社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所

労働問題のご相談、労使トラブルのご相談なら 東京都 港区の社会保険労務士 内海正人

定額残業制度で実残業時間数の明示は必須でしょうか?


2018年10月16日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


おはようございます、社会保険労務士の内海です。

 

いつもありがとうございます。

 

 

 

前回、即満席となった最新労務セミナー

 

追加開催決定!「これからの労務管理と働き方改革に対する実務」を

 

追加開催いたします。

 

 

開催日時:11月2日(金)

 

開催時間14:00~16:30 (受付開始13:30)

 

講師 社会保険労務士 内海 正人

 

受講料:5,400円(税込)

 

 

詳細はこちら

 

 

https://roumu181102.peatix.com/view

 

※ セミナーは終了しました。

 

 

 

皆さんは就業規則や雇用契約書などの作成でお困りでは

 

ありませんか?

 

 

また、未払い残業代や労務トラブルなどでお困りではありませんか?

 

 

「単発のご相談」、「顧問契約」、「作成のご依頼」、「給与計算」

 

などがございましたら、下記よりお問合せください。

 

https://www.roumu55.com/komon.html

 

 

 

 

今日は「定額残業制度で実残業時間数の明示は必須でしょうか?」

 

を解説します。

 

 

定額残業制度の導入は、企業規模を問わず浸透しています。

 

 

そんな中、定額残業制度の法的要件について、ご質問を受ける

 

ケースが多いです。

 

 

以前もお伝えしましたが、以下がポイントとなるのです。

 

 

〇 明確区分性(通常の労働時間の賃金に当たる部分と残業の

 

  賃金が明確に区分されていること)

 

 

〇 対価要件(割増賃金の対価として支払われていること)

 

 

〇 差額支払の合意(定額部分を超える割増賃金の差額を支払う

 

  合意)

 

 

しかし、昨今の労働基準監督署の指摘も加味すると、

 

つぎの項目もクローズアップされます。

 

 

〇 固定残業に該当する労働時間

 

〇 固定残業に該当する賃金

 

 

この両方が明確になっていないと固定残業制度そのものが

 

認められない可能性が高くなるともいわれています。

 

 

この判断に疑問も多く、果たして、労働時間が明記されていないと

 

定額残業制度は無効となってしまうのでしょうか?

 

 

 

 

 

これに関する裁判があります。

 

 

<日本ケミカル事件 最高裁 平成30年7月19日>

 

 

〇 薬剤師として勤務していたAは「月額給与」と「業務手当」を

 

  支給されていた。

 

 

〇 採用確認書には「業務手当はみなし時間外手当である」と説明

 

  され、「時間外手当は、みなし残業時間を超えた場合はこの限り

 

  ではない」との記載があった。

 

 

〇 賃金規程にも、業務手当を「時間外手当の代わりとして支給する」

 

  と明記し、会社と各従業員の間で確認書が交わされていた。

 

 

→ 業務手当は時間外労働30時間分として支給と記載

 

→ 出退勤はタイムカードで管理

 

 

〇 原審(東京高裁 平成29年2月1日)では、「業務手当が

 

  何時間分の時間外手当になるのか伝えられていない」等を

 

  理由に業務手当は割増賃金として認められないとした。

 

 

→ 定額部分を上回る額の時間外手当が発生した場合、直ちに

 

  支払いを請求する仕組みが備わっていないことも理由の一部

 

  とされた

 

 

そして、最高裁まで裁判は続き、以下の判断が下されたのです。

 

 

〇 雇用契約書、確認書そして、賃金規程において業務手当が

 

  時間外労働に対する対価として支払われる旨の記載がある。

 

 

〇 会社と各従業員との間で作成された確認書で、業務手当が

 

  時間外労働に対する対価として支払われる旨が記載され、

 

  業務手当が時間外労働等に対する対価として位置づけられていた。

 

 

〇 業務手当は約28時間の時間外労働に対する割増賃金に相当する

 

  ものであり、実際の時間外労働等の状況と大きくかい離するもの

 

  ではない。

 

 

〇 業務手当は時間外労働等に対する対価として支払われていたと

 

  認められる。

 

→ 会社側の主張が通った(高裁の判断と逆の結論となった)

 

 

この裁判で、最高裁と高裁の判断が異なったのはなぜなのか

 

みていきましょう。

 

 

高裁は以下を理由に業務手当は割増賃金として認められないと

 

判断しました。

 

 

〇 業務手当が何時間分の時間外手当になるのか伝えられていない

 

 

〇 定額部分を上回る額の時間外手当が発生した場合、直ちに支払いを

 

  請求する仕組みが備わっていない

 

 

しかし、最高裁は以下の理由で高裁の判断と逆の判断をしました。

 

 

〇 労働基準法37条で定められている残業の割増し賃金の計算

 

  を下回らないことを法律では義務付けていて、基本給や諸手当

 

  に割増賃金をあらかじめ含めて支払うこと自体は違法ではない。

 

 

〇 ある手当が時間外労働等の対価として支払われていることが

 

  雇用契約、賃金規程で明確である。

 

 

〇 基本給と定額残業代の金額のバランスが適切であり、労働者の

 

  福祉を損なう出来事の温床となる要因が無い。

 

 

以上の要素を鑑みて業務手当は時間外労働等に対する対価として

 

支払われていると認められたのです。

 

 

 

 

定額残業代の問題は何回も取り上げてきました。

 

 

しかし、裁判によって考え方等が異なり、微妙な判断が繰り返されて、

 

一般的な方向性を出しづらかったと感じておりました。

 

 

割増賃金として、法律通りの計算以上の金額が支払われている限り、

 

法律に反するものではないとの判断が事例の最高裁の判断として、

 

なされました。

 

 

これは賃金のうち割増賃金がその部分なのかが明確であることは

 

必要ですが、定額残業代として、月例給の一部を残業代としたり、

 

手当で毎月一定額を支給する方法も可能であることがはっきりしました。

 

 

しかし、過去の裁判での補足意見や労働基準監督署の調査では

 

〇 時間外労働の実時間数

 

〇 その残業手当の額の明示

 

〇 差額支給の明示

 

が必要とされていました。

 

 

今回の事例の最高裁の判断ではこれらの要件は「適用要件」として

 

求められるものではないということが明確にされたのです。

 

 

もっとも、職業安定法は労働者募集の際に定額残業代の計算方法、

 

時間及び金額、基本給の額、不足が生じた場合の追加の支払いを明示

 

するべきであるとしています。

 

 

これは、労働者募集の話で行政対応の問題であって、割増賃金の適法性

 

を左右するものではありません。

 

 

とはいえ、募集に際しては細心の注意を行わなければなりません。

 

 

また、この手の問題はトラブルになって、後付で「割増賃金は

 

基本給に含まれる」「手当が残業代見合い」などと主張される

 

ケースがまだまだあります。

 

 

しかし、あらかじめ雇用契約書や賃金規程に明示されなければ

 

何の効力も持たなくなるのです。

 

 

 

 

また、採用についてもよくご相談をお受けします。

 

 

入社したら、すぐに出社できなくなり、実は精神疾患を

 

患っていた等のご相談を受けました。

 

 

面接で確認すべきことは人物評価などだけではなく、

 

【法的なポイント】も重要なのです。

 

 

むしろ、その方が重要なこともよくあるのです。

 

 

正直なところ、ここをないがしろにし、性善説に立ち過ぎた

 

採用活動を行なっていくと、落とし穴に落ちる確率が非常に

 

高くなるのです。

 

 

そして、事が起こってから、私に相談にいらっしゃることも

 

本当に多いのです。

 

 

さらに、ご相談に対応していて思うことが「基本的なことの

 

保全さえできていれば、こんなに傷口を広げずに済んだのに・・・」

 

ということです。

 

 

本当に本当に歯がゆい思いを何度も何度もしてきたのです。

 

 

このDVDは面接、採用に関して法的に保全すべきポイントを

 

多角的に解説しています。

 

 

また、「会社の出口」である解雇に関しても「法的な保全が甘い」と

 

いうことがよくあり、結果として、トラブルになった場合は傷口を

 

広げることになります。

 

 

そこで、会社の「入口」、「出口」の両方を保全するという

 

意味から、解雇についても解説しているのです。

 

 

採用・面接の極意と戦略的解雇の方法セミナーを収録した

 

DVDです。

 

 

ご覧になってください。

 

 

 

http://www.success-idea.com/120101/

 

 

 

---------------------------------------------------------------------

本記事の著作権は株式会社日本中央研修会に帰属しておりますので、

 

無断使用、無断転載を禁じます。

 

これらの事実が発覚した場合は法的措置を取らせて頂きますので、

 

ご注意ください。

---------------------------------------------------------------------

 

--------------------------------------------------------------------

株式会社 日本中央研修会

社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所

取締役・社労士 内海正人(うつみまさと)

住所:東京都港区西新橋1-16-5 コニシビル4階

電話:03-3539-3047

 

○顧問契約、単発のご相談(就業規則、雇用契約書など)のお問合せ

https://www.roumu55.com/komon.html

 

○当社の労務関連のDVD、マニュアルなどの商品一覧

http://www.success-idea.com/utsumi.html

--------------------------------------------------------------------

 

●ご友人、知人にもこのメルマガをご紹介ください。

https://www.roumu55.com/mm/

 

 

●恵まれない方のために

 

皆さんが1クリックすると

協賛企業が慈善団体に寄付してくれます(1クリック=1円)。

 

今、自分がここにいられることに感謝し、1日1回クリックしませんか。

 

私も毎日、ワンクリックしています。 http://www.dff.jp/

 

 

●本記事は専門的な内容を分かりやすくするため、

 

敢えて詳細な要件などは省略していることもございます。

 

お伝えした方法を実行する際は当社までご相談ください。

 

当社にご相談の無い状況でこの情報を利用されて生じたいかなる損害に

 

ついても、当社は賠償責任を負いません。

 

 

また、この内容は掲載日現在の法令や通達などに基づいておりますので、

 

ご注意ください。

 

 

 

■編集後記

 

 

先日、ある専門紙の報道で「企画裁量労働制拡大」との記事が

 

ありました。

 

 

働き方改革法の目玉の1つとして、この制度を掲げていましたが、

 

国会で厚生労働省が出した数字が「検証に値しない」数字との

 

ことで、廃案となってしまったものです。

 

 

報道では早ければ再来年の国会に提出される見込みとのことです。

 

 

ここ数年は「働く方改革」が法的にも動く時期となりそうです。

 

 

情報を集め、追っかけていかなければなりませんね。

 

 

 

 

絶賛発売中、「会社のやってはいけない!」

 

https://amzn.to/2v5BkyS


産業医の診断で会社が判断する場合のリスク  |  来年4月の法改正に併せた有給のルールについて

無料でダウンロード

94%の会社が陥る
思わぬ組織の落とし穴!

『組織・人事の解決ノート』

組織・人事の解決ノート

下記にご入力頂ければ、無料レポートをお送り致します。

●お名前:

●メールアドレス:

解雇
社会保険
就業規則
労働時間
労使トラブル
その他
ノウハウを検索
弊社の運営するサイト


TOPお読み頂いた方の声お申し込みよくある質問事業理念事務所概要セミナー実績
ノウハウ |プライバシーポリシー特定商取引に関する法律に基づく表示

 私はチーム・マイナス6%です

 

社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所
社会保険労務士 内海正人

〒105-0003 東京都港区西新橋1-16-5 コニシビル4F
TEL 03-3539-3047 FAX 03-3539-3048
E-mail utsumi@j-central.jp