの変更につき具体的

 

に指示を出すことはあったが、営業社員の業務全体と比較すると、

 

その割合が大きいとはいえないこと

 

 

〇 営業マンの訪問に上司その他の監督者が同行することはなく、

 

チームを組む内勤社員も上司その他の監督者ではなかった。

 

 

〇 会社は営業マンが訪問の際、不当営業活動を繰り返していたことを

 

相当期間把握できないままであったことが認められる。

 

 

これらの認定事実を総合すると、営業マンの労働時間の大部分は

 

事業場外での労働であったのです。

 

 

そして、具体的な業務の性質、内容やその遂行の態様、状況等、

 

業務に関する指示及び報告の方法、その実施の態様等に照らして、

 

勤務の状況を把握することは、煩雑な事務で不可能な状況でした。

 

 

よって、会社が営業マンの事業場外労働の状況を把握することは

 

困難であったと判断されたのです。

 

 

 

 

今の時代、情報機器の発達で事業場外労働の要件である

 

「労働時間を算定し難い」ことがあり得るかが問われた裁判

 

です。

 

 

この裁判では「携帯電話等を所持」していれば、そのことのみ

 

で「労働時間を算定し難い時」に当たらないということです。

 

 

みなしを認める要件として、

 

〇 過重な経済的負担を要する

 

〇 報告が頻繁過ぎる

 

等が合理的理由がある場合としたのです。

 

 

とはいえ、みなし適用は慎重に取扱うべきであり、

 

今回の裁判の要件がそろっていれば、問題なしとは言い切れない

 

でしょう。

 

 

まだまだ、情報機器を所持していれば「連絡がつく」ので

 

みなしの適用は難しいという流れはあります。

 

 

阪急トラベルサポート事件(最高裁 平成26年1月24日)

 

でみなし労働時間の判断がありましたが、この時も携帯所持のみ

 

で、みなし労働を不適用とはしないとしています。

 

 

しかし、現実的にすぐ連絡がつく状態で、報告を義務付けていれば

 

適用は厳しそうです。

 

 

 

 

また、採用についてもよくご相談をお受けします。

 

 

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患っていた等のご相談を受けました。

 

 

面接で確認すべきことは人物評価などだけではなく、

 

【法的なポイント】も重要なのです。

 

 

むしろ、その方が重要なこともよくあるのです。

 

 

正直なところ、ここをないがしろにし、性善説に立ち過ぎた

 

採用活動を行なっていくと、落とし穴に落ちる確率が非常に

 

高くなるのです。

 

 

そして、事が起こってから、私に相談にいらっしゃることも

 

本当に多いのです。

 

 

さらに、ご相談に対応していて思うことが「基本的なことの

 

保全さえできていれば、こんなに傷口を広げずに済んだのに・・・」

 

ということです。

 

 

本当に本当に歯がゆい思いを何度も何度もしてきたのです。

 

 

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そこで、会社の「入口」、「出口」の両方を保全するという

 

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●本記事は専門的な内容を分かりやすくするため、

 

敢えて詳細な要件などは省略していることもございます。

 

お伝えした方法を実行する際は当社までご相談ください。

 

当社にご相談の無い状況でこの情報を利用されて生じたいかなる損害に

 

ついても、当社は賠償責任を負いません。

 

 

また、この内容は掲載日現在の法令や通達などに基づいておりますので、

 

ご注意ください。

 

 

 

■編集後記

 

 

最近、WEB上の研修ビデオで、研修を受けました。

 

 

これは、移動時間等がないので、気軽に受講できます。

 

 

しかし、緊張感はまるでないですね(笑)

 

 

リラックスし過ぎで、果たしてきちんと理解しているか・・・(汗)

 

 

もし、これが自宅なら効果が「ゼロ」かもしれませんね(笑)

 

 

失礼しました。

 

 

気を引き締めて受講します!!

 

 

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