社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所

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産業医の診断で会社が判断する場合のリスク


2018年10月 9日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


おはようございます、社会保険労務士の内海です。

 

いつもありがとうございます。

 

 

前回、即満席となった最新労務セミナー

 

追加開催決定!「これからの労務管理と働き方改革に対する実務」を

 

追加開催いたします。

 

 

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今日は「産業医の診断で会社が判断する場合のリスク」を

 

解説します。

 

 

精神疾患、とりわけ「うつ病」の社員の取扱いについての

 

ご相談は後を絶ちません。

 

 

業種、業態、企業規模を問わず、いろいろな会社が精神疾患の

 

問題で悩んでいます。

 

 

この問題で特に難しいのが復職の判断についてです。

 

 

会社の思惑で「復職させたくなく、退職になりませんか?」

 

と相談されるケースも多くあります。

 

 

しかし、「復職させたくない」という意見が出る場合は、

 

冷静な判断ではない場合がほとんどです。

 

 

感情的に「戻したくない」「戻られると厄介だ」との感情

 

から判断される場合で、医学的な判断から会社がアプローチ

 

していない場合が多いです。

 

 

 

 

先日、ご相談をお受けしたケースで、以下のものがあります。

 

 

〇 主治医は「復職可」

 

〇 産業医は「復職不可」

 

〇 就業規則に「意見が異なった場合は産業医の意見を尊重する」

 

  とルール化されていた

 

 

この場合、就業規則に沿って「復職不可と判断していいのか?」

 

との相談がありました。

 

 

結論からすると「なぜ主治医と産業医の診断がかい離するのか

 

再調査して、それからの判断を行わないと、早急に復職不可で

 

退職となると不当解雇のリスクもあります」と回答しました。

 

 

 

 

これに関する裁判があります。

 

 

<神奈川SR経営労務センター事件 横浜地裁 平成30年5月10日>

 

 

〇 従業員Aがうつ状態、従業員Bが適応障害で休職していた。

 

 

〇 それぞれの休職期間が満了となるので、それぞれの主治医の診断で、

 

  診断書が提出され「復職可」となっていた。

 

 

〇 会社は産業医の判断もあおぐとのことで、産業医に診断してもらい

 

  その結果2名とも「復職不可」となった。

 

 

〇 会社は産業医の判断で2名を「自然退職扱い」とした。

 

 

〇 それぞれの従業員は「この判断はおかしい」として裁判に

 

  訴えた。

 

 

そして、裁判所の判断は以下となったのです。

 

 

〇 退職時の健康状態は2名とも「従前の業務が行えるまで回復」

 

  しており、休職事由は消滅している。

 

→ 主治医の判断は信用できる

 

 

〇 就業規則に「休職事由が消滅した場合は復職する」となっている。

 

→ 退職となる理由がない

 

 

〇 従業員側の主張が通り、会社が敗訴となる。

 

 

この裁判でのポイントは「産業医の意見の信用性」についてです。

 

 

産業医の証言等では、従業員らの状況は「うつ病、適応障害が寛解し

 

職務を行えない状況ではない」とのことでした。

 

 

そして、産業医が職場復帰不可とした理由は、休職前の状況からすると、

 

職場の他の従業員に多大な影響が出る可能性が高いというもので、

 

これは、病気の状況とは関係のない事情だったのです。

 

 

産業医はこの2名について、冷静に判断できる状況ではなく、

 

組織の一員としての倫理観や周囲との融和意識に乏しいことに

 

加え、職場の状況に原因があるとしたのです。

 

 

この2名はいままで、他の者に対し、誹謗するのに終始したと

 

判断していたのです。

 

 

しかし、これらの職員間のトラブルは医学的な判断とは異なり、

 

裁判所はこれを理由に産業医の判断を採用できないとしたのです。

 

 

 

 

この裁判でも分かるように、診断書に「復職不可」となっていれば

 

それを理由に復職させないと判断するのはリスクが高いのです。

 

 

精神疾患等で休職させた社員を「戻すのか」「戻さないのか」に

 

ついて、医者の診断書は必須です。

 

 

しかし、会社が判断するにあたり、疑問がわいたら「産業医、指定医」

 

などのセカンドオピニオンは必要です。

 

 

そして、意見にギャップが出たら、そのギャップについて、

 

会社として調査し、それから判断すべきなのです。

 

 

多くの会社では、「医師が復職不可だから退職と判断します」と

 

して、「問題ないですよね」とのご相談があります。

 

 

しかし、この裁判の結果からわかる通り、会社の都合のいい判断を

 

採用しても、裁判等でひっくり返される可能性があるのです。

 

 

よって、復職の判断で悩んだら、産業医等に相談後、法的判断も

 

必要となります。

 

 

この問題に強い弁護士、社労士に相談することをおすすめします。

 

 

 

 

また、現場でよくあるのは、社員が病状等で「復職できない」と

 

感じていれば、素直に退職等の運びとなります。

 

 

そのようなときはできるだけのケア等を行うのも会社の義務

 

と考えられます。

 

 

 

 

また、採用についてもよくご相談をお受けします。

 

 

入社したら、すぐに出社できなくなり、実は精神疾患を

 

患っていた等のご相談を受けました。

 

 

面接で確認すべきことは人物評価などだけではなく、

 

【法的なポイント】も重要なのです。

 

 

むしろ、その方が重要なこともよくあるのです。

 

 

正直なところ、ここをないがしろにし、性善説に立ち過ぎた

 

採用活動を行なっていくと、落とし穴に落ちる確率が非常に

 

高くなるのです。

 

 

そして、事が起こってから、私に相談にいらっしゃることも

 

本当に多いのです。

 

 

さらに、ご相談に対応していて思うことが「基本的なことの

 

保全さえできていれば、こんなに傷口を広げずに済んだのに・・・」

 

ということです。

 

 

本当に本当に歯がゆい思いを何度も何度もしてきたのです。

 

 

このDVDは面接、採用に関して法的に保全すべきポイントを

 

多角的に解説しています。

 

 

また、「会社の出口」である解雇に関しても「法的な保全が甘い」と

 

いうことがよくあり、結果として、トラブルになった場合は傷口を

 

広げることになります。

 

 

そこで、会社の「入口」、「出口」の両方を保全するという

 

意味から、解雇についても解説しているのです。

 

 

採用・面接の極意と戦略的解雇の方法セミナーを収録した

 

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ご覧になってください。

 

 

 

 

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ご注意ください。

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敢えて詳細な要件などは省略していることもございます。

 

お伝えした方法を実行する際は当社までご相談ください。

 

当社にご相談の無い状況でこの情報を利用されて生じたいかなる損害に

 

ついても、当社は賠償責任を負いません。

 

 

また、この内容は掲載日現在の法令や通達などに基づいておりますので、

 

ご注意ください。

 

 

 

■編集後記

 

 

働き方改革について、省令等もでてきて、具体的な対応を

 

考える時期となってきました。

 

 

中小企業などは、段階的にスタートするので、少しのんびり感が

 

漂ってきますが、実際に裁判等になったらリスクが高いでしょう。

 

 

来年4月スタートですが、実際の準備やルールの制定などは

 

そろそろはじめないと出遅れてしまいます。

 

 

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