社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所

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労災だと解雇制限で解雇ができませんが・・・


2018年11月 6日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


おはようございます、社会保険労務士の内海です。

 

いつもありがとうございます。

 

 

 

皆さんは就業規則や雇用契約書などの作成でお困りでは

 

ありませんか?

 

 

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今日は「労災だと解雇制限で解雇ができませんが・・・」

 

を解説します。

 

 

 

 

解雇を実施したいが解雇できない期間があるのをご存じですか?

 

 

解雇は、会社側の都合によって労働者との労働契約を解除すること

 

です。

 

 

そして、会社から従業員に一方的に通知するものなのです。

 

 

しかし、解雇は労働者に大きな不利益をもたらすため、

 

不公正解雇は法律で禁止されているのです。

 

 

また、労働者が解雇後の就職活動に困難を来たすことがないように、

 

 

次の一定期間については、解雇を一時制限しています。

 

 

〇 業務上災害により療養のため休業する期間とその後の30日間

 

 

〇 産前産後休業期間とその後の30日間

 

 

このため、これに該当する労働者は法的に解雇ができないのです。

 

 

但し、上記の解雇制限期間中であっても、

 

〇 打切補償を支払う場合

 

〇 天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が

 

  不可能となった場合

 

は解雇することができます。

 

 

打切補償とは、業務上のけがで療養している労働者が療養開始後3年を

 

経過しても治らない場合に、使用者がその後の療養補償や休業補償

 

などの補償義務を打ち切ります。

 

 

そのかわりに、平均賃金の1,200日分を打切補償として支払うことで

 

労働契約を解除できるものです。

 

 

ただし、いずれの場合であっても、労働者保護のために客観的な

 

判断が必要ですので、所轄労働基準監督署の認定を受けずに解雇する

 

ことはできません。 

 

 

 

このように解雇を実施しようとすると、客観的な判断を行っても、

 

労災や産前産後の期間とその後30日間は制限がかかってしまうのです。

 

 

特に「労災だから解雇ができない・・・」という判断は難しいです。

 

 

事務作業をして、紙で指を切っても労災ですし、ホッチキス留めされた

 

資料をホッチキスのフックにひっかけて、誤って手をケガしても労災に

 

該当します。

 

 

そして、半日程度、通院した場合でもこの解雇制限に関連するので

 

しょうか?

 

 

 

 

これに関する裁判があります。

 

 

<日本マイクロソフト事件 東京地裁 平成29年12月15日>

 

 

〇 社員Aは顧客企業に対し、商品のサポート、技術セミナー、

 

  ワークショップの開発等、各種支援事業をしていた。

 

 

〇 Aは仕事の稼働率を上げるため、多くの業務を担当するため

 

  仕事をどんどん受けたが、期限が守れず、品質維持ができなかった。

 

 

→ 業務について、上司の指示を無視してすすめていた。

 

→ 独断で案件に関与するなどして、関係者からも注意を受けていた。

 

 

〇 Aは勝手に残業したり、休日出勤を行ったりしていた。

 

→ 会社はたびたび、勤務改善指導書を交付していた。

 

 

〇 その後、会社はAに対し「承認の無い残業、休日出勤をしない

 

  ように指示」したが、Aはこれを無視していた。

 

 

〇 会社は、Aの「今までの状況、今回の対応等」を鑑み、解雇予告を

 

  行った。

 

 

〇 Aは、解雇予告の3ヵ月前に「休日出勤をして左足を骨折する事故」が

 

  労災事故なので、解雇は不当と主張し、裁判をおこした。

 

 

そして、裁判所は以下の判断を行ったのです。

 

 

〇 解雇は有効。

 

 

〇 会社側の主張がとおった。

 

 

→ その後、Aは控訴(東京高裁 平成30年6月21日)したが、

 

  高裁は控訴を棄却した。

 

 

この裁判を詳しくみていきましょう。

 

 

Aが解雇前に起こした労災事故についてです。

 

 

この事故は「無断で休日出勤中」に起こした事故で、

 

会社内で転倒し、足を骨折したということです。

 

 

裁判でも、この事故は労災と判断しています。

 

 

休日出勤が無断だったとしても、事故が「業務に起因した」

 

と労働基準監督署は判断しています。

 

 

そして、裁判所も同じスタンスで労災と認定しています。

 

 

しかし、解雇制限について、裁判所は「制限はかからない」と判断

 

したのです。

 

 

なぜなら、Aは一部休業とし、勤務実績があり、また、所定労働時間

 

以上の実績がある日もあり「休業の事実が認められない」としたのです。

 

 

 

労働基準法19条の解雇が禁止されていますが、適用について

 

〇 あくまでも業務上負傷

 

〇 療養のため休業する機関

 

が前提なのです。

 

 

労働者が業務災害で労働能力を喪失している期間及びその回復

 

に必要な30日間は解雇制限を行うということです。

 

 

休業とは「全部休業」を意味するのは当然のことなのです。

 

 

さらに、解雇事由の立証について、電子メールのやりとり等に

 

より、具体的に立証されています。

 

 

事例の裁判では

 

〇 具体的な問題行動

 

〇 会社の指導

 

〇 指導に応じないこと

 

等が裁判で認定されたのです。

 

 

 

 

事例の裁判から言えることは、

 

〇 解雇と労災の関係について、休業の本質が明確化された

 

→ 休業とはあくまでも全部休業となる

 

 

〇 解雇については段階を踏んで、かつ、具体的な立証を

 

  客観的に取っておく

 

がポイントとなるのです。

 

 

労災と解雇の問題が1つクリアになった事例ですが、

 

勤務態度が悪い、業務命令に従わないという社員への

 

対応についても参考となるものでした。

 

 

もし、態度が悪い社員、いうことを聞かない社員が存在し、

 

対応に苦慮されている方がいらっしゃったら、今回の件を

 

自社に置き換えて考えてみて下さい。

 

 

 

 

また、採用についてもよくご相談をお受けします。

 

 

入社したら、すぐに出社できなくなり、実は精神疾患を

 

患っていた等のご相談を受けました。

 

 

面接で確認すべきことは人物評価などだけではなく、

 

【法的なポイント】も重要なのです。

 

 

むしろ、その方が重要なこともよくあるのです。

 

 

正直なところ、ここをないがしろにし、性善説に立ち過ぎた

 

採用活動を行なっていくと、落とし穴に落ちる確率が非常に

 

高くなるのです。

 

 

そして、事が起こってから、私に相談にいらっしゃることも

 

本当に多いのです。

 

 

さらに、ご相談に対応していて思うことが「基本的なことの

 

保全さえできていれば、こんなに傷口を広げずに済んだのに・・・」

 

ということです。

 

 

本当に本当に歯がゆい思いを何度も何度もしてきたのです。

 

 

このDVDは面接、採用に関して法的に保全すべきポイントを

 

多角的に解説しています。

 

 

また、「会社の出口」である解雇に関しても「法的な保全が甘い」と

 

いうことがよくあり、結果として、トラブルになった場合は傷口を

 

広げることになります。

 

 

そこで、会社の「入口」、「出口」の両方を保全するという

 

意味から、解雇についても解説しているのです。

 

 

採用・面接の極意と戦略的解雇の方法セミナーを収録した

 

DVDです。

 

 

ご覧になってください。

 

 

 

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ご注意ください。

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●本記事は専門的な内容を分かりやすくするため、

 

敢えて詳細な要件などは省略していることもございます。

 

お伝えした方法を実行する際は当社までご相談ください。

 

当社にご相談の無い状況でこの情報を利用されて生じたいかなる損害に

 

ついても、当社は賠償責任を負いません。

 

 

また、この内容は掲載日現在の法令や通達などに基づいておりますので、

 

ご注意ください。

 

 

 

 

■編集後記

 

 

ハラスメントと言う言葉は、本来、単に「嫌がらせ」と言う意味

 

だったようです。

 

 

しかし、今では「セクハラ」「パワハラ」「マタハラ」をはじめ

 

「モラハラ」「アカハラ」「スメハラ」など、いろいろな用途で

 

使われています。

 

 

この言葉ですが、さらに深い意味で、人権侵害、侮辱などで

 

相手を傷つけることや、不利益を与えることとしての意味も

 

含まれています。

 

 

しかし、指導はハラスメントではなく、あくまでも業務や物事が

 

スムーズに流れるための発言等なのです。

 

 

なんでも「ハラスメント」ということではないかな?と感じる

 

今日この頃です。

 

 

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