社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所

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即戦力の営業マンを採用したが、期待外れだった場合は?


2018年10月23日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


おはようございます、社会保険労務士の内海です。

 

いつもありがとうございます。

 

 

前回、即満席となった最新労務セミナー

 

追加開催決定!「これからの労務管理と働き方改革に対する実務」を

 

追加開催いたします。

 

 

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今日は「即戦力の営業マンを採用したが、期待外れだった場合は?」

 

を解説します。

 

 

〇 営業ができない社員を採用してしまった・・・。

 

〇 即戦力の営業マンが中途入社したと思ったのですが・・・。

 

 

このようなお話しをクライアントからよく聞きます。

 

 

そこで、「辞めてもらいたい」「給与を減額したい」等の

 

ご相談もよくお受けします。

 

 

確かに、期待をして入社した社員が、こちらの思惑と異なり

 

戦力化できなかったら、落胆も大きいです。

 

 

しかし、採用時に見極められなかった会社の責任もあり、

 

すぐに解雇や給与の改定ができるわけではありません。

 

 

では、このような場合はどんな対応策があるのでしょうか?

 

 

 

 

これに関する裁判があります。

 

 

<ニチネン事件 東京地裁 平成30年2月28日>

 

 

〇 社員Aは中途採用で、即戦力の営業マンとして期待され

 

  入社した。

 

→ 年俸600万円(月給50万円)

 

 

〇 入社1ヵ月後Aの業績が上がらず、営業先の訪問件数も少なく

 

  上司から営業活動計画をまとめるように指示された。

 

 

〇 提出書面の内容が期待とは異なったので、訪問先を増やす等

 

  の営業活動の改善を求めたが、売り上げはほとんど無かった。

 

 

〇 上司は給与の減額にいて、Aの意向を確認することにつき、

 

  役員会の了解を得て、Aと2時間半程度の面談を行った。

 

 

〇 面談内容は「このままだと雇用が継続できないので、退職して

 

  もらうか、給与半額支給か」と選択をせまり、明日までに返事が

 

  欲しいとして期日を設定した。

 

 

〇 翌日の面談で、管理部長が「解雇予告手当を支払えばAを解雇

 

  できる、辞めるか、給与減額か二択しかない」と告げた。

 

 

〇 Aは面談後「会社の方針に従う」として、給与が半額となった。

 

 

〇 その後、Aは自ら退職し、「給与減額は違法だ」と主張し、

 

  裁判をおこした。

 

 

そして、裁判所の判断は以下となったのです。

 

 

〇 給与の減額が「半額」で、従業員側の不利益の程度は著しい。

 

 

〇 管理部長の「解雇予告手当を払えば解雇できる」との発言は、

 

  不正確な情報を伝え、退職か?給与の減額か?の選択をせまり、

 

  翌日までに決断するように伝えたのは、判断できる時間が少ない。

 

 

〇 本件給与の減額の判断はAの自由な意思に基づいてされたものと

 

  認められず、減額は無効である(会社側の主張は認められない)。

 

 

この裁判を詳しくみてみましょう。

 

 

会社側は給与の減額は本人の「自由な意思に基づく同意の下で

 

されたものであり、有効である」と主張しました。

 

 

しかし、管理部長からの不正確な情報、意思決定は翌日にもとめる

 

など、十分な熟慮期間を与えられない中で、選択を迫られた形と

 

なったのです。

 

 

最終的に退職を回避し、今後の業績で給与が増えるとされることを

 

期待して減額を受け入れたと認められます。

 

 

しかし、事例の裁判で、給与の減額を行うことに「社員の自由な

 

意思に基づく同意を得る以外に、給与減額を行うことができる

 

法的根拠がなかった」のです。

 

 

よって、この「本人の自由な意思に基づく同意か否か?」が争点と

 

なったのです。

 

 

そして、不正確な情報の提供、期日を翌日とした点で「意思決定に

 

対する十分な熟慮期間が与えられていない」と判断され、これにより

 

給与減額が無効となったのです。

 

 

事例の件は、高度な能力を見込まれて中途採用された労働者が、期待

 

された成果を発揮できず、給与減額の必要が生じた場合、給与減額に

 

より生じる不利益の程度や減額の説明が重要となってきます。

 

 

もし、不利益の程度、減額の説明がきちんと説明できず、仕方によっては、

 

同意が従業員の自由な意思に基づくものと認められない場合があるのです。

 

 

この点を、気をつける必要があります。

 

 

 

 

今までの裁判等をみると、給与減額等に関する労働条件の不利益な変更で、

 

これを受け入れる旨の労働者の行為があっても以下の要件が必要となる

 

のです。

 

 

それは「労働者が自由な意思に基づいてされたと認めるに足りる合理的

 

な理由が客観的に存在すること」が求められるのです。

 

 

よって、労働者が自由な意思に基づいて不利益な変更を受け入れたと

 

判断されることは容易ではないのです。

 

 

 

 

では、実務対応はどのようにすれば良いかとみていきましょう。

 

 

具体的には就業規則や労働契約の中に、給与等を減額する根拠となる

 

規定等で、それに基づいて会社の判断によって減額することができる

 

ものを準備しておくことです。

 

 

そして、このルールを運用する際に「合理的な裁量の範囲」で検討し、

 

実施することがポイントです。

 

 

以前の裁判(新聞運輸事件 東京地裁 平成22年10月29日)で、

 

降格による年度途中の年俸額の会社による一方的減額は否定されて

 

いました。

 

 

しかし、翌年度の年俸決定は「年俸合意によって有する合理的な裁量の

 

範囲内」として「年俸合意によって有する合理的な裁量の範囲」と判断

 

して肯定したのです。

 

 

不利益の程度の差はありますが、ルールを作成し、間違えの無い運用を

 

実施すれば、給与減額も法的に有効となるのです。

 

 

ただし、「単に数字が悪いから下げろ」はできません。

 

 

復習になりますが、減額の程度、ルール化を行い、厳密に運用する

 

ことが求められますので、この点を注意して、再度見直しをして

 

下さい。

 

 

 

 

また、採用についてもよくご相談をお受けします。

 

 

入社したら、すぐに出社できなくなり、実は精神疾患を

 

患っていた等のご相談を受けました。

 

 

面接で確認すべきことは人物評価などだけではなく、

 

【法的なポイント】も重要なのです。

 

 

むしろ、その方が重要なこともよくあるのです。

 

 

正直なところ、ここをないがしろにし、性善説に立ち過ぎた

 

採用活動を行なっていくと、落とし穴に落ちる確率が非常に

 

高くなるのです。

 

 

そして、事が起こってから、私に相談にいらっしゃることも

 

本当に多いのです。

 

 

さらに、ご相談に対応していて思うことが「基本的なことの

 

保全さえできていれば、こんなに傷口を広げずに済んだのに・・・」

 

ということです。

 

 

本当に本当に歯がゆい思いを何度も何度もしてきたのです。

 

 

このDVDは面接、採用に関して法的に保全すべきポイントを

 

多角的に解説しています。

 

 

また、「会社の出口」である解雇に関しても「法的な保全が甘い」と

 

いうことがよくあり、結果として、トラブルになった場合は傷口を

 

広げることになります。

 

 

そこで、会社の「入口」、「出口」の両方を保全するという

 

意味から、解雇についても解説しているのです。

 

 

採用・面接の極意と戦略的解雇の方法セミナーを収録した

 

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ご覧になってください。

 

 

 

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ご注意ください。

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●本記事は専門的な内容を分かりやすくするため、

 

敢えて詳細な要件などは省略していることもございます。

 

お伝えした方法を実行する際は当社までご相談ください。

 

当社にご相談の無い状況でこの情報を利用されて生じたいかなる損害に

 

ついても、当社は賠償責任を負いません。

 

 

また、この内容は掲載日現在の法令や通達などに基づいておりますので、

 

ご注意ください。

 

 

 

■編集後記

 

 

来年の10月から消費税が10%となります。

 

 

軽減税率で食品等が8%の据え置きとなるとのことですが、

 

対象品目をきちんと知らないといけませんね。

 

 

また、外食か外食でないかでも税率が異なるので、これも

 

勉強しないといけませんね。

 

 

個人的には8%になる少し前に、必要なものを前倒しで

 

購入しましたが、今回は「よく勉強して」検討しようと

 

思います。

 

 

皆さんはいかがでしょうか?

 

 

 

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